日産自動車04年度決算報告の席で突如発表!「新型セレナ」
4月25日に都内で行なわれた日産自動車の04年決算報告の席。同社社長のカルロス・ゴーン氏が05年度の見通しや向こう3ヵ年の新中期計画「日産バリューアップ」について語った後、会場内で白い布を被せて置いてあった2台のクルマをお披露目した。
その名は「セレナ」。そう、「モノより思い出」のCMでおなじみ、5ナンバーBOXミニバンの次期モデルが公開されたのだ。グレード名や価格、詳細のスペック等は公開されず、報道陣に対してもほぼ外観のみのお披露目となった。
次期型セレナの外観は、シンプルなボクシースタイルが特長だ。それもただ無骨に四角いのではなく、角はきれいに丸められて整っているあたり、同社の「キューブ」や「ラフェスタ」などとも共通するオシャレなイメージがある。会場ではシンプルなメッキグリルが印象的な白い標準モデルと、グリルレス風の一風変わったマスクと控えめなエアロパーツで武装されたゴールド色のスポーティモデル、この2台のセレナが向かい合わせに展示されていた。
会場の日産関係者の話によれば、現行型同様に新型セレナも5ナンバー規格のボディ枠に収まる寸法になっているという。狭い街中や駐車場などで扱いやすいボディサイズが継続されたというワケだ。
内装色は白いモデルがファミリー層に好まれそうなベージュ系、ゴールドのモデルが外観同様にスポーティな印象の黒系のカラーでまとめられていた。
シート自体は共通のようだ。やわらかい曲面で構成されたシンプルなシートで、これもラフェスタのそれと良く似たデザインに感じられる。インパネは、外観にイメージを合わせたのか、ボクシーかつ角の丸いデザイン。写真では分からないが、ラフェスタで初めて採用された短いシフトノブが、この新型セレナにも採用されていたのを確認している。
なお先の報告で、新型セレナの発売は5月になると発表された。ちょうど同時期、ホンダからもステップワゴンのフルモデルチェンジがあるとの噂もある。両車の登場により、同クラスの王者であるトヨタ ノア・ヴォクシーとの三つ巴の競争が激化することは必至だ。しかしこれはユーザーにとっては嬉しい競争。ぜひ、登場の時を楽しみにしたい。
■新型セレナ関連情報:【日産 セレナ新車情報】使い勝手抜群に生まれ変わった3代目セレナの登場だい!(05/5/31)
■新型セレナのライバル1・・・新型ステップワゴンの情報はコチラ!
・低床・定重心プラットフォームでがらっと生まれ変わった新型ステップワゴン(2005年5月27日)
■新型セレナのライバル2・・・トヨタ ノア・ヴォクシーの情報はコチラ!
・【トヨタ ノア】人気の5ナンバーミニバンがマイナーチェンジでさらに装備を充実させるなどして登場(2004年9月10日)
・【トヨタ ヴォクシー】マイナーチェンジで5人乗り2列シートのトランスXを追加した(2004年9月13日)
日産、2004年度も過去最高の業績「日産の再生はこれで完了した」
日産は同記者発表で、前年比1.7%増で過去最高の5123億円の連結純利益を得たと発表した。
これで、日産再生の過程で発表された「日産180」でのコミットメントのうち「8%売上高営業利益率達成」と「自動車事業実質有利子負債ゼロ」がいよいよ達成されたワケだ。
残すは「05年9月末までの100万台グローバル増販」。ゴーン社長は、各国市場ごとに多彩なモデルを展開することに対し「日産は真の『お客様指向』になった」と話す。今回披露された新型セレナを始めとして、05年度に世界の市場で発表される予定の新型車攻勢などのさらなる商品ラインナップ拡大により、達成を目指すとしている。
新中期計画「日産バリューアップ」発表!
ゴーン社長はこれまで「日産リバイバルプラン」、「日産180」と、事あるごとにコミットメント(約束事)を発表し、その状況について随時報告していくやり方で日産自動車を再生してきた。今回も、向こう3ヵ年の新中期計画として「日産バリューアップ」を発表した。
それは「08年度の420万台販売」、「業界トップレベルの売上高営業利益率の維持」、「投下資本利益率(ROIC)を3年間平均20%」、という3つのコミットメントから成っている。どれも厳しい内容であることは間違いない。なにせ、このように事前に3ヵ年の計画をコミットする自動車会社は、世界中で日産だけなのだから。
しかしこれまで確実に結果を残してきたのがここ数年の日産だ。それだけに今後の展開も悲観的なモノではなく、むしろ大いに期待していいだろう。日産の今後に、ますます目が離せない!