ポルシェ パナメーラ

 

<EV走行で最高速135㎞/h!走りと環境を両立したポルシェのPHV>

ポルシェパナメーラポルシェは、スポーツサルーンであるパナメーラにPHV機能を装着したパナメーラS eハイブリッドの発売を開始した。

パナメーラは、2009年にポルシェ 初の4シーターラグジュアリーサルーンとしてデビュー 。その後、カイエン と同じ1モーター2クラッチ式のハイブリッドシステムを搭載したパナメーラSハイブリッドをリリース。しかし、カイエン同様、このハイブリッドシステムは、47ps程度しかない出力のモーターを使っていたため、すぐにエンジンが始動してしまい、あまりEV走行ができないものだった。

今回投入された、パナメーラS eハイブリッドは、そんなハイブリッドモデルに足りなかったEV走行部分を飛躍的に伸ばすために、なんと9.4kWhの容量をもつリチウムイオン電池を搭載した。その大容量電池の恩恵を受け、なんと従来の2倍近い95psというパワフルなモーターを装備。EV機能を大幅に強化。この電池容量は、電気自動車である日産リーフと比べると約40%にもなる大型のものだ。

このEV能力の強化により、EV航続距離は36㎞となり、最高速度は135㎞/hにもなった。EV走行可能距離は、それほど長くはないが、最高速度が135㎞/hなので一般道から高速道路まで、ほとんどEV走行できることになる。電力が無くなるとハイブリッド状態になり、ハイブリッド走行での燃費は12.3㎞/Lとなっている。

搭載されるエンジンは、V6スーパーチャージャー付きの3.0Lで333psと440Nmというパワーとトルクを発揮。このパワーユニットに、95psと310Nmを発揮するモーターが組み合わされ、システム出力は416ps&590Nmとなる。随分、パワフルなサルーンだが、車重は2トンを超えてSUV並み。パナメーラSが1,810㎏の車重に対してパナメーラS eハイブリッドが2,095㎏と285㎏も重い。これは、主にバッテリーとモーター類によるもの。軽量化は、今後の大きな課題。

パナメーラS eハイブリッドの走行パターンは大きく3つ。Eパワーモードは、モーター走行をメインとしてキックダウン時など、モーターだけではパワーが足りないときなどエンジンを始動させパワーを取り出すというもの。その他、状況に合わせコースティング機能やエンジン走行、エネルギー回生を自動で選択する。
スポーツモードは、アクセルを80%の位置まで踏み込むとブースト機能が作動。エンジンとモーターが同時に作動し、もてる力をすべて走行性能を高めるために使う。

ポルシェパナメーラEチャージモードは、高速クルージング中に充電できるようにシステムを変更。走行中に電力を効率よくバッテリーに蓄え、蓄えたバッテリーの電気で市街地などではEV走行を行うことができるようにするものだ。

PHV 化されたこともあり、燃費面や走りの面で大きく進化した。このクラスのクルマを購入できる顧客層に、燃費云々はあまり意味のないことかもしれない。ただ、PHV化され近距離ならEV走行だけでOKになったことで、ガソリンスタンドへ行く回数が減り時間の節約になる。忙しい高所得者層にとって、時間節約のメリットは大きい。

また、PHV化したことによる価格アップは微増。高所得者層には、それほど気にならないレベルの価格アップだ。また、充電方法は、専用電源を設置する工事が必要。この電源が設置されれば、約2時間半以内に充電が完了する。贅沢な話だが、このパナメーラS eハイブリッドを都市部での移動メインとして使い、こまめに充電できる環境があれば、非常に環境に優しい。それでいて、郊外に出れば、ポルシェらしいダイナミックな走りが楽しめる。これからの、高級サルーンのあり方を体現したモデルと言えそうだ。

■価格:15,778,285円