三菱デリカミニ VS スズキ スペーシアギア徹底比較!クロスオーバータイプの軽自動車を買うならどっち?

三菱デリカミニ VS スズキ スペーシアギア徹底比較!クロスオーバータイプの軽自動車を買うならどっち?

スーパーハイトワゴンは、軽自動車の中でも特に人気の高いジャンルだ。各メーカーは細分化した顧客ニーズに応えるため、様々なモデルを次々と発売している。
例えばSUVとのクロスオーバーモデルは、アウトドアテイストのギア感を内外装に加え、ファミリーユース色の強いスーパーハイトワゴンをアクティブなイメージに仕上げたものだ。
今回は軽スーパーハイトワゴンの中でも、2023年5月に登場し大ヒットした三菱デリカミニと、パイオニア的存在である3代目スズキ スペーシアギアを徹底比較した。
*スペーシアギアは、正しくは2代目だが、ベース車は3代目スペーシアなので分かりやすく3代目スペーシアギア(MK94S/MK54S)とした。

三菱 デリカミニの特徴

デリカミニの全景画像

※上図:デリカミニの全景
2023年5月から販売された三菱デリカミニは、SUVらしい力強い内外装のデザインが特徴だ。デザインテーマは「DAILY ADVENTURE(日常に冒険を)。マイルドハイブリッドシステムによって低燃費かつ力強い走行性能を実現した。

デリカミニは、親しみやすい表情が特徴だ。アウトランダーやデリカD:5といった三菱のSUVのアイコンである「ダイナミックシールド」をベースに、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトを組み合わせた。

快適なキャビンスペースは、2,495mmもの長いホイールベースによる恩恵だ。特にリアシートは320mmの前後スライド量を確保。リアシートの足元空間は、フロントシートを一番後ろに下げた状態でも足を組んで座れるほど広々としたスペースを有する。

 

デリカミニに搭載されているエンジンは2種類だ。

  • T/Tプレミアム:660cc直列3気筒ターボ(最高出力64ps、最大トルク100Nm)
  • G/Gプレミアム:660cc直列3気筒DOHCエンジン(最高出力52ps、最大トルク60Nm)

この2つのエンジンは、小さな出力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを採用している。燃費性能はWLTCモードで17.5~20.9km/Lだ。

駆動方式は全グレード2WD(FF)と4WDから選べる。なかでも4WD車は165/60R15もの大径タイヤの採用とショックアブソーバーの専用チューニングにより、未舗装路などを走行する際の安定感と快適性を向上させているのが特徴だ。
運転支援システムは、予防安全技術「e-Assist」を採用した。
デリカミニの価格はG 2WD車の183万7000円~Tプレミアム4WD車の227万1500円だ。

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スズキ 3代目スペーシアギア(MK94S/MK54S)の特徴

3代目スペーシアギアの全景

※上図:3代目スペーシアギアの全景
スペーシアギアは、2024年9月に登場。3代目スズキスペーシア(2023年11月発売)をベースとしたモデルだ。商品コンセプトは「アウトドアアライフに欠かせないアクティブ軽スーパーハイトワゴン」とした。

3代目スペーシアギアの外観デザインは、先代モデルの「無骨かわいい」を継承した。アウトドアギアの道具感を強く感じられる。ベース車のスペーシアをベースにヘッドライト、グリル、フロントバンパー、サイドドアガーニッシュ、サイドアンダーガーニッシュ、リアバンパー、14インチアルミホイール、ルーフレールを変更した。

インテリアは、レイアウトに使いやすさを追求しつつ、アウトドアギアのような道具感を演出するカラーを用いた。シート表皮やメーターパネルなどにも外観と同様、オレンジのアクセントカラーを採用。ストーリー性のあるタグなどで遊びゴコロをプラスしている。

ファブリックシート表皮は艶とマットの組み合わせにより、「タフさ」と「撥水性」を強調した。他にも以下のようなアウトドアシーンで活躍する機能的なアイテムを採用しているのが特徴だ。

