日本向きのサイズと使い勝手の良さを兼ね備えたコンパクトSUV


アウディQ2アウディは、Bセグメントに属するコンパクト SUV 新型「Q2」の発売を2017年6月中旬より開始する。この新型Q2は、アウディのSUVであるQシリーズで最も小さいモデルとなる。

国内でも人気が高いコンパクトSUV


新型Q2のボディサイズは、全長4,200×全幅1,795×全高1,530㎜となっており、BセグメントのSUVだ。同じ輸入車でライバルとなるのは、プジョー2008やルノー キャプチャー。国産車では、マツダCX-3やホンダ ヴェゼルなどが同じクラスのSUVとなる。
このサイズのSUVは、最近国内でも人気が高まっている。コンパクトなボディサイズながら、力強いスタイリングと高い乗車位置からくる運転のしやすさなどもあり、脱ハッチバックやセダンを考える顧客に支持されている。

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新型Q2の扱いやすいスペック

新型Q2のボディサイズは、なかなか日本向きで、全幅は1,800㎜、全高が1,550㎜以下。これは、都市部に多い立体駐車場の制限内に収まっている。このサイズならば、マンションなどで立体駐車場を使う人も車庫証明が取れる。また、立体駐車場に入れず駐車場探しをする必要も無くなる。

そして、特筆すべきはQ2の最小回転半径。Q2の最小回転半径は、5.1mと非常に小さい。ライバルの2008やキャプチャーが5.5mなので、かなり小回りが効く。国産モデルも5.3m程度なので、このクラスではトップレベルの小回り性能をもつ。狭い道や狭い駐車場が多い日本マーケットでは、非常に扱いやすいスペックになっている。

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4WDの設定はなくFF(前輪駆動)車のみ。エンジンは、直3 1.0Lターボと直4 1.4Lターボを搭載


アウディQ2新型Q2に搭載されるエンジンは、2タイプが用意された。直3 1.0ターボとCOD(気筒休止システム:cylinder on demand)機能をもつ直4 1.4Lターボとなる。直3 1.0ターボは、116ps&200Nmを発揮。3気筒ならではのコンパクトな設計に加え、アルミ製クランクケースの採用などにより、エンジン単体の重量をわずか88kgに抑えた。
そして、COD付き1.4Lターボエンジンは150ps&250Nmを発揮。COD機能は、エンジン負荷100Nm以下の運転領域、及びエンジンスピード1,400~3,200rpmで無負荷走行をしているときに第2、第3シリンダーを休止し燃費を向上。

アウディQ2の燃費性能


燃費性能は、1.4Lターボ車が17.9㎞/L。1.0Lターボ車は、国土交通省の認可待ちとなっている。燃費値は、ライバルの輸入車と比べるとトップレベル。ただし、ただのガソリン車なので国産コンパクトSUVのハイブリッド車やクリーンディーゼル車と比べると物足りない数値だ。また、燃料はハイオクガソリン仕様なので、レギュラー仕様に比べると燃料費はさらに増える。やはり、Q2にもクリーンディーゼルが欲しいところだ。
ミッションは、2つの乾式クラッチを用いた軽量設計の7速Sトロニックが搭載され、重量をわずか70kgと軽量だ。

また、SUVながら4WDの設定は無い。FF(前輪駆動)のみとなっている。これは、他の輸入ライバル車と同じ。国産のコンパクトSUVには4WDの設定があるクルマが多い。

アウディらしくない? カジュアルなデザイン


アウディQ2Q2のデザインは、ポリゴン(多角形)をモチーフとしたユニークなものだ。他のアウディモデルのように共通したデザインテイストは採用されていないように見える。どのモデルも似たようなデザインで面白みがないと思う人に合うだろう。ただ、ややカジュアル感が強い割には、価格が高いので良くも悪くもアウディらしくない。

Q2のサイドビューは、流行のクーペを思わせる低いルーフラインが印象的だ。さらに、ボディカラーにひと手間加えCピラーに設置されたアイスシルバー(グレイシアホワイトでは、マットチタングレー)のブレード(Audi Q2 1.0 TFSI sport及び1.4 TFSI cylinder on demand sportに設定)をアクセントして加えている。全体的にカジュアル感が強いデザインで元気の良いイメージがある。

