アウディ A8
A8

こちらは、130ミリホイールベースが伸びているA8L。写真の車両は275/35R20という、20インチホイールを装備。

A8

バンパーに埋め込まれたマフラーの処理は、最近のカーデザインのトレンドか。一体感のあるリヤビューだ。

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ちょっとコッテリとしたデザインのインパネまわり。ATレバーの後方には、マルチメディアインターフェイスが装備され、片手でほとんどの機能をコントロールできる。

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コンパクト設計のW型12気筒エンジンは450馬力を発生。それにしても、最近のドイツ車のパワー戦争は止まることを知らない。

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アウディの新しい顔となるシングルフレームグリルを採用したフロントフェイス。

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後席は当然のことながら、余裕はタップリ。ルーフライニングまで、アルカンタラを使うほどゴージャス。

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アウディ・ジャパンのヴァルター・ハーネック氏。ライバルを凌駕するというA8のパフォーマンスを自信タップリに伝えてくれた。

ライバルよりスポーティ?! ワイド&ローなシルエット

 鋭く光る眼光、低く、そしてワイドなシルエット、W型12気筒エンジンを搭載した新アウディA8 6.0クワトロは圧倒的な存在感を放っていた。
 
 そのスタイリングは硬質なスポーティフォルムというべきなのか、コンパクトなW型12気筒エンジンの恩恵で、ボンネットの高さはかなり低く見える。全長5メートルを超えるラグジュアリーモデルであるのに、鈍重さを感じさせない優美でスポーティな姿が印象的だ。それでいて、塊感のある硬質なシルエットはアウディらしい安心感にも満ちている。そこに、アウディの新しい顔であるシングルフレームグリルが組み合わされ、フラッグシップモデルに相応しい存在感を醸し出しているようだ。

コンパクトなW型12気筒エンジンとオールアルミボディの競演

 今回のA8のトピックスは、A6との差を明確にするW型12気筒エンジンの搭載にある。このエンジンは、2基のコンパクトなV6ユニットが一体化されたもの。この2つのシリンダーブロックを72度のバンク角を介して組み合わせることで、エンジンの全高を抑えられるというメリットがある。重心を下げるだけでなく、スポーティなワイド&ローフォルムにも生かされているのだ。

 また、このW型V12気筒エンジンは、コンパクトな上にアルミやマグネシウムなどの軽量マテリアルの使用により、とても軽くできているのも特徴。量産車初となるオールアルミボディとの相乗効果により、A8 6.0クワトロの車両重量は2,030キロとクラス最軽量を誇っている。

 そんな軽量ボディと450馬力を発揮するW型12気筒エンジンの組み合わせは、4.35kg/psというパワーウェイトレシオとアウディのお家芸であるクワトロ・フルタイム4WDシステム、そして瞬時に最適な車高や減衰力を発生させるアダプティブ・エアサスペンションとの組み合わせにより、大きなボディをものともしないかアグレッシブな走りも予感させる。A8の開発コンセプトは、クラストップのスポーティさを得ることだといから、退屈なただのラグジュアリーサルーンとしてだけでなく、ドライバーズ・スポーティサルーンとしての使い方も可能だ。

より、ラグジュアリーなロングホイールベースバージョンもあり!

 今回、日本に導入されたモデルは、19インチホイールにスポーツシートを装備し、スポーティさを強調したA8 6.0クワトロと、130ミリロングホイールベース化されリヤのパワーシートなどを装備したラグジュアリーバージョンのA8L6.0クワトロの2タイプが用意された。

 価格はA8 6.0クワトロが1480万円(税込み)、A8L6.0クワトロが1660万円(税込み)と庶民には手が出ない価格であり、高嶺の花。とはいっても、編集部のある丸の内近辺では毎日毎日メルセデスのSクラスやBMWの7シリーズが列をなしている。あるところにはある? のが、このオーバー1千万円カー達。たくさん売れてもう見慣れてしまった感があるメルセデスのSやBMWの7か? 独特の存在感や自らが運転する楽しみを味わいえるA8か? お金持ちの皆さんの判断は・・・。

代表グレード
A8 6.0クワトロ
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
5,055×1,895×1,450
車両重量[kg]
2,030
総排気量[cc]
5,998
最高出力[ps(kw)/rpm]
450(331)/6,200
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
59.1(580)/4,000
ミッション
6AT
10・15モード燃焼[km/l]
5.5
定員[人]
税込価格[万円]
1,480
発売日
2005年3月23日
レポート
大岡智彦(編集部)
写真
徳田 透(編集部)