音と光りとまったりシートにウエイトが置かれているためか、走りに関してははっきり言って特筆すべきところがない。搭載エンジンは1.3Lと1.5Lで、68kWと80kWの動力性能はいずれも数値的にはまずまずのものながら、実際に走らせた印象は吹き上がりにしてもパワーフィールにしても、ごく平凡なものでしかなかった。動力性能に不満があるわけではないが、軽快感や走りの良さを感じさせるようなところはない。
しかもエンジンの環境性能も十分とはいえない。排気ガスこそ超低排出ガス仕様の★★★★を獲得しているが、平成22年燃費基準は2WD車がやっと達成しているだけだ。4WDは基準にも達していないからグリーン税制の適用が受けられない。
足回りも妙に柔らかくて安定感に欠ける感じで、特に1.3L車の足回りは落ち着きが足りない感じ。試乗したのはXバージョンだったので15インチタイヤ+アルミホイールを履いていたのだが、1.5L車の足とは違った印象を受けた。パワーステアリングのフィールももう少し手応えが欲しい感じで、シャシー系の性能平凡なものでしかない。ただ、それこそがbBのコンセプトともいえるもので、走りにこだわらないユーザー層を狙ったクルマとしては、これで良いということなのだろう。
買うなら1.5Z Qバージョンしかない。というか、9スピーカーが用意されているのはこのモデルだけで、ほかのグレードはスピーカー数が少なくなり、オプションで9スピーカーにすることもできないから、bBらしい特徴的な装備が得られない。価格は170万円ほどでちょっと高め。カーナビとVSCを装着すると車両価格で200万円を超える。