なんと、横浜市長が応援?! ゴーン社長、期待のSUV
2002年12月、米市場で発売されて約8万台のセールスを記録した「ムラーノ」。北米デビューから、すでに1年半以上が経過。待ちに待ったムラーノが、ようやく2004年9月に日本導入となった。
日本導入に時間がかかったのは、本来、北米専用車であって日本への導入をまったく考えていなかったから。だが、北米で大ヒットしてからというもの、注目度は日毎に増し上昇。アメリカのメディアだけでなく、日本やヨーロッパのメディアにも注目されていく。そして、日本からのラブコールも増え続け、ついに日本導入決定! となったのだ。
横浜の大桟橋で行なわれた発表会では、日産が本社を横浜に移転することもあり、横浜市長が応援に駆けつけるというほどの力のいれよう。さらに、秋から年末にかけて続々と投入が予定されている新型車6台がイッキにラインアップ。カルロス・ゴーン社長が、日産の今後のブランド戦略を熱く語った。
さて、ブランド戦略の第一弾となるムラーノの注目すべきポイントは、やはり卓越したボディデザインにある。ラウンドした太目でスリットが入ったグリルは、クロームメッキ上にスモーク調のクリアを施してあり、ムラーノの強烈な個性を支える重要なパーツのひとつ。また、ヘッドライトは強烈なエッジを立ててグイっとフェンダーの奥まで伸びる。そのため、サイドから見たときでもひと目でムラーノとわかる個性を発揮している。
リヤビューは、ドッシリとした安定感が特徴。下端をラウンドさせたバックウインドウが、小さく見えるほどボトム部に向かうほどにボリュームアップされている。背の高いクルマは、比較的重心位置が高いたため不安定に見えるケースが多いが、ムラーノは卓越したデザイン力で背の高いSUVであっても地面にガッチリと足を下ろした安心感を与えているのだ。
インテリアに目を移すと、エクステリアほどの斬新さはない。斬新さというよりは、安心できる空間作りに力を入れているようだ。また、メーターパネルやシフトパネルなどなど、随所に本アルミ材を使用。まるで、スポーツカーを思わせるクールな演出が施されている。インテリアカラーは、ブラックとカフェラテと呼ばれる明るめのベージュ系の2通りが用意されている。シートそのものは、北米をターゲットとしただけあり、厚めで大きなタイプを採用。ゆったり感はなかなかのものだ。
駆動方式は、FFとオールモード4×4の2種類が選択可能。オールモード4×4は前後輪の駆動トルクをほぼ100:0から50:50まで自動的に変化させ、路面状況に合わせた最適なトルクを配分する。残念ながら、2.5リッターで163馬力をアウトプットするQR25DE搭載車は、FF車のみで4WDの設定はない。2.5リッターエンジンの他にもうひとつ用意された3.5リッターVQ35DEエンジンは、231馬力を発揮。FF車と4WDの2種類を選ぶことができる。また、2.5リッターは4速AT、3.5リッターはCVTを搭載する。
気になるプライスは、2.5リッター2WDの250XLが285.6万円(税込)、同じく3.5リッター2WDの350XVが343.35万円(税込)、3.5リッター4WDの350XV FOURが375.9万円(税込)。日本の税制を考えると、2.5リッターにも4WDが欲しいところだ。