シトロエンのコンパクトカーは現在、C2とC3がラインナップされているが、C2はシャープなデザインでスポーティなイメージが強く、C3は丸みを帯びたデザインで可愛らしいイメージのクルマに仕上げられている。ほかにトヨタやプジョーとの共同開発によるC1もあるが、これは日本に導入されていない。
C3をベースに、世界でも珍しい可変式のボディ(ルーフ)形状を備えたモデルとしてプルリエルが追加設定された。ちなみにプルリエルというのはフランス語で複数を意味する言葉。1台で複数のボディが楽しめるクルマだ。
シトロエンが世界で唯一のモジュールカーと呼ぶプルリエルのボディは、標準状態のサルーンから、ソフトトップをオープンにしたパノラミックサルーン、ソフトトップとリヤウインドーを格納してサイドアーチだけを残したカブリオレ、サイドアーチも外したスパイダー、そしてリヤシートを倒して後部を荷台にしたスパイダーピックアップの5種類のボディ形状を楽しむことができる。
スパイダーにするとサイドアーチを残して出かけることになるため、サイドアーチの置き場が必要なほか、出先で雨に降られたりすると大変なことになるが、楽しいクルマであるのは確か。
外観デザインはC3を踏襲しているが、標準のC3が4ドアであるのに対してプルリエルは2ドア。ボディサイズは全体にひと回り大きくなっていて、標準のC3とは別物と考えたほうが良いくらい。ヘッドライトやフロントグリルの形状も標準車とは異なる専用のものとなる。全長が4mを切るコンパクトなクルマだが、全幅は1700mmを超えて3ナンバー車になり、重さもボディ各部の強化などによって130kg増加している。