ダイハツ ビーゴ
ダイハツ ビーゴ

じつに絶妙なラインを中心とすることで、コンパクトとは思えないボリューム感を演出している。ボディカラー全部で8色を用意。

ダイハツ ビーゴ

スペアタイヤを背面にしょっているとはいえ、フルカバーとすることで土臭さを感じさせない。リヤハッチは横開きとなる。

ダイハツ ビーゴ

エンジンは新開発で、パワー&トルク。さらに経済性までも高いレベルで実現したバランスのいいユニットだ。インテリジェント触媒で排気ガスもクリーン。

ダイハツ ビーゴ

とにかく内外装ともにデザインには力を入れているし、質感も高い。しっかりとした太いラインをベースとしたインパネは頼もしさ十分。前方の視界も開けている。

ダイハツ ビーゴ

通常はボディ剛性の確保もあって、段が付いているものだが、ほぼなくすことで乗降性を高めている。ちなみに右に写っているリヤシートの下には小物入れが備わる。

ダイハツ ビーゴ

シートは少々硬めでホールド性もよく、しっかりと座ることができる。また撥水加工が施されているので、ガンガン使えるのもうれしい。

ダイハツ ビーゴ

細々とした収納が多いのも特徴のひとつ。リヤシートだけでなく、助手席下にもシートアンダートレイが備わる。ポケット類も大容量。

ダイハツ ビーゴ

ラゲッジはリヤシートを立てた状態でも380リッターもの大容量を誇る。ここでも開口部との段差はほとんどない。

すそ野が広がるコンパクト。次はSUVだ

 最近ではコンパクトがごく当たり前の存在になってきているが、今まではハッチバックが中心だったというのはご存じの通り。年々、マーケットは拡大してきていることもあり、新たなる境地を切り開くべく、ダイハツから登場したのがビーゴだ。
 しかもこのビーゴ、トヨタにもラッシュという車名でOEM供給されるのだが、開発段階からトヨタが協力。マーケティング面を中心に、意見が取り入れられているという。つまりブーン/パッソと同じ文法で作り出されたというわけで、全体のまとまりはかなりよく、質感も上々。
 キャラクター的には、コンパクトということもあり、ハードな走りも得意としつつ、街乗りをメインに考えているといっていい。取り回しのよさにもこだわっており、女性ユーザーもある程度ターゲットに入れているようだ。

ラゲッジも広大で、ワゴンのように使える

 ビーゴでまず目を引くのがそのエクステリアデザインだろう。流麗なラインをベースにしつつも、ボリュームをうまく出しており、コンパクトとSUVというと、どうしても貧相になりがちだが、そのようなことは決してなく、存在感もかなりのもの。
 とくにフロントまわりは大型のバンパーや鋭く切れ上がったライトなどにより、迫力満点といっていい。そして室内に目をやると、ここにもビーゴらしさがずい所に見られる。シートまわりは余裕たっぷりで、大人4人がゆったりと座れるほど。
 さらにアイポイントが高く、前方視界や見切りは良好で、女性や運転に自信がない人でも日常的に楽々ドライブができるだろう。またドアは3段階に開いたり、サイドスカッフルとフロアの段差も最小限にとどめられているなど、細かい部分にも配慮がゆき届いている。

本格オフローダーも顔負けの走行性能を達成

 走りに関しても相当にビーゴは力が入っている。まずエンジンだが、1.5リッターのみで新たに開発されたもの。オフロードや街乗りで重要な低速トルクと、高速で必要となる高回転時のパワーをうまく両立しており、燃費に関しても全グレードで約15km/Lを達成するなど経済性にも優れている。組み合わされるミッションは5MTと4ATだ。
 そのほか、ベースとなるボディも新開発で本格SUV並みのビルトインラダーフレーム式のモノコックを採用。サスペンションに関しても新開発となっており、ビーゴに対するダイハツの力の入れようがわかるというものだ。また肝心の4WDシステムについては、メカニカルセンターデフ付きのフルタイム4WDとし、デフロックまで装備するなど、こちらも本格派だ。しかも安全対策としてVSCまで装備している。
 全体的をザッとではあるが見てみると、本格的SUVの資質を持ちつつも、それを表に表わさないのはさすがで、トヨタのマーケティングの声が入っている部分に思える。気分的には、SUVというと構えてしまうが、実際のユーザーはコンパクトワゴンのように気軽に使えるだろう。この点がビーゴの最大の持ち味といっていい。

代表グレード
ビーゴCL(4速AT)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3995×1695×1705mm
車両重量[kg]
1190
総排気量[cc]
1495
最高出力[ps(kw)/rpm]
109ps(80kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
14.4kg-m(141N・m)/4400rpm
ミッション
電子制御式4速AT
10・15モード燃焼[km/l]
14.0km/l
定員[人]
5人
税込価格[万円]
178.5万円
発売日
2006年1月17日
レポート
近藤暁史
写真
近藤暁史