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凶器となる縁石ってナンだ!?
クルマが回復不可能になることだってある。
クルマは先進。道路は発展途上。

ライター紹介

CAR-TOPICS編集長

村田 創 氏

大学卒業後新車ディーラーにて5年勤務。その後、中古車のガリバーへ入社。車一筋20年以上のベテランが新車から中古車まで幅広く解説します。

凶器となる縁石ってナンだ!?

地方に行くとこの写真のような縁石をよく見かける。歩道と車道を分けるための縁石であるが、これはクルマに対してダメージを与える凶器になるからとても危険な存在なのだ。

本来なら歩道は一段高くなっているものだ。高くなっている歩道の縁石なら、その縁石自体が見えなくてもドライバーは縁石があることを予想できる。だから近寄らないように走ることができるのだ。

しかし車道と同じ面にある歩道と分けるための盛り上がった縁石は、その縁石が見えないときにはその先の歩道面を見て縁石があることを想像できない。だからそこに近寄ってぶつかってしまうことがある。

クルマが回復不可能になることだってある。

横の道や駐車場から本道に出る場合には、この縁石がクルマの死角に入ってハンドルを左に切って発進したときに乗り上げてしまう。
乗り上げたときに角度が悪くてタイヤを傷つけてしまったり、ホイールを曲げてしまったりする。あるいはサスペンションアームが曲がってアライメントが狂うか、壊れてしまうこともある。

タイヤで乗り上げるだけならいいが、乗り越したときにはボディを下からヒットすることになる。もっと内側に入ってしまった場合には、エンジンのオイルパンを攻撃して大きな被害になる。
縁石が出入り口にある場合には、たいがい縁石が削られるように傷ついている。あの傷を見るとクルマがどんなダメージを受けたか想像するとかわいそうになる。きっと修理代も高かったろうと思う。

バイクで走っているとあそこにステップが当たってしまうと、転倒する可能性もありクルマより人身事故になる可能性が高く危険だ。

雪が降った場合にはもっと危険だ。雪が怖い縁石をソフトに包み込み、縁石の存在を隠してしまう。しかしそばに寄っていけば牙を剥くのである。

クルマは先進。道路は発展途上。

日本は自動車先進国と言われている。世界でもトップ争いをする自動車会社もあるわけだから、製造に関しては先進国だろう。
しかしこんな縁石がある限り自動車交通のインフラとしては発展途上国と言わざるを得ない。

自動車の所有者から徴収した税金が余ってしまっているという。それを自動車以外の目的に転用しようとしている。それならこんなインチキで危険な歩道をやめて、まともな歩道を作ってもらいたい。