ウィンカーを出すタイミングはいつ?法律でのルールとその目安

ウィンカーを出すタイミングはいつ?法律でのルールとその目安

ウィンカー(方向指示器)を出すのは、右左折やUターンなら曲がる位置の30メートル手前、車線変更なら変更を開始する3秒前です。タイミングは早くても遅くても事故のリスクを招き、違反になることも。ここではウィンカーに関する法律、タイミングの目安、違反時の罰則などを解説します。

ウィンカーを出すのはどんな時?

ウィンカーの画像

道路交通法第53条は、以下の行為をする際に手やウィンカー(方向指示器)、灯火(ライト類)での合図が必要と定めています。

  • 左折・右折
  • Uターン(転回)
  • 徐行/停止
  • 後退
  • 同一方向に進行しながらの進路変更
  • 環状交差点からの離脱
  • 環状交差点で徐行/停止/後退

徐行と停止は制動灯(ブレーキランプ)、後退は後退灯(バックランプ)で合図するのが一般的です。一方、その他の右左折、Uターン、同一方向に進行しながらの進路変更(=車線変更や追い越し)、環状交差点からの離脱では、ウィンカーによる合図が一般的です。

※参考:道路交通法

駐停車や発進でもウィンカーが必要

道路交通法第53条には明記されていませんが、「交通の方法に関する教則 」では、発進時でのウィンカーの使用も定められています。

また、駐停車の際の幅寄せは、道路交通法の「進路変更」にあたる行為とみなされています。そのため駐停車で左側に寄るときも、ウィンカーを出す必要があります。

※参考:交通の方法に関する教則

ウィンカーを出すタイミングはいつ?

右左折やUターン、車線変更などの際に出すウィンカーは、そのタイミングも法令(道路交通法施行令)で指定されています。

右左折やUターンはその行為をしようとする地点から30メートル手前、車線変更はその行為をしようとする3秒前が基本です。

※参考:道路交通法

右折・左折は「30メートル手前」

右折・左折をする場合、ウィンカーは以下のタイミングで出すよう定められています。

右折・左折しようとする地点または交差点の手前の側端から30メートル手前

なお、ウィンカーを出す前には周囲の安全を怠らないようにしましょう。また、ウィンカーを出したら曲がる方向に車体を寄せましょう。

Uターンも「30メートル手前」

Uターン(転回)でウィンカーを出すタイミングは、右左折と同じです。

Uターンしようとする地点または交差点の手前の側端から30メートル手前

なお、ウィンカーを出す前には周囲の安全を怠らないようにしましょう。

車線変更は「変更開始の3秒前」

車線変更は、距離でなく秒数でタイミングが定められています。

車線変更をしようとする時の3秒前

ここでいう「車線変更」には、追い越しのための車線変更も含まれます。また、高速道路の合流や分岐、離脱でも同様の対応をします。右左折やUターンと同様、周囲の安全確認をした上でウィンカーを出しましょう。

その他①環状交差点を出る時

環状交差点でウィンカーを出すタイミングの図

一般的な交差点と環状交差点では、ウィンカーに関するルールが異なります。ルールの基本は以下の通りです。

  • 環状交差点に入るときはウィンカー不要
  • 入った直後の出口を出る場合は、環状交差点に入った段階でウィンカーを出す
  • 上記以外では、出ようとする地点の直前の出口を通過した段階でウィンカーを出す

その他②駐停車とその後の発進

駐停車や発進でウィンカーを出すタイミングは「その行為をしようとする時」です。必ず周囲の安全確認を怠らないよう注意しましょう。

駐停車では、周囲の安全を確認してから左のウィンカーを出し、徐行しながら道路の端に車体を寄せて停止します。事前に後方の車両や自転車などがいないか確認するのが重要です。

発進する際は右ウインカーを出し、周囲の安全を確認してから発進しましょう。

【注意】目的の行為が終わったら消す

ウィンカーについては出すタイミングに加えて消すタイミングも定められています。

ウィンカーを消すのは、目的とする行為(右左折やUターン、車線変更など)が終わった時です。行為が終わる前に消しても、行為が終わって消し忘れたまま走行してもいけません。

30メートル手前の目安となるものは?

