走りに関しては基本的にティーダと同じと思っていい。リヤにトランクが設けられたものの、車両重量はティーダと同じかむしろラティオのほうが軽いくらいだから、セダンボディになって走りが鈍くなったなどということはない。ティーダに合わせて新開発されたHR15DE型エンジンは、中低速域のトルク感と吹き上がりの滑らかさが特徴。市街地などでの落ち着いた感じの走りから、アクセルの踏み込みに合わせて軽々と吹き上がっていくので、スムーズにスピードに乗せていくことができる。エクストロニックCVTによる変速ショックのない加速フィールも、走りの滑らかに貢献している。
乗り心地と操縦安定性のバランスもコンパクトカーの中では秀逸のデキ。特に荒れた路面での乗り心地の良さはクラスの水準を超えている。電動式のパワーステアリングにもほとんど違和感はなく、軽めの手応えながら操舵フィールやレスポンスに不満はない。
ティーダ・ラティオにはe-4WDの設定もあるが、基本的にはFFの2WDでいい。それも中間グレードの15Mがお勧めだ。ベースグレードの15Sはトランスミッションが4速ATになるなど仕様がダウンし、装備の充実度も下がるのでお勧めしにくい。逆に上級グレードの15Gは本革シートやステアリングホイールが採用されるものの価格設定が高くなるのでお勧めしにくい。必然的に、手頃な価格で必要な装備を備えた15Mがお勧めグレードになる。