メルセデス・ベンツ Sクラス
メルセデス・ベンツ Sクラス

ボディは大きいのにコーナーだって何のその! 快適性と運動性能を両立したエアサスペンションを、先代に引き続き全車に搭載している。

メルセデス・ベンツ Sクラス

7速ATにより圧倒的な加速を実現する。疾走する後姿に見とれてしまう人も多いのでは? 

メルセデス・ベンツ Sクラス

今回の目玉である新開発のV8エンジン。5.5リッターのツインカムで最高出力は387馬力にもなる。しかし走りはジェントルそのもので、あくまで大人の高級車なのである。

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廉価版(といっても987万円)のS350に搭載されるのは3.5リッターV6ツインカムエンジン。こちらだって272馬力を誇り、7段ATとの組み合わせで俊足。性能に不満が出ることはありえないのでは?

メルセデス・ベンツ Sクラス

このクルマの走りは255/45R18というサイズのタイヤで支えられている。この扁平率でもすばらしい乗り心地を維持しているのは立派である。また操縦安定性も第一級のレベルに達している。ホイールデザインはおとなしいものの、まったくあなどれない!

スタイル インテリア 走り&メカニズム

 新しいSクラスは走りのパフォーマンスも高いレベルにある。S350用のV型6気筒3.5L、S500用のV型8気筒5.5Lとも、搭載エンジンはいずれも新しい4バルブ仕様になって優れた動力性能を発揮する。
 200kW/350N・mの実力を持つ3.L5エンジンはすでにEクラスやCLSクラスなどにも搭載されているが、滑らかな吹き上がりと気持ち良く盛り上がるパワーフィールに好感が持てる。7速ATの7Gトロニックと組み合わされることで、ショックの少ない変速フィールでパワーが有効に引き出されるのが特に好印象となる。
 S500用の5.5Lエンジンは285kW(387ps)/530N・mの圧倒的なパワー&トルクを発生する。低速域から余裕のトルクを発生するだけでなく、回したときのパワーフィールも上々だ。発進時にアクセルを思い切り踏み込めば豪快な加速フィールによって2t近いボディをグイグイと押し出していく。
 電子制御のエアマテックサスペンションは高級車らしい心地良い乗り心地を感じさせると同時に、メルセデス・ベンツらしい優れた操縦安定性も発揮する。モードの切り換え機能もいていて、ドライバーの好みに合わせた走りを味わうことも可能だ。
 足回りでは動力性能に見合ったブレーキ性能も上々のもの。今回のSクラスでは従来のセンソトロニックブレーキシステムではなく、標準のブレーキシステムに戻したが、剛性感のある安定した制動性能もメルセデス・ベンツらしいものだ。
 Sクラスの価格はベースモデルとなるS350でも1000万円近い。普通のユーザーに買えるクルマではないが、メルセデス・ベンツを代表する高級車として価格に見合った価値を備えている。S500のほうが従来のモデルに比べて価格アップが大きいので、冷静なチョイスとしてはS350だろう。

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代表グレード
S350
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
5,075×1,870×1,485
車両重量[kg]
1,900
総排気量[cc]
3,497
最高出力[ps(kw)/rpm]
272(200)/6,000
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
35,7(350)/2,400〜5,000
ミッション
7段AT
10・15モード燃焼[km/l]
8.4
定員[人]
5
税込価格[万円]
987
発売日
2005.10.4
レポート
松下 宏
写真
佐藤 靖彦
スタイル インテリア 走り&メカニズム