この記事の目次 CONTENTS
パッソはダイハツから供給を受けるトヨタブランド最小コンパクトカー
さすがトヨタの営業力!意外と売れているパッソ
お買い得な特別仕様車がパッソ MODA“Charm”
MODA“Charm”の価格
トヨタ パッソ価格

ライター紹介

クルマ評論家 CORISM代表

大岡 智彦 氏

CORISM編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員

パッソはダイハツから供給を受けるトヨタブランド最小コンパクトカー

トヨタは、コンパクカーのパッソに、特別仕様車「MODA“Charm”(チャーム)」を設定し発売を開始した。

トヨタ パッソは、トヨタブランド最小のコンパクトカーだ。
2016年にフルモデルチェンジし、3世代目となっている。

パッソは、ダイハツが生産しトヨタへ供給しているモデルで、ダイハツブランドでは、ブーンとして発売されており姉妹車関係にある。

3台目となったパッソには、2つの顔が用意されているのが特徴。
基準車は、ややキリッとした顔となっている。主に社用車や実用車としての使い方がメインとしたモデルで、装備類もシンプルで安価な価格設定になっている。

一方で、パッソのもう一つの顔となったMODAは、女性ユーザーを意識したモデル。
丸型のヘッドライトと大きくパックリと開いたグリルが特徴だ。
イメージ的には、可愛らしさで有名な輸入コンパクトカーとよく似たデザインだ。

パッソの基準車とMODAのパワーユニット設定は、かなり割り切っていて、1.0L直3エンジンのみ。
燃費性能は21.0km/L(WLTCモード)だ。
ライバルが少ないこのクラスだが、まずまずの燃費値となっている。

さすがトヨタの営業力!意外と売れているパッソ

パッソのボディサイズは、コンパクトカーの中でもかなり小さい。
ボディサイズは、全長3,680×全幅1,665×全高1,525mm。
新型ヤリスが、全長3,940×全幅1,695×全高1,500mmとなっていて、全高を除きパッソがかなり小さいことが分かる。

従来、このクラスのコンパクトカーは販売面でかなり苦戦してきた。
それは、軽自動車に近いボディサイズに近いため、ここまで小さければ税金面でメリットのある軽自動車で十分という顧客が多いからだ。

さらに、燃費やクルマのパフォーマンス面でも最新軽自動車の方が優れているケースが多く、あえてパッソを選ぶ理由があまり見当たらないのも事実。

しかし、さすがトヨタの営業力は凄い。
とくに目を見張る部分が無いパッソを、2019年度は約3.7万台販売し、登録車販売台数ランキングで、23位にランクインさせている。

ライバル車となる日産 マーチは50位内にも入っていない。
これは、立派な結果といえる。

ただ、2019年度の販売台数では、前年比は78.1%と大幅に下落した。そろそろテコ入れの時期になる。

お買い得な特別仕様車がパッソ MODA“Charm”

パッソの特別仕様車 MODA“Charm”は、上級装備をプラスし特別設定色を設定しながら価格アップを抑えたお買い得車だ。

まず、インテリアのシート表皮には上質感ある合成皮革+ファブリックを採用。
ちょっとオシャレで落ち着いたソファーのようなイメージにまとめられている。
実用面では、寒い日のドライブをより快適なものにしてくれるシートヒーターを特別装備している。

さらに、より快適に移動できる空間とするために、上級のオプション装備も標準装備化した。
駐車時に目視しにくい周囲の安全確認をサポートするパノラミックビュー対応ナビレディパッケージ(※1)と快適装備のスーパーUVカットパッケージ(※2)を特別装備している。

※1 パノラミックビューモニター、ステアリングスイッチ(オーディオ操作)
※2 スーパーUVカット+IRカット機能付グリーンガラス(フロントドア)、スーパーUVカット機能付プライバシーガラス(リヤドア)

装備を充実した上で、外板色にかわいらしさが際立つ特別設定色ジューシーピンクメタリックとホワイト×ジューシーピンクメタリック(オプション)のツートーンカラーを含む、全10色を設定。
可愛しさに磨きをかけている。

MODA“Charm”の価格

このパッソMODA“Charm”の価格は1,617,000円。
ベース車となったMODAの価格は1,562,000円なので、5.5万円のアップとなった。

合成皮革+ファブリックのシート表皮など、プラスされた装備はプラス5.5万円を十分に超える価格になる。
特別仕様車 MODA“Charm”は、なかなかお買い得感ある価格設定となった。

購入時にはしっかりと値引き交渉を!

パッソMODA“Charm”は、お買い得感のある特別仕様車。
ただ、お買い得だからといって安易に飛びついてはいけない。

クルマの販売では、値引きが常識なのだが、お買い得車の場合「お買い得車なので値引きできません」という営業トークをして、値引きを抑制するケースがある。

値引きがないと、値引きが大きい通常モデルのMODAに特別仕様車並みのオプションをプラスした方が、安くなることがある。これでは、意味がない。

お買い得車を通常モデルくらい値引きしてもらわなければ、実質的なメリットが無くなるので、まずは通常グレードのMODAで商談。
一定の値引き額が提示されたところで、対象車を特別仕様車 MODA“Charm”に変し、値引き額をそのままにしてもらえるように交渉するとよい。

ここしばらくの間、新型コロナ不況で、クルマが売れていない。
自動車販売では、もはや買い手が超有利な状態だ。各社で、顧客を奪い合う状況が続く。
現在の市況では、数少ない顧客を逃がしたくないため、慌てて値引き対応してくる可能性が高いのだ。

商談は、先方が焦って「いつ買ってくれるのか?」と痺れを切らせてくるまでジックリと時間をかけると、値引き額はより大きくなるだろう。

トヨタ パッソ価格

・特別仕様車 MODA“Charm” 2WD(FF):1,617,000円/4WD:1,793,000円