重さを感じさせない走りは新エンジン&CVTの賜物
搭載されるのは新しく設計された2.4Lの直列4気筒エンジンだ。このエンジンはダイムラー・クライスラーやヒュンダイ自動車との共同開発によるエンジンで、アルミ製のシリンダーブロックの部分は3社が共通のものを使い、ヘッド回りは3社がそれぞれに開発したものを使っている。三菱ではMIVEC仕様のエンジンに仕上げている。
新設計のエンジンらしく軽快な吹き上がりで良く回るのが特徴125kW/226N・mのパワー&トルクもこのクラスとしては上々のレベルで、1600kg前後に達するSUVの重さを感じさせない乗用車感覚の走りが可能だ。
組み合わされるINVECS-�の6速スポーツモード付きCVTとの組み合わせも上々で、滑らかで力強い走りが得られる。レバーを倒せば6速のマニュアルモードで走ることが可能だし、Gではステアリングの裏側に設けられたパドルによってステアリングから手を離すことなく変速操作をすることができる。
ただ気になったのは走行中にCVTの機械音が室内に入ってくること。特にDsモードで走ると騒音レベルが高くなる。今どきのクルマとしてはSUVであってももう少し静かな走りが欲しいところだ。
試乗したのが換装した舗装路だったので、電子制御4WDのシステムの実力を試すことはできなかったが、センターコンソールのダイヤルを回すだけで走行中でも2WD、4WDオート、4WDロックの切り換えが可能。使い勝手の良い4WDシステムといえる。
●お勧めグレード
ベースグレードのMと上級グレードのGとでは30万円ほどの価格差があるが、そのうち半分くらいはロックフォードフォズゲートのプレミアムサウンドシステム分。ほかにディスチャージヘッドライトやキーレスオペレーションなどの違いもあり、30万円の価格は十分に納得モノだ。ただ、Gの価格は260万円台に達するRAV4やエクストレイルの2.0L車に比べると相当に高い印象になる。アウトランダーは2.4Lエンジンを搭載しているし、装備や仕様を考えたら競争力があるともいえるが、一見して割安感を感じさせるものでないのは確か。近く排気量を拡大して登場するRAV4がどんな価格設定になるのかも気になるところだ。