鈴木亜久里、純日本チーム「SUPER AGURI Formula 1」でF1に挑戦!
鈴木亜久里、純日本チーム「SUPER AGURI Formula 1」でF1に挑戦!

日本人による純日本チームであることに、非常にこだわりをみせる亜久里氏。果たして彼のコダワリイズムは満足を得ることが出来るかどうか、非常に気になるところだ。

鈴木亜久里、純日本チーム「SUPER AGURI Formula 1」でF1に挑戦!

「SUPER AGURI Formula 1」のドライバー有力候補として名の挙がる日本人ドライバー佐藤琢磨氏が05年に乗っていたB・A・Rホンダの走り。

鈴木亜久里、純日本チーム「SUPER AGURI Formula 1」でF1に挑戦!

記者会見に挑んだ鈴木亜久里氏は、終始真剣な眼差しで丁寧にF1プロジェクトについて語った。

CORISM F1担当 ガリバー自流研 所長 鈴木詳一が「SUPER AGURI Formula 1」をひも解く!

 元F1ドライバーで現在はARTAのプロデューサー。日本とアメリカを拠点とし、カート・スーパーGT・IRL、日本人の若手育成などの傍ら、F1のテレビ解説などにも顔を出す鈴木亜久里氏が、遂にF1チームを旗揚げした。

 11月1日、ホンダ青山本社で記者会見に挑んだ鈴木亜久里氏は、真剣な眼差しでF1プロジェクトについて語った。記者陣からは、大手IT企業のスポンサー契約や佐藤琢磨選手の起用について、また現段階でマシンの詳細が決定していないことに対しての質問が飛び交った。
 
 亜久里氏も発表できるものなら発表したいというのが本音だろう。年間数十億から数百億といわれるF1の活動資金は、その殆どが「企業」というスポンサーから支払われ、「企業」はその代償として、「企業」のロゴをマシンにペイントし、それが全世界にテレビ放映され宣伝される。F1とは、このように実に大きなビジネスなのだ。うかつに決定前にその情報を口外してしまうと、その契約がキャンセルされる事すらあるのだから。

06年、激しいシート争いの行方は

 純日本のF1チーム発足ということもあり、注目度は高い。更には、今年B・A・Rホンダから放出される形となった、佐藤琢磨がどこへ行くのか。ファンならずとも気になるところだろう。

 2006年のドライバーが決まっていないのは、現時点ではBMWが1名、レッドブルが1名、ミッドランドともう一つのミッドランド。それに加え、11月1日に発表されたSUPER AGURIが決まっていない。
空いているシートは合計9。
 ドライバーラインアップに関しては、メディアもファンも気になるところだ。

 いっぽう、現在F1ドライバーで来期のシートが確定していないのが、佐藤琢磨、アンソニー・デビッドソン、アントニオ・ピッツォニア、クリスチャン・クリエンなど9名。丁度ピッタリの空き数だが、来期は元F1チャンピオンであるケケ・ロズベルグ氏の息子、ニコ・ロズベルグのウィリアムズ入りもささやかれ、2005年IRL(アメリカ・インディレーシングリーグ)チャンピオンのダン・ウェルドンのF1参戦も噂される。 
 今後、誰が契約となるかは各チームの発表を待たねばならないが、佐藤にとって安心していられない状況であることは間違いない。なにせ05年F1GPの琢磨は、わずか1ポイントしか獲得していないのだから。

「SUPER AGURI Formula 1」のスポンサー企業は?

 「SUPER AGURI Formula 1」のスポンサーに関しては、IT分野以外でもプロ野球やファイナンスなど幅広い事業を行う有名企業「ソフトバンク」の名前も新聞紙上等では噂として上がっているが、まだ正式な契約はされていないようだ。
 F1ではメインスポンサーがひとつに、大小様々な企業のスポンサーや技術供与などでチーム、そしてマシンが出来上がっていく。中でもお金が一番大切であることはいうまでもない。

日本人の夢、純日本人チームによるF1チャレンジ!

 まだまだわからない部分が多い「SUPER AGURI Formula 1」チームだが、亜久里氏ははっきりこういった。
「日本のF1チームである」と。
 活動拠点はイギリスに置くが、会社は日本。トヨタはドイツ、ホンダはイギリスだから、一番日本色が濃いチームとなる。タイヤも日本のブリヂストンと交渉するということなので、細かいパーツや多数のチームスタッフ以外はほぼ日本で固まりそうだ。ドライバーも一人はそうなる可能性が高い。

 夢物語かもしれないが、日本のチームが日本のタイヤを履いて、日本人ドライバーが日の丸を揚げる。そんな日を日本人なら期待せずにはいられない。今年21年間の活動に終止符を打ち、ファンから惜しまれつつ去っていったミナルディのように愛されるチームとなるのか。それともウィリアムズやマクラーレンのように自動車メーカーではないがトップを走り続けるチームとなるのか、「SUPER AGURI Formula 1」が築き上げる体制によって大きく変わってくるだろう。
 次の発表が非常に楽しみだ。

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ホンダ/CORISM編集部
解説
鈴木 詳一(ガリバー自動車流通研究所 所長)