PTクルーザーの標準モデルに新しく搭載された直列4気筒の2400ccエンジンは、105kw/214N・mのパワー&トルクを発生する。従来からの2000ccエンジンに比べ、性能的な向上幅はわずかなものにとどまるが、排気量が拡大したことによる走りの余裕は確実に生まれており、よりスムーズな走りが得られるようになった。同じペースで走るなら、これまでより低い回転数ですむわけで、静かで力強い走りが可能である。
サスペンションは前輪がストラット式で、後輪は車軸式ながら、ツイストビームアクスルワットリンケージを採用した独自の設計によるもので、外観から想像する以上にしっかりした感じの走りを実現する。コーナーでの姿勢も安定したものとなると同時に乗り心地に関しても不満はなく、好感の持てる足回りに仕上がっている。
静かになったとはいえ走行中の室内騒音などはもう少し抑えてほしい印象も残るが、全体に走りの質感が向上したのが今回のPTクルーザーである。
ターボ仕様のエンジンを搭載したGTにはまだ試乗していないので判断できないが、標準エンジンの搭載車ではベーシックなクラシックを選べばいいだろう。これなら本体価格が250万円を切る水準に抑えられる。ツーリングがややスポーティな、リミテッドにはラグジュアリーな装備が追加されるが、価格差を考えるとクラシックに買い得感がある。