  • 防汚タイプのラゲッジフロア
  • シートバックアッパーポケット
  • ステアリングヒーター

スペーシアで好評だった快適・便利なマルチユースフラップは全車標準装備している。リアシートに内蔵されたフラップの位置や角度を調整するだけで、オットマンモードなど3つのモードに対応可能だ。

 

3代目スペーシアギアに搭載されているパワートレインは、以下の2種類だ。

  • 660cc直列3気筒DOHCエンジン+CVT(最高出力49ps、最大トルク58Nm)
  • 660cc直列3気筒DOHCターボエンジン+CVT(最高出力64ps、最大トルク98Nm

どちらもモーター機能付き発電機を用いたマイルドハイブリッドシステムだ。燃費性能はWLTCモードで19.8~23.0km/Lと軽スーパーハイトワゴンでトップレベルの実力を持つ。また、駆動方式は両エンジンで2WDと4WDを選ぶことができる。

安全装備は、12の機能がパッケージ化されたスズキセーフティサポートを標準装備した。

  • 衝突被害軽減ブレーキ(デュアルセンサーブレーキサポートIIと低速時ブレーキサポート(先進・後退)のセット)
  • 誤発進抑制機能
  • アダプティブクルーズコントロール
  • 車線維持支援機能
  • ヘッドアップディスプレイ

 

衝突被害軽減ブレーキ(デュアルセンサーブレーキサポートIIと低速時ブレーキサポート(先進・後退)のセット)

  • 誤発進抑制機能
  • アダプティブクルーズコントロール
  • 車線維持支援機能
  • ヘッドアップディスプレイ

3代目スペーシアギアの車両本体価格は、ハイブリッドXZ 2WD車の195万2500円~ハイブリッドXZ ターボ 2トーンルーフ仕様車4WDの221万7600円だ。

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両車マイルドハイブリッド搭載でも、燃費は3代目スペーシアギアが圧倒

燃費比較

デリカミニの評価は4.5

3代目スペーシアギアの評価は5.0

 

三菱デリカミニと3代目スズキ スペーシアギアの燃費は以下の通りだ(WLTCモード)。

 

2WD

4WD

三菱デリカミニ

19.2~20.9km/L

17.5~19.0km/L

3代目スズキスペーシアギア

21.9~23.9km/L

19.8~22.4km/L

両車ともにマイルドハイブリッドシステムを搭載。以下モーターの最高出力・最大トルクだ。

 

自然吸気エンジン

ターボエンジン

三菱デリカミニ

最高出力2.7ps
最大トルク40Nm

最高出力2.7ps

最大トルク40Nm

3代目スズキスペーシアギア

最高出力2.6ps
最大トルク40Nm

最高出力3.1ps

最大トルク50Nm

両車マイルドハイブリッドシステムを採用しているものの、燃費性能は3代目スペーシアギアが圧倒した。デリカミニで燃費20.0km/Lを超えているのは自然吸気エンジンの2WD車のみだ。

対する3代目スペーシアギアは、最も重量の重いターボエンジンの4WD車のみが20.0km/Lを下回っている。この数値を見ると3代目スペーシアギアの方が燃費性能は優れていると言える。

 

燃費に大きく影響を与えるのが車両重量。デリカミニは970~1,060kg、3代目スペーシアギアは900~960kgだ。ターボ4WD車では100kgも差がある。これだけ車重が違うと、燃費は大きな差がついてしまう。3代目スペーシアギアが軽量なのは、長年積み重ねてきたスズキの軽量化技術によるものだ。

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最上級グレードで約5.4万円安の3代目スペーシアギアの方が快適装備は充実

価格比較

デリカミニの評価は4.0

3代目スペーシアギアの評価は4.5

 

デリカミニと3代目スペーシアの最上級グレードの価格は下記の通りだ。

  • デリカミニTプレミアム4WD:227万1500円
  • 3代目スペーシアギアハイブリッドXZターボ4WD 2トーンルーフ仕様:221万7600円

両車の最上級グレードの価格差は約5万3900円。デリカミニのほうがわずかに高額だ。この価格差がどうして生じるのか、装備を比較してみよう。

 

