ディーラー車下取りの仕組み

車下取りの基礎知識 車の下取りと買取はどっちがお得?

車下取りの基礎知識 車の下取りと買取はどっちがお得?

更新日:2022/07/06

実は全く別物の「下取り」と「買取」。どちらが得なのか、どう違うのか。それぞれのメリット、デメリットと共にお答えします。

POINT 1

車の下取りとは?買取との違いは?どっちがお得なの?

実は全く異なる、車の「下取り」と「買取」。
新しい車を購入する前提で、ディーラー等で今乗っている車を買取ってもらうことを「下取り」と言います。一方、新しい車の購入に関わらず、中古車買取店等でいま乗っている車を買取ってもらうことを「買取」と言います。

具体的には、それぞれ以下のような特徴があります。

下取りの特徴、メリット・デメリット

  下取り
特徴
  • 新車を売るディーラーが、新車の購入を前提に行う
  • 下取りをしてもらう車は、他のメーカーでも、中古で買った車でもOK
メリット
  • 下取りから新車の購入までワンストップで済むため手続きが楽
デメリット
  • 下取りしたお金はそのディーラーでの新車購入にしか使えない
  • 他メーカーの車は下取り額が低くなりがち

買取の特徴、メリット・デメリット

  買取
特徴
  • 中古車の買取を行っている専門店が行う
  • 買取をしてもらう車は、どんなメーカーでも、中古で買った車でもOK
メリット
  • 下取りよりも買取価格の方が高くなる場合もある
  • 買い取ってもらったお金は車購入に限らず自由に使える
デメリット
  • 車を購入するお店と売却するお店のそれぞれで書類や手続きが必要

下取り価格と買取価格にどれくらい差があるのかは、一概には言えません。しかし中古車の人気に敏感な中古車専門店の「買取」の方が、価格が高くなる傾向があります。

ディーラーのみを利用した場合

買取店+ディーラーを利用した場合

ディーラーのみを利用した場合、内訳の金額に差があっても、総額は変わらない場合があります。対して、「買取店+ディーラー」を利用した場合は、「高価買取」と「購入時の値引き」という二つのメリットを得やすくなります。

ディーラーに行くと「そのまま下取りに」という流れになりやすいため、まずは買取店の査定を受けて車両の価値を見極めましょう。

ディーラー下取りは査定だけでお金がかかる場合も

意外に知られていませんが、査定してもらうだけでお金がかかることもあるようです。
クルマを買い替えた時の見積書を確認すると、「下取り査定料」といった名目で数千円程度が計上されている場合があります。

買取専門店の場合には、このような査定料金はかからないことがほとんどです。もちろん、ガリバーの査定は無料です。 まずは自分のクルマの価値を正確に把握して、それからディーラーの下取りを受けるかを決めるという手もあります。

下取りの仕組みと、その後の車の行先

ディーラーが下取りをした車は、基本的には自社の中古車センターで販売します。新車ディーラーの横に、中古車が展示されている光景を見にしたことがある人も多いと思います。
ただしこういった自社の中古車センターでは、他社の車は売りにくいのが現実です。例えばトヨタの中古車センターで、日産の車両を勧めにくいことは想像しやすいでしょう。

そのため最近では、下取りした車を別の中古車販売店に売るために「オートオークション」に出品しているケースもあるようです。

ディーラーの下取り価格が買取より低くなりがちな理由

一般的に「ディーラーによる下取りよりも中古車専門店による買取の方が、評価額が高い」と言われます。それには、大きく2つの理由があります。

1つ目の理由は、ディーラーの主な仕事は「車を売ること」だからです。そのため中古車の査定や相場には詳しくないことが多く、思い切った下取り価格を提示しにくいのです。

2つ目の理由が、下取りする車のメーカーにより得意不得意があるからです。特定のメーカーの車を扱うディーラーなので、自社のブランドを守るためにも「中古になってもこんなに価値があります」と高く下取りしてくれる場合もあります。しかし他社の車については、自分たちは売りにくいこともあり、高値は提示しにくいのです。

POINT 2

ディーラーの下取り価格はどう決まるの?

下取り価格は、ディーラーが加盟している社団法人日本自動車査定協会によって、以下のように算出方法が定められています。

基本価格 + 加点(装備、車検残、色) - 減点(ダメージ、内外装、修理歴)

ただし先ほどもご紹介した通り、ディーラーは中古車の査定や販売が本業ではなく、特に他社の車には詳しくありません。「この車の中古車がどのくらいの値段で売れるのか自信がない」「パーツが変わっていることに気づかなかった」といった可能性も否定できないため、特に他社ブランドは適正な価格提示が難しいケースもあると思われます。

POINT 3

結局どっち?ケース別下取りと買取の選び方

下取りと買取には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
「次の車をどうするのか」「何を重視するのか」を基準に、自分に合ったものを選びましょう。

手間なく乗り換えたい場合「下取り」を検討

「いろんなお店に行くのは面倒」「書類や手続きも最低限で済ませたい」という人にはディーラー下取りがお勧めです。今の車の引き取りから次の車の購入まで全てが一つのお店で完結するので、手間も時間も省けます。

同じメーカーの車に乗り換えたい場合「下取り」を検討

「今の車もトヨタで、次もトヨタにしたい」など同じメーカーの車に乗り換えたい場合は、ディーラーでも高く下取りしてもらえることがあります。自社ブランドの車であれば、中古車としても売りやすいためです。

違うメーカーの車に乗り換えたい場合「買取」がおすすめ

「今の車はトヨタだけど、次はホンダにしたい」など別のメーカーの車に変えたい場合は、中古車店による買取が良いでしょう。ほとんどのメーカーを扱っている中古車買取店では、人気の車種や装備がダイレクトに高額査定に反映されます。

次の車の購入予定がない場合「買取」を選択

「次の車の購入予定がない」「車を譲ってもらう予定があるので、お店では買わない」といった場合、新車購入を前提にしたディーラー下取りは利用できません。そのため、中古車店による買取を利用することになります。

少しでも高く売りたい場合「買取」「下取り」を比較

「少しでも高く売りたい」という場合には、まずは中古車店による中古車査定をお勧めします。新車ディーラーに行く時に中古車店での査定額を持参すれば、下取り額が適正か、より高く売れるのはどちらかが判断できます。

POINT 4

高額下取りを引き出すためのお得な方法

どんなケースでもディーラーの下取りを利用しようと考えている人は、まずは買取店の査定を受け、その見積もりを持ってディーラーに行くと良いでしょう。その上で、より高く引き取ってくれる方に車を売却することをお勧めします。

買取店の見積もりがあると、最初から高い下取り金額を引き出せる可能性が高まります。
ディーラーの中には「あと少し値引きしてくれたら契約する」と言われた時に備え、低めの下取り額を提示し、値引き余地を残しておく人もいるといいます。しかし、最初から買取店の高い査定額を提示しておけば、「低めの下取り額」をスキップして価格交渉をスムーズに進めることができます。

まずは買取専門店の査定を受け、自分の車の価値をきちんと把握するのが「お得」への第一歩です。