紫外線はクルマにどう影響する?
人が紫外線で日焼けをするように、クルマも紫外線による影響を受けます。具体的には、以下のような劣化が起こります。
- ボディの塗装が色褪せたり、剥げたりする
- 樹脂製パーツが傷んだり、ライトが黄ばむ
- レザーシートなどの内装が傷む
買ったばかりのうちは劣化が目立ちにくく、気にならないことも多いでしょう。しかし5年、10年と時間が経過すると、紫外線による劣化は目立ちやすくなります。特に塗装の色褪せや剥げは目立ちやすく、売却時の査定額にも影響します。
愛車をキレイに長く乗るために、クルマの紫外線対策は日頃から行うようにしましょう。
愛車にできる5つの紫外線対策
クルマの紫外線対策としてできることは、主に以下の5つです。
対策方法 | 使用に適したパーツなど | 費用目安 |
---|---|---|
①コーティング | 車の塗装 樹脂パーツ |
6~8万円(施工依頼) 5,000円~(施工依頼) |
②サンシェード | フロントガラス | 100円~ |
③紫外線フィルム | サイド・リアガラス | 2~5万円(施工依頼) |
④ボディカバー | 車両全体 | 2~5万円 |
⑤カーポート | 車両全体 | 15~40万円 |
※塗装のコーティングはガラスコーティング、樹脂パーツのコーティングは樹脂系パーツ専用コーティングの相場価格を表記
①コーティング
クルマの塗装を守る点では、コーティングが最も有効な方法です。コーティングは、人でいうところの「日焼け止め」のような役割を果たします。
業者に依頼すればそれなりにお金がかかるものの、きちんと塗ってもらえるので高い効果が期待できます。他方でコストを抑えたい場合は、市販のコーティングスプレーが良いでしょう。記事後半のQ&Aで大まかな手順を解説していますので参考にしてください。
紫外線への効果はコーティングの種類によっても異なります。「塗装」を保護するという点では以下の3種類がおすすめです。
種類 | 持続期間 | 業者での費用相場 |
---|---|---|
ガラス系コーティング | 6ヵ月 | 6~8万円 |
ガラスコーティング | 3~5年 | 10~15万円 |
セラミックコーティング | 5~7年 | 15~20万円 |
「樹脂製パーツ」「ライト」については、別に専用のコーティングがあります。塗装のコーティングに比べるとパーツごとの費用は安いですが、効果の持続性も1年余りとやや短いです。
②サンシェード
レザーシートやダッシュボードなど、内装を守るにはサンシェードが有効です。サンシェードは比較的しっかりしたものでも1,000円程度から購入できます。
遮光性の高い外付けのものと、手軽に使いやすい中付けのものがある他、素材によっても遮光性や使い勝手が異なります。遮光性が高いのはアルミ素材のものです。
③紫外線フィルム
窓に紫外線フィルムを貼ると、内装の劣化が軽減できます。ただし、フロントガラス、運転席・助手席のサイドガラスは「可視光線透過率」に注意しましょう。この3ヶ所は可視光線透過率が70%以上ないと車検に通らず、違反になってしまいます。
業者に依頼すると作業代がかかりますが、隙間やヨレなどなく丁寧に貼ってもらえますし、「可視光線透過率」もきちんと確認してもらえるので安心です。
コストを重視する場合は、自分で適切なフィルムを購入して貼ることもできます。
④ボディカバー
ボディカバーであれば車両全体を紫外線から守ることができますし、雨やホコリによる汚れも防げます。
ただしクルマを使うたびにカバーを脱着しなければいけないので、クルマの使用頻度がかなり低い人におすすめです。
⑤カーポート
カーポートを設置すれば、ボディカバー同様に車両全体の紫外線対策ができます。また塗装を傷める原因の酸性雨や鳥のフンなどを防げるのもメリットです。ただし設置費用も高いのがデメリットです。
紫外線の影響を特に受けやすい環境の場合、自転車など他の乗り物も置きたい場合には、積極的に検討しても良いでしょう。
クルマの紫外線対策Q&A
Q1. ワックスは紫外線対策にならないの?
A.ワックスにも紫外線防止効果は多少ありますが、その効果はコーティングほどではありません。コーティングの方が効果や持続性が高いので、長期的な対策としてはコーティングをおすすめします。
Q2. 紫外線で色褪せしやすいボディカラーは?
A.紫外線で特に色褪せしやすいボディカラーは「黒」と「赤」です。この2色は紫外線を吸収しやすく、色褪せが目立ちやすいです。
Q3. コーティングを自分でやるには?
コーティングは、大まかに以下のような手順で進めます。
- 洗車
- 下地処理(鉄粉や水アカ、シミの除去)
- 乾燥
- コンパウンドで研磨
- 洗車
- 脱脂(表面の油分の除去)
- コーティング剤の塗布
- 拭き上げ・乾燥
工程が多く、煩雑なので慣れない場合は業者に依頼しましょう。使うコーティング剤によってもステップが異なるので、実際に作業する時は商品ごとの指示に従ってください。
塗装の劣化対策は夏以外も必要
今回は紫外線対策についてまとめましたが、日本では春先に砂埃が起こったり、梅雨があったりと塗装の劣化しやすい時期が長いです。愛車をキレイに長く乗るためにも、塗装の劣化対策は夏以外にも積極的に行うと良いでしょう。
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- Supervised by norico編集長 村田創
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中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!