右左折やUターンで「その行為をする地点から30メートル手前」といっても、位置が分かりにくいです。ここでは目安をいくつかご紹介します。

実線や路面標識が目安になりやすい

歩道前、交差点でのウィンカーを出すタイミングの図

30メートル手前の目安として主に挙げられるのは、以下の3つです。

  • 普通車6台分(車間距離も考えるなら4台分)
  • 交差点前の実線(破線から切り替わる部分)
  • 交差点に近い方のダイヤマーク

ただし、これらはあくまで「目安」です。交差点前に普通車でなくトラックがいれば目安の台数は変わりますし、そもそも交差点前にクルマが並んでいるとは限りません。
また、実線の長さも「絶対30メートル」という訳ではなく、交差点によって線の描き方も異なります。

【番外】車線変更の「3秒」の目安

車線変更の際は、実際に車線変更を開始する3秒前にウィンカーを出す必要があります。 ウィンカーを出してからの3秒は、実際に数えても良いですが、ウィンカーの点滅回数を見ることをお勧めします。

道路運送車両法の保安基準で、ウインカーは「毎分60回以上120回以下」の一定周期で点滅するよう定められています。つまり、3秒はウインカーが3〜6回点滅した時です。 ただし、クルマによって点滅速度は異なります。最初に愛車の点滅速度を確認しましょう。

ウィンカー違反時の罰則は?

ここまでご紹介したように、ウィンカーを出すタイミングや消すタイミングは、法令で定められています。違反にならないためにも、また事故を起こさないためにも、ウィンカーは適切なタイミングで出すのが重要です。

合図出し忘れ(合図不履行)の場合

ウィンカーを出さない、或いはウィンカーを出してもタイミングが遅すぎると「合図不履行」という交通違反になります。罰則は以下の通りです。

  • 違反点…1点
  • 反則金…6,000円(普通車)

合図消し忘れ(合図制限違反)の場合

右左折やUターンなど、ウィンカーを出す必要がない場面で合図を出すと「合図制限違反」という交通違反になります。消し忘れにより合図制限違反になる可能性もあるので、注意しましょう。罰則は以下の通りです。

  • 違反点…1点
  • 反則金…6,000円(普通車)

早すぎも遅すぎも事故のリスク

ウィンカーは、車両がこれから進む進路、また右左折やUターンでは進路とともにその後の徐行を周囲に示すものです。

ウィンカーを早く出しすぎれば、後方や周囲のドライバーの混乱を招きます。反対にウィンカーを遅く出せば、周囲の車両が前もってブレーキを踏めず、追突事故を招く可能性もあります。

事故の過失割合にも影響

合図不履行などで事故が起こった場合は、ウィンカーを適切に使わなかった側の過失割合が大きくなります。たとえば車線変更での過失割合の変化は、以下の通りです。

【車線変更における過失割合】

基本的な過失割合 合図不履行の場合
・車線変更した車:70%
・後続車:30%
・車線変更した車:90%
・後続車:10%

ウィンカーに関するQ&A

Q. 合流地点のウィンカーは右?左?

ウィンカーを出す方向は、その地点が「交差点にあたるかどうか」で変わります。

合流地点の前に一時停止の標識や停止線がある場合は交差点にあたり、前の道路に合流する際は左ウィンカーを出します。
一方、高速道路の合流地点などは「同一方向に進行しながら進路を変えるとき」、つまり車線変更にあたるため右ウィンカーを出します。

Q. 左折前は左に寄らないと違反?

左折の手前では、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう定められています。幅寄せをしなければ、道路交通法違反です。反則金等はありませんが、自転車やバイクの巻き込み事故を防ぐために守りましょう。

ただし幅寄せする前には、必ず後方の状況を見て、自転車やバイクがすぐ側に接近していれば、幅寄せする前に通してあげましょう。

norico編集部オススメ記事

クルマのルールは思いのほか細かく決められており、思わぬところで違反と見なされるケースもあります。身近なルールとして、駐停車やゼブラゾーンについても知っておきましょう。

Supervised by norico編集長 村田創

norico編集長_村田創

中古車のガリバーに勤務して20年以上のベテランが車の知識をわかりやすく解説します。車のことは、多くのメーカーを横断して取り扱うガリバーにぜひ聞いてください。「車ってたのしい!」を感じてほしいと思っています!