NISIMO FESTIVAL 2005@FISCO

歴代日産車が夢の競演!NISMO FESTIVAL 2005 @FUJI SPEEDWAY

NISIMO FESTIVAL 2005@FISCO

 それは12月4日のことであった。この冬一番の寒気に包まれた日本列島。上信越方面では12月とは思えないような大雪に見舞われ、高速道路が通行止めになった箇所も。しかし、そんな冬将軍も富士スピードウェイの熱狂を消し去ることは出来なかった。最寄りのインターである東名高速御殿場インターチェンジから続く車列。スカイラインに、シルビア、ブルーバードに、マーチに、シーマ・・・。大行列が向かう先は、つい先頃大改修が終了した富士スピードウェイ。通称FISCOでは日産車のお祭りニスモフェスティバルが行われているのであった。
 3年ぶりにFISOCOに帰ってきたモータースポーツ三昧のお祭り。主役となるのはそのイベント名通り、過去サーキットを涌かせ続けた日産のレーシングマシン達だ。目下、スーパーGTで最強の名前をほしいままにしているフェアレディZから、グループAで連勝記録を打ち立てたR32GT-R、1998年のル・マン24時間に参戦したR390、99年のル・マン参戦マシンR391、ワンテンの名前で一世を風靡したB110サニーをベースとしたTOMEI ADVANサニー・・・など、書き連ねていったらきりがないほど多種多様な日産レーシングマシンが集まったのである。
 インディからル・マンまで。。世の中に存在するレースカテゴリーでF1以外のほとんどに参戦した経験を持つ日産だけのことはある。 オーバル(アメリカンレース)好きだろうとサーキット(ヨーロピアンレース)好きだろうと大満足できる内容となっていたのだから、凄いところだ。

目玉はトヨタ7対日産R381

目玉はトヨタ7対日産R381

 しかし、目玉はなんと言っても1968年の日本GP優勝マシン、R381が37年ぶりに富士を走ったと言うことであろう。日本列島をおそった初めてのモータースポーツブーム。この68年に日産が満を持して投入したマシンがR381なのである。搭載エンジンはシボレー製5.5リッターV8エンジン。ユニークなエアロスタビライザーを持つため「怪鳥」の異名を持ったR381が、再び富士に舞い戻ったのである。
 これだけでも往年のファンにとっては涙ものであるのに、さらに7つの国際記録(当時)を樹立したR380-IIと、自社製の6リッターV12エンジンを搭載し69年の日本GPで優勝を勝ち取ったR382まで登場してしまったのだから・・・。
 もう、これだけでもおなかいっぱい、涙いっぱいの大感動なのだが、さらに心憎い演出があったのである。R380-II、R381、R382のランデブーにはさらなる共演車が用意されていたのである。そいつの名前はトヨタ7。あの頃(いまでも?)の宿命のライバルであるトヨタのワークスマシンまでもが登場したのである。
 大改修が終わった富士。すでに富士30度バンクはなくなってしまったが、曇り空の向こうには、高橋国光選手や北野元選手の姿が見えてくるようであった。

日産の副社長も参加するマーチレースから、ドリフトまで!

日産の副社長も参加するマーチレースから、ドリフトまで!

 あこがれのモータースポーツを身近に味わえるニスモフェスティバルであるが、別にモータースポーツは高嶺の花のクラスだけに存在しているワケではない。今回のイベントではマーチカップエキシビジョンレースや、ドリフトエクストリームショーも開催された。前者は読んで字の通り、日産マーチによるレース。カラフルなマーチをプロドライバー達がドライブし、熱いバトルを繰り広げたのである。本山哲に、ミハイル・クルムに、木下みつひろ、はては日産自動車副社長カルロス・タバレスまでが大バトルを繰り広げたのである。
 そしてドリフトエクストリームショー。こいつは最近ちまたで大人気のプロドリフト選手権D1選手権に参加しているレーサー&マシンが登場したイベント。のむけんこと野村謙選手やわくわく風間こと風間靖幸選手が愛車を駆って超絶テクニックを披露してくれたのである。
 まさに盛りだくさんなモータースポーツイベントであったニスモフェスティバル。これからモータースポーツはオフシーズンを迎えてしまうが、この日の光景を目に焼き付けておけば春までワクワクしたまま過ごせそうなのである。
(写真:楠堂亜希/リポート:CORISM編集部神田卓哉)

NISIMO FESTIVAL 2005@FISCO

1979年から始まった富士スーパーシルエットレースで長谷見昌弘選手がドライブしたトミカスカイライン。82年に2勝、83年に5勝を果たす。また、このR30の他に、星野一義選手がドライブしたニチラシルビアも展示されていた。

NISIMO FESTIVAL 2005@FISCO

カワイイ顔したにくいヤツ、日産マーチのワンメイクレース「マーチカップエキシビジョンレース」も開催された。本山哲、影山正美、井出有治、金石年弘といった現役レーサーに混じって日産自動車副社長カルロス・タバレス氏も参加。彼は過去、様々なレースにレーサーとして参加したことがあるほどなので、GTレーサーを敵に回して激しい走りを見せてくれた?

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風間靖幸、野村謙、熊久保重信、三木竜二・・・。ドリフト好きにはたまらないビッグネームが参戦したドリフトエクストリームショー。少し前まではイリーガルだったドリフトも今や立派なモータースポーツ。「ドリフトでメシが食えるようになりました」とD1ドライバーがしみじみと語るほどの大人気。判定基準は「角度と飛距離」とのこと。

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ここは船橋サーキットか?福沢や浮谷東次郎・・・なんて名前が思わず口から出てきてしまいそうな風景。S30や、B110、KPGC10に、B310、あの頃の名車がサーキットを疾走!熱いレーシングカー以外にもノスタルジックヒーローな名車もサーキットをパレードランしたりしたのだ!

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このイベントはたんなるモータースポーツのお祭りではない!イベントに参加する車両がこのようにセレモニアルスタートを行いユーザーとふれあったりもしたのだ!ニスモフェスティバルはまさに、見て触れて楽しめるイベントなのである。