アウディ一人勝ちのワケは「価値観が多様化」なのか？
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アウディが売れている。2009年の輸入車販売は、2008年比82.8％と大幅な台数減となった。VW、BMW、メルセデス・ベンツなどのメジャーメーカーが大幅ダウンとなっている中、アウディだけが2008年比100.8％と微増という結果を残した。
確かに09年のアウディは新型ラッシュだった。Q7にA5カブリオレ、Q5にA4のマイナーチェンジなど次々と新型をリリースした効果もあった。しかし、各社昨年対比20％以上のダウンをしている状況下で、新型を出したから必ず売れるという市場状況ではなかったはずだ。アウディの関係者は「顧客のクルマに対する見方が変わってきた」と話す。そして、2010年初頭にも新型車アウディ A5スポーツバックを投入。アウディが好調のワケとは？
「今までの価値観が通じない時代になってきたのかもしれません。これまでは、日本で強力なブランド力をもつベンツやBMWを無条件で受け入れてきたお客様がたくさんいらっしゃいました。しかし、今は自分の価値観で選ぶ時代になったのだと思います。自分にとって、本当にいいものとはなんだ？ とか、自分にピッタリなものは？ といったことを考えるお客様が増え、アウディに興味をもっていただいた結果でしょう。もちろん、そこにはアウディが大切にしてきたクオリティやデザインへのこだわりを評価していただいたからだと思っています」と、アウディジャパン�商品企画部長の野田さんは語る。
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「ライフスタイルも売る」クルマの魅力だけじゃ売れない時代なのか？
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自民党から民主党へ政権が変わったように、輸入車の自民党ともいえるベンツやBMWから、新しさや期待を感じさせるアウディへマーケットの潮目が変わっているようだ。そんなアウディを支持するユーザー像とは・・・。
「他メーカーと大きく違うのは、デザイン関係やIT系といった職業の方が多いですね。とくに40歳代で、まだ第一線で活躍されている方が多いのが特徴で、比較的若い年齢層に支持されています。また、音楽やスポーツなどと連動したイベントを継続的に行っているのも特徴です。単にクルマだけでなく、ライフスタイルも一緒に提案できているからこそ、そういった方々に良いイメージをもっていただけていると思っています」
アウディの戦略はそれだけではない。今回発売されたアウディ A5スポーツバックは、多様になったニーズに対応するという戦略的なモデルでもある。クーペとアバント（ワゴン）をクロスオーバーさせたスタイルは、クーペの洗練さとアバントのアクディブさを兼ね備えている。クーペでは機能性が足りないし、アバントではオシャレじゃない。そんなユーザーに向けたある意味、新しいジャンルのクルマだ。この新ジャンルで、今までアウディで取り込めなかったアクティブなヤングファミリーを取り込もうという。
もはや、無条件にベンツやBMWのブランドを受け入れた世代は徐々に無くなり、本質と新しさを求める新しい世代へシフトし始めている。アウディが売れる理由は、そんな時代の流れを敏感に察知した結果かもしれない。
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