最上級モデルは両車ともパワフルなターボエンジンを搭載し、駆動方式は4WDと同じだ。装着しているタイヤサイズは以下の通りだ。

  • デリカミニ:165/60R15
  • 3代目スペーシアギア:155/65R14

デリカミニのほうがタイヤサイズが1インチ大きいため、車両価格が高いのも納得だ。

 

両車とも撥水加工が施されたシート表皮を採用している。デリカミニが合成皮革&ファブリックのコンビシート、3代目スペーシアギアはファブリックシートだ。シートの豪華さではデリカミニが少々リードしている。

しかし3代目スペーシアギアのリアシートは、マルチユースフラップを採用することで快適性を向上させている。こういった工夫は、デリカミニにはない。

また、3代目スペーシアギアではコネクテッドサービスであるスズキコネクトを採用しているが、デリカミニは搭載していない。

両車の純正ナビゲーションの画面サイズは9インチで、スピーカー数は6個と互角だ。車内の空気を循環させるスリムサーキュレーターも両車ともに搭載している。フロントシートのヒーター機能は両車ともに標準装備だが、ステアリングヒーターは3代目スペーシアギアが標準装備なのに対して、デリカミニはオプションとなっている。

 

三菱デリカミニTプレミアム4WDに標準装備で、3代目スペーシアギアハイブリッドXZターボ4WD 2トーンルーフ仕様に装着されていない装備は以下の通りだ。

  • 同一車線運転支援技術のマイパイロット
  • 合成皮革を使用したコンビシート
  • 大径タイヤ(165/60R15)

3代目スペーシアギアハイブリッドXZターボ4WD 2トーンルーフ仕様に標準装備で三菱デリカミニ Tプレミアム4WDに装着されていない装備は以下の通りだ。

  • リアシートのマルチユースフラップ
  • スリムサーキュレーター
  • ステアリングヒーター
  • コネクテッドサービス

両車の最上級グレードの価格は、約5.4万円デリカミニのほうが高額だ。しかし、装備の充実度は3代目スペーシアギアが上回る。

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登場から1年以上経過したデリカミニは大幅な値引きが期待できる

購入時の値引き術

デリカミニの評価は3.5

3代目スペーシアギアの評価は3.0

 

これまでデリカミニの値引き交渉は、高い人気に支えられてやや厳しめだった。しかし、スペーシアギアや、N-BOX JOYなどライバル車が続々と登場したことで交渉しやすくなってきた。値引きの目標額は約15万円といったところだ。

3代目スペーシアギアは登場したばかりなので、値引きはかなり渋いだろう。値引き額は5万~10万円を目指したい。

 

どちらも人気車種なので、値引きは厳しめだ。指名買いだと値引きがゼロなんてこともありえる。値引きを引き出すためには、両車共にN-BOX JOYを加え見積りを取り競合させることが重要だ。ライバル車に顧客を取られないように値引き対応する可能性がグッと高くなるからだ。

 

また、気を付けたいのが下取車の売却方法だ。ディーラー下取りに出す前に、必ず買取店で査定しておきたい。その上で、下取価格を比べ、より高額を提示した店に売却すると良い。せっかく大幅値引きを引き出せても、下取車の売却で損をしてしまってはもったいない。

両車ともワイルドながら親しみやすいデザイン

デザイン比較

デリカミニの評価は4.0

3代目スペーシアギアの評価は3.5

親しみやすい表情のフロントマスクが特徴のデリカミニ

デリカミニのフロントフェイスの画像

※上図:デリカミニのフロントフェイス

デリカミニのフロントフェイスは、三菱のフロントデザインコンセプト「ダイナミックシールド」をベースとしており、SUVらしい力強さと安心感が表現されている。凛としながらも親しみやすい表情は、特徴的な半円形のLEDポジションランプを内蔵したヘッドライトを組み合わせによるものだ。

