免停になる違反点数とは?処分歴リセット時期や停止処分者講習について

免停になる違反点数とは?前歴リセット時期や停止処分者講習について

違反や事故を起こしてしまった場合、どれくらいの点数で免停になるのか気になる方も多いでしょう。免停は過去に起こした経歴の有無で、期間や点数が異なります。

本コラムでは、免停になる違反点数と処分歴がいつ消去されるのか、期間を短縮できる停止処分者講習についてご紹介します。

免停になる点数と期間はどれくらい?

免停は違反の内容によって点数が振り分けられています。では、具体的にどのようなケースで免停になるのかをご紹介します。

免停は累積点数によって決まる

事故や違反をすると免許証の持ち点から「減点」されると認識している方が多いですが、実際は減点ではなく「加点」されており、規定の累積点数に達した場合に免停になります。

累積点数は3年以内の点数が合計され、4年以降は加算されない仕組みになっています。

違反したからといってすぐに免停になるわけではありません。実際に免停の対象になった場合は、違反後約1週間から1か月で通知が届き、違反の内容によっては2か月以上かかるケースもあります。

届いた通知書には免停開始日が記載されており、その日付から免停が始まるのです。

免停の期間は処分歴の有無で異なる

免停には「免停期間」が定められており、処分歴の有無で期間が異なります。

例えば処分歴なしの場合、免停になるのは3年間で6点以上の違反をした場合です。また、免停期間も30日、60日、90日、120日、150日、180日の6種類があります。

処分歴がある場合は(過去に免停を受けたことがある)、免停期間も長くなります。

免停になる一例として、駐車違反1回(加点2点)、20km未満の速度超過1回(加点1点)、座席ベルト装着義務違反1回(加点1点)、追越し違反1回(加点2点)で、累積点数が6点になりますので、免停の対象になってしまいます。

処分歴はいつリセットされる?

免停の処分歴はいつまでも残るわけではありません。累積点数が6点で免停処分を受けたとしても、処分期間から1年以上無違反だった場合は、処分歴のない者として扱われるのです。

処分歴がリセットされたときは初心に戻って、より安全な運転を心がけましょう。

免停になる違反点数とは?

免停になる違反点数を具体的にご紹介します。先ほどご紹介したように累積点数の規定に達することで免停の扱いになります。以下は注意していても日常でやってしまいがちな違反についてまとめました。

 

違反行為の種別 点数 酒気帯び点数
0.25未満 0.25以上
速度超過(20以上25未満) 2 14 25
速度超過(20未満) 1 14 25
放置駐車違反駐車禁止場所等 2
信号無視(赤色等・点滅) 2 14 25
横断歩行者等妨害等 2 14 25
指定場所一時不停止等 2 14 25
携帯電話使用等(保持) 1 14 25

 

これらの違反が積み重なると累積点数が加算されていき、処分歴なしの場合は6点の累積点数で免停です。

処分歴が1回の場合は4点、処分歴が2回以上の場合は2点の累積点数で免停の対象になります。

交通違反には反則金もある

交通違反をした場合は、累積点数が加算されるだけではなく反則金を納付する義務が発生します。

先ほど例にあげた違反行為を行うと、どれくらいの反則金が科せられるのかを以下にまとめました。

 

反則行為の種類 反則金額(普通車)
速度超過(20以上25未満) 15,000円
速度超過(20未満) 12,000円
放置駐車違反駐車禁止場所等 15,000円
信号無視 赤色等 9,000円
点滅 7,000円
横断歩行者等妨害等 9,000円
指定場所一時不停止等 7,000円
携帯電話使用等(保持) 18,000円

 

累積点数の加点、反則金の納付は行政処分にあたります。きちんと反則金を支払うことで前科はつきません。

もし反則金の支払いに応じなかったり、出頭通知を無視し続けたりした場合は刑事処分が科せられることもありますのでご注意ください。

一発免停の場合は、裁判所への出頭命令がくることも

一発免停とは、一度の違反で累積点数が免停処分の規定に達するものをいいます。

例えば制限速度を50km/h以上もオーバーする「速度超過」、呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が検出される状態で運転する「酒気帯び運転」は一発免停の対象です。

一発免停になる違反行為は行政処分ではなく、刑事罰の対象となり得るため、未成年は家庭裁判所で、成人は交通事件として刑事裁判を受けならないこともあります

裁判といってもドラマでイメージするような法廷での裁判ではなく、起訴と審理が基本的に書類のみで処理される略式裁判形式で行なわれます。裁判所への出頭命令は、交通違反をしてから約2週間から1か月以内に違反者に通知が送られてきます。

刑事裁判の結果罰金刑が宣告されると前科(交通前科)がつきますこの前科が消えることはありません。

免停期間を短縮できる停止処分者講習とは?

