ジャガー スーパーV8ポートフォリオ
スーパーV8ポートフォリオ

全高はジャガーの伝統で1,450ミリと低い。真横から見るとちょっとペッタンコな独特なシルエットを持つ。

スーパーV8ポートフォリオ

20インチホイールにパワーサイドベント。レーシングカーのようなんだけれど、なぜかゴージャス。

スーパーV8ポートフォリオ

インテリアはシックな装い。タップリとつかわれたウォールナットがジャガーらしさをアピール。

スーパーV8ポートフォリオ

リヤシートは2人乗りとして、きっちりとセパレートしている。

スーパーV8ポートフォリオ

406psを発揮するV8エンジン。今では少なくなったスーパーチャージャーを装備し、卓越したパフォーマンスを誇る。

浮世離れしたクルマ?!

 いきなり価格の話で失礼だと思うのだが、このジャガー・スーパーV8ポートフォリオは1,680万円だ。私事で恐縮だが、年々年収が減少する貧乏サラリーマンにとって、スーパーV8ポートフォリオはあまりに眩しかった。と、いうより自分の現実と向き合うと、あまりにゴージャス&スポーティ過ぎて理解の限度を遥かに超えていた。クルマを目の前にした瞬間、うかつにも思わず今時の女子高校生のように口を半開きにしたままボケェーと立ち尽くしてしまったのだ。

 立ち尽くすこと数分・・・。ただのクルマ好きオヤジにしばし戻った私だったが「なにボケっとしてんだよ!」と、業界の先輩から叱責を受け、なんとか仕事モードに復帰。少し冷静になって、ジャガーXJLがベースとなったスーパーV8ポートフォリオを再観察。そう、このジャガー・スーパーV8ポートフォリオは、2004年のニューヨーク・モーターショーにXJのデザイン・スタディモデルとして出展された「コンセプト・エイト」のコンセプトを継承した量産用特別限定車だ。

モダンな様式美なのか?

 当然のことながら、ボディはオールアルミ製のモノコックボディ。そこに、ジャガーお得意のV8・4.2リッター+スーパーチャージャーエンジンが搭載される。406psというハイパワーは、ZF製の6速ATを経由し後輪に伝えられる。この大パワーを伝えるタイヤタイヤサイズは255/35ZR20。Callistoと呼ばれる5スポークの20インチのアルミホイールが只者ではないことを十分に感じさせてくる。ハード部分に関しては、ドライバーズリムジンという名に相応しいフットワークを提供するエアサスや安全装備などは、基本的にXJの流れを汲む。
 
 明確にXJとの違いをアピールするのは、主にエクステリアによるところが大きい。とにかくひと目でその違いを感じるのは、フロントフェンダーに大きく開けられたアルミパワーサイドベント。思わず、何じゃコリャーって叫びたくなるほど強烈な存在感。スポーティさだけでなく、高級感も醸し出しているのがジャガー流。その他、個性的なメッシュグリルや大口径のテールパイプなどが、存在感をさらにアピールしている。

 インテリアはというと、エクステリアほどセンセーショナルではなく、意外とシックなスポーツマインドでまとめられている。ブラックウォールナットを大量に使い大人の空間を演出。Jゲートと呼ばれるシフトパネル周りのアルミ製カバーもワンポインで使われていて、ハデハデしさがなく好感度大。かなりゴージャスなんだけど、ちょっと控えめなところなど、日本人のハートにグサッと突き刺さるのではないだろうか。

 XJが様式美をもつクルマだとしたら、スーパーV8ポートフォリオは様式美を理解しながらもモダンさをアクセントに加えたようなクルマのような気がする。だからこそ、スーパーV8ポートフォリオは、様式美を理解した本当の大人こそが乗りこなせるパスを持つっているように思うのだ。そう思うと、冒頭の私とあまりにかけ離れていることを再確認。あまりに現実離れしているせいか、また思考停止に・・・。ちなみにスーパーV8ポートフォリオは、限定50台のみ。スーパーV8ポートフォリオ買えるというわずかな方のみですが、迷っている時間はありません。

代表グレード
スーパーV8ポートフォリオ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
5,215×1,900×1,450
車両重量[kg]
1,820
総排気量[cc]
4,196
最高出力[ps(kw)/rpm]
406(298)/6,100
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
(553)/3,500
ミッション
6速AT
定員[人]
税込価格[万円]
1,680.0
発売日
2005年9月1日
レポート
大岡智彦(221616.com編集部)
写真
徳田 透(221616.com編集部)