 

フロントバンパーには、立体的な「DELICA」ロゴを採用した。フロントバンパー下部はプロテクト感のあるスキッドプレート形状によって、デリカならではのSUVらしい力強さと高い質感を表現している。

デリカミニの後景

※上図:デリカミニの後景

サイドはジェットフィンピラー(D)を採用。ローティングルーフやベルトラインから繋がり、リアで上部に切れ上がるデザインは、キビキビとした走りを想起させる。

デリカミニのリヤエンドの画像

※上図:デリカミニのリヤエンド

デリカミニのリアビューは、テールゲートガーニッシュの立体的なDELICAロゴが特徴だ。フロントバンバー同様、バンパー下部にプロテクト感のあるスキッドプレート形状を採用し、SUVらしい力強さと高い質感を表現している。

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丸目のヘッドライトは継承。フロントグリルは大きく変更されたスペーシアギア

3代目スペーシアギアの後景

※上図:3代目スペーシアギアの後景

3代目スペーシアギアのベースであるスペーシアスペーシアカスタムは、デザインモチーフをスーツケースから頑丈なコンテナに変わった。併せてスペーシアギアのデザインも変化があった。例えばピラーは先代ではブラックアウトされていたが、ボディと同色とすることでボディの大きさとコンテナのような丈夫さを表現した。

 

ベース車のスペーシアとスペーシアギアでは以下が変更されている。

  • ヘッドライト
  • グリル
  • フロントバンパー
  • サイドドアガーニッシュ
  • サイドアンダーガーニッシュ
  • リアバンパー
  • 14インチアルミホイール
  • ルーフレール

3代目スペーシアギアのフロントフェイスの画像

※上図:3代目スペーシアギアのフロントフェイス

フロントとリアバンパーは、「ガジェット感」にこだわった。シルバー加飾のスキッドプレートや、スズキのSUVの特徴である丸型のヘッドランプを採用している。フロントバンパーは、タテヨコナナメの多角形デザインとすることで、スッキリとした面質となった。

3代目スペーシアギアのリヤエンドの画像

※上図:3代目スペーシアギアのリヤエンド

両車共にワイルドなアウトドア系デザインがベースとしながら、軽自動車らしい可愛らしさをプラスしたデザインだ。デザインテイストは共通しているので、好みで選ぶと良いだろう。

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使い勝手抜群のマルチユースフラップを装備したスペーシアギア

室内空間と使い勝手

デリカミニの評価は4.0

3代目スペーシアギアの評価は5.0

 

三菱デリカミニとスズキ3代目スペーシアギアのボディサイズ、ホイールベース、荷室容量は以下のとおり。

 

三菱デリカミニ

ボディサイズ

全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,800mm(4WD車:1,830mm)

ホイールベース

2,495mm

室内サイズ

室内長2,200mm×室内幅1,335mm×室内高1,400mm

 

3代目スズキ スペーシアギア

ボディサイズ

全長3,395mm×全幅1,475mm×全高1,800mm

ホイールベース

2,460mm

室内サイズ

室内長2,170mm×室内幅1,345mm×室内高1,415mm

 

デリカミニの内装:運転席の画像

※上図:デリカミニの運転席

デリカミニの内装:後席の画像

※上図:デリカミニの後席

両車の全長と全幅は同じ。だが、全高はデリカミニの4WD車は30mm高くなっている。

室内の広さに大きく影響するホイールベースは、デリカミニのほうが35mmも長い。

3代目スペーシアギアの内装:運転席の画像

※上図:3代目スペーシアギアの運転席

3代目スペーシアギアの内装:後席の画像

※上図:3代目スペーシアギアの後席

室内空間では、全長はデリカミニが30mm大きいが、室内幅は10mm、室内高は15mm3代目スペーシアギアが大きくなっている。室内スペースは、ほぼ互角だ。

デリカミニの荷室の画像

※上図:デリカミニの荷室

ラゲッジスペースは両車ともに5:5リアシートにリクライニング&スライド機構を装着した。背もたれを倒すとフラットな床面の空間が広がる。両車ともにスライド、リクライニングが左右分割して行えるので、多彩なシートアレンジが可能だ。