前述で交通違反をした場合の免停期間は最低で30日間とお伝えしましたが、講習を受けることで免停期間を短縮することが可能です。講習で行なわれるテストの基準や講習内容についてご紹介します。

短期講習

短期講習は30日の免停処分の人だけが受講できる講習です。講習料金は13,200円で受講時間は1日のみの6時間となっています。

講習では機器や筆記を伴った転適性検査と診断、教本を使った座学講義などが行なわれます。講習の最後には試験があり、試験結果で免停期間の短縮日数が決定します。

試験は、正答率85%以上(36点以上)が「優」、正答率70%以上(35~30点)が「良」、正答率50%以上(29~21点)が「可」、そして正答率50%未満(20点以下)が「不可」です。

短期講習を受けると以下のように免停期間が短縮されます。

 

  試験の成績による短縮日数
免許停止処分の日数 不可
30日 29日 25日 20日 0日

 

試験は講習をきちんと受講していれば「優」がとれるようになっています。

「優」だと短縮日数が29日ですので翌日から車を運転しても良いことになります。つまり免停そのものが免除されるということです。

中期講習

中期講習は60日の免停処分の人だけが受講できる講習です。講習料金は22,000円で受講時間は2日間の合計10時間となっています。短期講習より講習時間が長いため2日間にわたって行なわれます。講習内容は短期講習と同じ内容ですが、講習時間が長い分、交通ルールなどについてより細かな確認が行われます。

講習を受け終わった後は試験が課せられ、合格率によって以下のように免停期間が短縮されます。

 

  試験の成績による短縮日数
免許停止処分の日数 不可
60日 30日 27日 24日 0日

 

「優」の場合で2か月の免停期間が1か月にまで短縮されます。普段車に乗られる方は1か月の短縮でも助かるのではないでしょうか。

長期講習

長期講習は90日、120日、150日、180日の免停処分の人が受講する講習です。講習料金は26,400円で受講時間は2日間の合計12時間。中期講習よりさらに講習時間が長いです。

講習内容は短期・中期講習と同じ内容といえども、徹底した交通ルールの確認が行なわれます。

免停期間が長い分、講習・試験を受けることで免停期間が短くなりますが、以下のように最低でも45日以上の免停期間が続きます。

 

  試験の成績による短縮日数
免許停止処分の日数 不可
90日 45日 40日 35日 0日
120日 60日 50日 40日 0日
150日 70日 60日 50日 0日
180日 80日 70日 60日 0日

 

重大な違反を起こした方が長期講習の対象ですので、免停期間が短縮されたとしても長期間の免停期間は免れません。

免停中に運転してしまったらどうなる?

免停中の運転は無免許運転扱いになり、無免許運転の累積点数が19点、免停中の累積点数が6点の合計25点の累積点数を抱えることとなり「免許取消・欠格期間が2年以上」の扱いになります。この場合は刑事処分がかかりますので、前述のように裁判所で刑事裁判を受け、刑事処分を受けることとなります

また無免許運転の場合、免停中の運転で事故を起こした場合、契約保険会社からの補償を受け取ることはできません。

このように免停中の運転は大きなリスクをともなうので絶対にやめましょう。

免停は処分歴の有無で条件が異なる

ついうっかり違反をしてしまうことは誰にでもあることですが、安全運転を心がけてさえいれば、ほとんどの違反は避けることができます。

自分や家族の安全、他車や歩行者の安全を守るためにも、安全運転を徹底することが、免停を回避する近道なのです。

免停点数に関する弁護士からのコメント

交通違反の場合、軽微な違反であれば違反切符が切られ、反則金を納付することで終了し、刑事事件となることはありません。しかし、大きな違反(一発免停となるような違反)の場合は刑事事件として厳格に処理される可能性があります。気をつけましょう。

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Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!

Supervised by 弁護士 梅澤 康二

梅澤 康二

保有資格:弁護士。東京大学法学部卒業。アンダーソン・毛利・友常法律事務所入所後、2014年8月に弁護士法人プラム綜合法律事務所を設立。 15年以上弁護士として活躍。一般民事・交通事件・債務整理・相続問題に係る法律相談、刑事事件に係る法律相談に対応している。