ロッテとボビーとスイフトと。そんな幸せな人生を送りたい。
ロッテとボビーとスイフトと。そんな幸せな人生を送りたい。

 千葉ロッテマリーンズが31年ぶりに日本一となった。31年ぶりである。そんなもの、今年いっぱいで現役を引退する初芝が7歳の頃の出来事である。
 びっくりである。
 千葉ロッテ。万年最下位チームだった千葉ロッテ。Bクラスであることを当然のように思われ続けてきた千葉ロッテ。本拠地が川崎から幕張に移っても、あまり話題にならなかった千葉ロッテ。西武とくっつくことが画策されてしまった千葉ロッテ。川崎球場はロッテの本拠地というよりもFMWの試合の方で有名になったりもした千葉ロッテ。プロ野球ニュースで映ることよりも、プロ野球珍プレー好プレーでみのもんたのナレーションとともに映ることが多かった千葉ロッテ・・・。

ロッテとボビーとスイフトと。そんな幸せな人生を送りたい。

 あぁ、千葉ロッテ。君たちはすごい。
 読売グループのじいさんの嫌みにも耐え、元西武グループ総裁の冷たい視線にも耐え、近鉄加藤に「(日本シリーズで3連敗した巨人は)ロッテより弱いですよ」と言われたことにも耐え・・・。
 ほんと、痛みに耐えてよく頑張った!!!感動した!!!
 下手したら楽天の下に順位がなってしまうのではないかと思ったヒトもいるでしょう。もしかしたら、PL学園よりも弱いのでは?と思ったヒトもいるでしょう。まぐれと偶然と奇跡が重なったらライブドアフェニックスと試合ができたのにと思ったヒトもいるでしょう。
 そうしたら、ボビーVSオマリーの外国人監督対決がみれたのに・・・。
 でも、ロッテは優勝。

ロッテとボビーとスイフトと。そんな幸せな人生を送りたい。

 千葉ロッテマリーンズの平均年俸は推定3211万円。選手全員を合計しても推定19億5860万円とのこと。金持ち球団巨人と比べると・・・悲しくなるのでやめておきましょう。
 でも、日本一なのです。
 李だって年俸2億円(推定)、ベニーだって5000万(推定)、里崎にいたっては2200万(推定)、今江にしては1350万円(推定)!。あり得ない年俸の低さ。逆に考えればめちゃくちゃ高いコストパフォーマンス!このヘンのすごさは読売グループのおじいさんに教えてあげたいくらいですね。だって、プロ野球選手なのにブガッティ・ベイロンをポン!とキャッシュで買うことができる選手がほとんどいないのですから。

ロッテとボビーとスイフトと。そんな幸せな人生を送りたい。

 ・・・で、考えてみた。今年の千葉ロッテマリーンズのすごさは、現行スイフトのすごさに通じるものがあるな、と。
 スズキ。浜松が産んだ世界的な中小企業。近所で生まれたホンダさんや、浜名湖の反対側で生まれたトヨタさんとは全く逆ベクトルの方向で企業経営を続けてきた企業。
 個人的には大好きです。
 何がいいって、その着眼点。ほかの自動車メーカーがアメリカ、あめりか、亜米利加・・・と騒いでいるのを尻目に、この会社が目指した新大陸は南アジアや東ヨーロッパ。インドやパキスタンに行ったことがある人はわかると思うのですが、彼の地で走り回っているのはスズキが現地の企業との合弁会社で生産するアルトもどきばかりなのです。中国にだって人は多いが、インドにだって人が多い。その着眼点の鋭さがすてきです。
 地道なスカウティング活動で、若手成長株の選手を集め、地道に育て続けた千葉ロッテのようではありませんか!
 ほかにもスズキのすごさはあります。たとえば、ジムニー。軽自動車初の本格的四輪駆動車は、世界中に熱狂的なファンを抱えるクルマとなっております。嘘かホントかわからなければ、インドネシアやタイに行ってみるといいでしょう。ロングホイールベースのジムニーや、ジムニーのトラックが町中を走っています。また、カイエンや、X5といったハイパフォーマンス&プレミアムSUVが登場した頃、イギリスの自動車雑誌ではジムニーと対決させていたりするのですよ。史上最強の4WDはどっちだ?って。
 あり得ませんジムニー。その存在からして唯一無二です。まるで、サブマリン渡辺俊介のような渋い活躍をしているのです(短期決戦の日本シリーズでは、下投げの投手の勝率が高いのです。それは歴史が証明している事実です)。
 だから、スイフト。現行モデルは軽自動車の焼き直しではありません。本気でゼロから作り上げられたクルマです。まねしたクルマはありません(たぶん)。ぱくったクルマはありません(絶対に)。コンパクトカーの本場、ヨーロッパで確実に売れるクルマとなるべく開発されたクルマ。だから、日本車なのにシートアレンジが豊富だったり、小物入れが数え切れないほどあったりしないのです。そのかわり、ゆったり座れる前後のシートと、よく働くサスペンション&エンジンが搭載されています。
 クルマの本質をまじめに突き詰めて作ったクルマ。それがスイフト。
 野球の本質をまじめに突き詰めて作ったチーム。それが千葉ロッテ。
 スイフトには巨人のような華やかさも、阪神のような伝統もありません。あるのはマリーンズサポーターのような熱狂的なファンばかり。年俸(価格)だってめちゃくちゃ安いです。ベースグレードは101万3250円。それでヴィッツやマーチと互角の走りが楽しめるのですから最高です。
 え?では、スイフトスポーツはどうなるのかだって?スイフトスポーツはマリンガン打線。バイクで世界王者に何度も輝いたスズキです。そのDNAを引き継いだホットハッチが遅いわけありません。