3代目スペーシアギアの荷室の画像

※上図:3代目スペーシアギアの荷室

3代目スペーシアギアのインテリアで高く評価したいのが、リアシートに内蔵したマルチユースフラップだ。フラップの位置を変化させることで、オットマンモード、レッグサポートモードそして荷物ストッパーモードなど使い方に合わせて優れた使い勝手を実現している。

衝突被害軽減ブレーキの検知対象の広さでスペーシアギア優位

安全装備&運転支援機能

デリカミニの評価は4.0

3代目スペーシアギアの評価は4.5

 

両車の販売開始時期は、デリカミニが2023年、3代目スペーシアギアは2024年だ。2025年2月現在では登場して間もないモデルである。そのため運転支援機能を含めた予防安全装備は、軽自動車の中ではトップレベルの充実度を誇っている。

デリカミニのインパネデザインの画像

※上図:デリカミニのインパネデザイン

デリカミニのメーター画像

※上図:デリカミニのメーター

デリカミニは、三菱の運転支援機能であるe-Assistを核に同一車線運転支援技術のマイパイロットを搭載するなど、10の機能を搭載している。

3代目スペーシアギアのインパネデザインの画像

※上図:3代目スペーシアギアのインパネデザイン

3代目スペーシアギアのメーター画像

※上図:3代目スペーシアギアのメーター

一方、3代目スペーシアギアの運転支援システムは、11の機能を搭載している。衝突被害軽減ブレーキデュアルサポートIIを核としており、右左折時の交差点衝突回避支援も可能とした。デバイスが単眼カメラとミリ波レーダーに一新された賜物だ。

アダプティブクルーズコントロールも性能を向上させている。カーブ速度抑制機能や車線変更時補助機能などが加わった。

 

3代目スペーシアギアの安全装備・運転支援機能は、特に以下の2点を高く評価できる。

  • 衝突被害軽減ブレーキデュアルサポートIIが、右左折時の交差点衝突回避支援も可能としている
  • コネクテッドサービスのスズキコネクトを採用している

三菱が独自でチューニングした4WDの乗り心地は上々

走行性能の比較

デリカミニの評価は4.5

3代目スペーシアギアの評価は4.0

 

三菱デリカミニのエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり

 

自然吸気エンジン

ターボエンジン

最高出力

52ps

64ps

最大トルク

60Nm

100Nm

モーター最高出力

2.7ps

2.7ps

モーター最大トルク

40Nm

40Nm

車両重量

970~1,050kg

980~1,060kg

 

スズキ3代目スペーシアギアのエンジンの最高出力、最大トルク、車両重量は以下のとおり

 

自然吸気エンジン

ターボエンジン

最高出力

49ps

64ps

最大トルク

58Nm

98Nm

モーター最高出力

2.6ps

3.1ps

モーター最大トルク

40Nm

50Nm

車両重量

900~950kg

910~960kg

 

デリカミニ、3代目スペーシアギアともに軽自動車なので、エンジンの排気量は同じだ。両モデルともにエンジンに電気モーターを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載しているため、燃費性能だけでなく、走行性能も向上している。

専用チューニングサス+15インチタイヤで走行安定性は抜群のデリカミニ

デリカミニのエンジンルームの画像

※上図:デリカミニのエンジンルーム

ターボエンジンを搭載したデリカミニTプレミアムの乗り味は、どんな走行シーンにおいても高い走行安定性が特徴だ。三菱が独自にチューニングを行ったサスペンション(4WDのみ)に加えて、165/60R15という大径タイヤを装着している賜物だ。

デリカミニは、車両重量が1,060kgと1トンを超えるヘビー級の軽自動車だ。しかしパワフルなターボエンジンに加えて、小さな出力のモーターを搭載したマイルドハイブリッドシステムのおかげでスムーズな加速が味わえる。街乗りにおいては、エンジンが唸るような音を立てるシーンはかなり少ない。

