三菱ミラージュ
<売れそうなキティ仕様、同時に新グレードを追加>

三菱ミラージュ ミラージュSグレード

三菱はコンパクトカーのミラージュに、基本装備を充実させながらお買い得な価格とした新グレード「S」を設定し、その他のグレードでも一部改良を施し発売を開始。さらに、ミラージュ専用のパッケージオプション「ハローキティ 40th アニバーサリー パッケージ」(5アイテム)を400セット限定で発売した。

ミラージュは、2012年8月にフルモデルチェンジし、先代ミラージュが姿を消してから、約12年ぶりという記念すべきモデル。再生を図る三菱にとって、ミラージュのようなコンパクトカーは販売台数も多くなることから重要な車種。国内だけでなく、アジアを中心としたグローバル戦略車として、三菱の期待を背負っていた。しかし、当時の日本は超円高。価格競争力が求められるコンパクトカーであることや、アジアを中心としたモデルであることから、ミラージュは国内生産ではなく価格競争力が見込めるタイでの生産となっている。日産も同じように、マーチをタイで生産している。

国内の販売店にとって、久しぶりの新車ということもあり期待されたミラージュだが、販売は苦戦が強いられる。発売直後はソコソコの販売台数を記録したものの、2013年度に入り、販売台数は失速。最近では、月販台数が3ケタ台という月が続いている状態だ。

三菱ミラージュ ハローキティ内装

売れない理由はいくつかあるが、このクラスのコンパクトカーは小さく、日本に最適化され広大な室内をもつ軽自動車と差別化できない現実がある。軽自動車はさらに税金も安いので、スペースが同程度なら積極的に選ぶ理由がないのだ。日産マーチも同様に、こういった理由から販売面では苦戦している。

そこで、新グレード「S」が投入され、一部改良が施された。Sグレードは、今まであったE、M、Gと3グレード体系の下から2番目に位置する。Eグレードが、当時99.8万円で価格訴求用で、ビジネス使用でも厳しい状況だったのだろう。
さらに、紫外線を約99%カットする「99%UVカットガラス」(フロントドア)を標準装備。プライバシーガラス(リヤドア、テールゲート)、パワーウインドウ(運転席セーフティ機構付ワンタッチ式)、電動格納式リモコンドアミラー、ABS(電子制御制動力配分装置付)、エマージェンシーストップシグナルシステムなど基本装備を充実させ1,124,550円という価格とした。
価格は安くなったが、一般顧客には割り切りが必要というか、あまり積極的におすすめできない。まず、アイドリングストップ機能などが装備されていない。そのため、燃費は23.2㎞/Lとなっていてアイドリングストップ機能付き車は27.2㎞/L と大きな差がついている。さらに、購入時に重要なエコカー減税は、Sグレード以下は75%減税。MとGグレードは免税だ。その他の装備などを含めても、一般の人が三菱ミラージュを購入するなら、Mグレード以上がおすすめだ。
あまり、一般顧客にとってメリットがないSグレードに対して、強力なインパクトを放つのが「ハローキティ 40th アニバーサリー パッケージ」(5アイテム)。400セット限定で販売される。エクステリアでは、ハローキティのリボンをあしらったフルホイールカバー、リヤエンブレム、オリジナルデザインのデカール(助手席側フロントバンパーコーナー、運転席側ドアミラー、左右リヤドア、運転席側テールランプ上、給油口)が用意される。インテリアでは、ハローキティ柄のシートカバー(全席)、オープントレイアクセントマットを装備した。このシートカバーにより、車内は完全にハローキティに占領された状態。また、細かいところにまでこだわり、ハローキティ プレミアムグッズ(クッション、マスコット、車検証カバー)をプレゼントしてくれる。
本格的なキティ仕様となった限定車だ。これだけ芸が細かいと、もはや限定車というより特別仕様車としてラインアップしたほうが、ミラージュの販売台数アップに貢献するように思える。小さいクルマに求める可愛さと、キティのキャラクターが良くマッチした限定車だ。とくに、女性はインテリアにこだわる傾向がある。クルマでの移動中に、大好きなキャラクター囲まれていれば、運転も今まで以上に楽しくなるというものだろう。
オプション価格は、116,970円と安くはない。ただ、小さなクルマだからこそ、こういった遊び心を注ぐことができるというものだ。

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