日本自動車研究所に納車された、メルセデス・ベンツ「F-Cell」

 納車された「F-Cell」は、JARIが独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO 技術開発機構)から委託を受けて実施する「水素会社構築共通基盤整備事業」における、各種試験に利用される計画とのこと。実施される試験は、実走行による評価科目・方法の課題発掘、水素消費量試験による台上試験用燃費計測手法の開発や車載用水素流量計の開発などで、既に一部試験をダイムラー・クライスラー社の協力のもと実施することに合意している。

日本における「F-Cell」(左からDCJ、昭和シェル石油、東京ガス、ブリヂストン、EXPO)

 自動車用燃料電池開発の分野で主導的な役割を果たしているダイムラー・クライスラー社は、10年以上前に初の燃料電池車を導入し、その後、燃料電池技術の開発をさらに進めている。「F-Cell」は、すでに60台が世界各地で使用されている。今回のJARIへの納車により、2012年〜2015年を目標とされる燃料電池車の商用化開始に向けて重要な前進となり、燃料電池車の日本市場導入拡大へのさらなる一歩となる。