 

自然吸気エンジンは、車重が重いため高速道路や急勾配の登坂などでは少々アンダーパワー気味。重い荷物を積んだロングドライブが多いのであれば、ターボ車がお勧めだ。

しっかり感を出すために硬めの乗り心地のスペーシアギア

3代目スペーシアギアのエンジンルームの画像

※上図:3代目スペーシアギアのエンジンルーム

ターボエンジンを搭載した3代目スペーシアギアは、走行時の無駄な揺れを抑えているのが特徴だ。軽量・高剛性のハーテクトというプラットフォームに、環状骨格構造や減衰接着材を使用することで実現した。

ターボエンジンはマイルドハイブリッドを採用しているため、車内の静粛性は一段と高まっている。また、自然吸気エンジンモデルは、デリカミニより力強さを感じる。これは、スペーシアギアの車重が軽いためだ。

 

3代目スペーシアギアの気になるところは、サスペンションが硬めな点だ。速度が少し上がると、ややしなやかになるタイプである。カーブで車体の傾きを抑えてしっかり感を出すためのセッティングといえる。

 

乗り心地では、デリカミニ4WD車がややリードといった印象だ。ただし2WD車ならば、大きな差はない。専用チューンニングされた足回りと15インチタイヤを装着していないからだ。

 

デリカミニの最低地上高は155mm(FF)、160mm(4WD)、スペーシアギアの最低地上高は150mm(FF、4WD)だ。最低地上高は悪路走破性に大きく影響する数値であるため、悪路走破性はデリカミニがやや優位といえそうだ。

異常値? 両車高いリセールバリューの期待大

リセールバリュー

デリカミニの評価は4.5

3代目スペーシアギアの評価は4.5

*中古車相場は、2015年1月調べ。

 

デリカミニが2023年、3代目スペーシアギアは2024年登場。2025年2月現在、買取価格はまだ安定していない。そのため今回は、デリカミニは2023年式、スペーシアギアは先代モデルの2023年式で比較。デリカミニは、新型で年式が新しいため、参考値としてほしい。

デリカミニ

  • 中古車相場:約190~250万円(2023年式)
  • 当時の新車価格:約180~224万円
  • 中古車相場の新車価格比:約106~112%

先代スペーシアギア

  • 中古車相場:約160~190万円(2023年式)
  • 当時の新車価格:約173~192万円
  • 中古車相場の新車価格比:約92~99%

デリカミニは、2年落ち(2025年比)でも新車価格越えという状態。これは、異常値ともいえる。1年落ちとなる2024年式(2025年比)の中古車相場が、約180~230万円となっており、年式が新しい方が安価になっているのだ。

その理由のひとつが未使用車の大量流通だと推測できる。未使用車は、ディーラーやメーカーの都合で登録(届出)しただけの車両。ほとんど新車コンディションながら、一度登録(届出)すると中古車扱いになり、中古車店の店頭に並ぶ。本来、未使用車は中古車扱いなので、新車価格より安価になるケースが多い。だが、デリカミニの未使用車はほぼ新車価格並み。本来なら、年式が新しいモデルの方が高価になるのだが、流通台数が多いことで価格が下がり、2023年式より2024年式の方が安価になる現象が起きている。ただ、2023年式も2024年式の未使用車の方が安価だと売れないので、これから徐々に値を下げていくだろう。

 

どちらにしても、デリカミニの中古車価格は今のところ新車並みだ。未使用車が爆発的に増えなければ、これからも高いリセールバリューが期待できるだろう。

中でも高値を付けているグレードは、ターボエンジンを搭載した「Tプレミアム」の4WDだ。三菱車は4WD車の人気が高いので、高リセールバリューが期待できそうだ。

 

対する先代スペーシアギアの中古車相場は、新車価格の約92~99%(2023年式)となった。これも、異常値ともいえる。本来、新型車が登場すると、一旦、ガクッとリセールバリューが下がる傾向があるからだ。先代スペーシアギアは、旧型になっても新車価格よりわずかに安い状態になっている。

