三菱 新型 EV(電気自動車)「i-MiEV(アイ・ミーブ)」

EVの基本は「電池容量」

三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ) ロゴマーク

 今回のレポート、たくさん数字並んだりして理解しにくいかもしれないけれど、ぜひEV(電気自動車)の”ツボ”を押さえて頂きたいと思う。まず航続距離について。様々な数字が公表されているものの、いろんな意味で不十分な情報しかありません。
 基本は電池容量=ガソリンタンク容量。こいつに1kW(電力の単位)あたりの走行距離を掛ければ、航続距離になる。例えばi-MiEV(アイ・ミーブ)の場合、ガソリンタンクに相当する電池容量が16kWh。燃費に相当する電費10km/kWh。
 電池容量を『L』単位にすれば解りやすい。電費は燃費と同じなので、10km×16で航続距離160kmになります。燃料タンク容量45Lで10・15モード燃費38km/Lのプリウスなら、1710km走るという意味。つまり理論的な数値なのだ。

i-MiEVの航続可能距離、実際はどのくらい?

三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ) フロントマスク

 実際どうか? ガソリン車と同じく運転方法によって大きく電費は変わってくるけれど(回生制動を上手に使うと電費良くなる)、街中であれば1kWhあたり6kmくらいの「実用電費」を考えればOK。約96kmということになります。
 ちなみにスバルのEV『プラグインステラ』の電池容量は9kW。公称の航続距離90kmとなっていて、i-MiEVより圧倒的に少ない。同業者だけでなく、スバルの広報部すらi−MiEVより圧倒的に劣っていると認識しているようだ。
 しかしFFという駆動レイアウトを活かして回生制動(エネルギーのリサイクル)を多用することにより、7km程度の実用電費を確保。63kmくらいの航続距離だと考えればいいだろう。ガソリン車に燃費差があるように、EVだって電費の差があるワケ。
 また、エアコンを入れると10〜15%。外気温5度前後の日に暖房入れると、20〜30%走行距離は短くなる。さらに急速充電の場合、容量の80%までしか充電できない。といったことを考えていくと、さらに航続距離が短くなる。
 安心して乗れる距離は、i-MiEVで50km。プラグインステラ35kmをイメージしておけば間違いなかろう(急速充電だと20%減)。「それだけ走ってくれれば十分!」と思うなら、実用性についちゃ心配しなくていい。

今、EVは買いなのか否か!?

三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ) リアビュー

 もし50km以上移動するような使い方をするなら、最初からi-MiEVは諦めるべき。つまりガソリンさえ入れれば何kmでも走れる従来の「自動車」と違うタイプの乗り物だと認識しなければならない。自動車評論家も評価基準を変えなければダメです。
 私がi-MiEVを買ったとしたら、せいぜい10km圏内の買い物と駅までの送迎にしか使わない。航続距離の問題についちゃ全く気にしないで済む。200万円を下回る金額になれば、迷うことなく購入するつもり。あと2年後くらいか?

三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ) エクステリア
達人プロフィール: 国沢光宏
職業:自動車評論家
歯に衣を着せぬ原稿で、なにかと話題の自動車評論家。歯切れの良い文章も分かりやすく、多くのファンをもつ。カートップやベストカーなど、多数の自動車雑誌に寄稿するだけでなくWRCなどのTV解説まで幅広い活動を行なっている。
車名
三菱 i-MiEV(アイ・ミーブ)
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
3395x1475x1610mm
車両重量[kg]
1100kg
[駆動用バッテリー]種類
リチウムイオン電池
[駆動用バッテリー]総電圧[V]
330V
[駆動用バッテリー]総電力量
16kWh
[原動機]定格出力
25kW
[原動機]最高出力
64ps(47kW)/3000-6000rpm
[原動機]最大トルク
18.4kg-m(180kgf・m)/0-2000rpm
10.15モード交流電力消費率[国土交通省審査値]
125Wh/km
10.15モード充電走行距離[国土交通省審査値]
160km
乗車定員[人]
4人
消費税込み価格
459.9万円[メンテナンスリースにて販売]
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