アウディQ2のインテリアデザイン

インテリアは、やや太めのセンタコンソールに水平基調のインパネ周りのデザイン。広さと力強さをアピールする。全体的にスポーティだ。
そして、注目したいのがメーターパネル。メーターは、標準装備のアナログメーターパネルのほかに、オプションであらゆる情報を12.3インチサイズ1,440×540ピクセルの高解像度TFTディスプレイに映し出す「アウディバーチャルコックピット」が用意されている。このアウディバーチャルコックピットは、最新のアウディモデルに続々と採用されていて、視認性にも優れ安全運転にも効果があるアイテムだ。先進性もあり、積極的に選びたいオプションのひとつ。

安全装備は歩行者検知式自動ブレーキなどが用意されるが、標準装備化されているものだけでは、やや物足りない


アウディQ2Q2の先進予防安全装備面は、少々物足りない状況だ。歩行者検知式の自動ブレーキ関連の安全装備アウディプレセンスフロントは、エントリーグレードには装備されていない。さらに、オプションでも装着できない状況だ。その他のグレードは標準装備化されている。

また、上級グレードでもサイドアシストやアクティブレーンアシスト、トラフィックジャムアシストなどの装備はセットオプションとなっている。さすがに、3,640,000円以上する価格帯のクルマの安全装備としては、少々物足りない内容だ。こうしたオプションを積み重ねていくと、Q2の価格はドンドンと高価になっていく。

アウディQ2を選ぶなら、1.0 TFSI sportか1.4 TFSI COD


Q2のグレード選びは、まず、自動ブレーキが装着されていないエントリーグレード Q2 1.0 TFS(2,990,000円)を選択肢から外すことから始まる。このグレードは、300万円を切っているという価格訴求用のオトリグレードともいえるもので、装備がかなり簡略されており、プレミアムブランドであることをアピールするアウディなのにマニュアルエアコンだったりする。

アウディQ2そうなると、 Q2のグレードは2つに絞られる。Q2 1.0 TFSI sport(3,640,000円)かQ2 1.4 TFSI COD(4,050,000円)のいずれかだ。どのグレードも、かなり高価な価格設定。プジョー2008やルノー キャプチャーなどと100万円くらいの価格差になってしまう。

この2グレードは、装備差がほぼないので、エンジンの違いのみ。より、上質で力強い走りを好むのなら、1.4 TFSI CODがお勧め。キビキビ感を重視するのなら1.0 TFSI sportになるだろう。
ただ、1.4 TFSI CODを選ぶ場合、ひとクラス上のBMW X1 sDrive18iと同じ4,050,000円であることにも理解しておく必要がある。メルセデス・ベンツGLA 180(3,980,000円)よりも高価な設定なのだ。ひとクラス上のSUVも予算内に入ってくるので、シッカリと試乗するなどして選びたい。

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アウディQ2価格


車両価格は以下の通り。

・Q2 1.0 TFSI 2,990,000円
・Q2 1.0 TFSI sport 3,640,000円
・Q2 1.4 TFSI cylinder on demand sport 4,050,000円

車両概要

アウディQ2 1.4 TFSI cylinder on demand sport
全長 (mm) 4,200
全幅 (mm) 1,795
全高 (mm) 1,530
総排気量 (cc) 1,394
エンジン種類 直列4気筒DOHCインタークーラー付ターボ(1気筒=4バルブ)
最高出力 [ネット] 110Kw (150ps) / 5,000-6,000rpm
最大トルク [ネット] 250N・m (25.5㎏-m) / 1,500-3,500rpm
駆動方式 FWD
トランスミッション 7速 Sトロニックトランスミッション
ステアリング位置 右
車両重量(kg) 1,340
JC08モード燃費(km/L) 17.9
フロントサスペンション マクファーソンストラット
リヤサスペンション トレーリングアーム
トランク容量(ℓ)VDA値  405
最小回転半径(m) 5.1
燃料タンク容量(ℓ) 50

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執筆者プロフィール
クルマ評論家 CORISM代表
大岡 智彦 氏

CORISM(http://www.corism.com/)編集長。自動車専門誌の編集長を経験後、ウェブの世界へ。新車&中古車購入テクニックから、試乗レポートが得意技。さらに、ドレスアップ関連まで幅広くこなす。最近では、ゴルフにハマルがスコアより道具。中古ゴルフショップ巡りが趣味。日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員。