 

ただ、この状態も長くは続かないと予想できる。3代目新型スペーシアギアが、登場したばかりのモデルだからだ。今後、3代目新型スペーシアギアの下取車となった先代スペーシアギアが徐々に増えてくる。流通台数が多くなると、中古車価格が下がる傾向がある。先代スペーシアギアの売却を考えているのであれば、早急に進めたほうが良いだろう。

走行性能ならデリカミニ、使い勝手と燃費性能ならばスペーシアギアがおすすめ

まとめ・総合評価

三菱デリカミニがお勧めの人

  • 小犬のようなかわいいデザインが好き
  • フラット感の高い乗り心地
  • 4WD車の優れた悪路走破性

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3代目スズキスペーシアギアがお勧めの人

  • 利便性の高いユニークな装備「マルチユースフラップ」を使いたい
  • 充実した予防安全・運転支援システム
  • もしもの時に役立つコネクテッドサービス
  • 優れた燃費性能

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三菱デリカミニ

3代目スズキ スペーシアギア

総合得点(40点満点)

33.0

34.5

1.燃費

4.5

5.0

2.価格

4.0

4.5

3.購入時の値引きしやすさ

3.5

3.0

4.デザイン

4.0

3.5

5.室内空間と使い勝手

4.0

5.0

6.安全装備

4.0

4.5

7.走行性能

4.5

4.0

8.リセールバリュー

4.5

4.5

三菱デリカミニ価格

 

2WD

4WD

G

1837000

2048200

G プレミアム

2018500

2182400

T

1914000

2125200

T プレミアム

2107600

2271500

3代目スズキ スペーシアギア価格

 

2WD

4WD

ハイブリッド XZ

1952500

2072400

ハイブリッド XZ 2トーンルーフ仕様

2013000

2132900

ハイブリッド XZ ターボ

2037200

2157100

ハイブリッド XZ ターボ 2トーンルーフ仕様

2097700

2217600

三菱デリカミニのボディサイズ、燃費などスペック

代表グレード

Tプレミアム4WD

ボディサイズ

3,395×1,475×1,830mm

ホイールベース

2,495mm

最低地上高

160mm

最小回転半径

4.9m

車両重量

1,060kg

エンジン型式

BR06

エンジンタイプ

直列3気筒DOHCターボ

総排気量

659cc

最高出力

64ps(47kW)/5,600rpm

最大トルク

100Nm(10.2kgm)/2,4004,000rpm

モーター形式

SM21

モータータイプ

交流同期電動機

モーター最高出力

2.7ps(2.0kW)/1,200rpm

モーター最大トルク

40Nm(4.1kgm)/100rpm

燃費(WLTCモード)

17.5km/L

電力用主電池

リチウムイオン電池

駆動方式

四輪駆動(4WD)

サスペンション

:ストラット式 後:トルクアーム式3リンク

タイヤサイズ

165/60R15

3代目スズキ スペーシアギアのボディサイズ、燃費などスペック

代表グレード

ハイブリッドXZ ターボ 4WD

ボディサイズ

3,395×1,475×1,800mm

ホイールベース

2,460mm

最低地上高

150mm

最小回転半径

4.4m

車両重量

960kg

エンジン型式

R06A

エンジンタイプ

直列3気筒DOHCターボ

総排気量

658cc

最高出力

64ps(47kW)/6,000rpm

最大トルク

98Nm(10.0kgm)/3,000rpm

モーター形式

WA05A

モータータイプ

直流同期電動機

モーター最高出力

3.1ps(2.3kW)/1,000rpm

モーター最大トルク

50Nm(5.1kgm)/100rpm

燃費(WLTCモード)

19.8km/L

電力用主電池

リチウムイオン電池

駆動方式

四輪駆動(4WD)

サスペンション

:マクファーソンストラット式 後:I.T.L(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)

タイヤサイズ

155/65R14

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員