最近のトヨタ車に乗ると、そのほとんどのモデルでサスペンションが固められ、引き締まった乗り味になっている。走りに振ってスポーティな味を強調したのだろう。
それはそれでいいのだが、サスペンションを固めるのとストロークしにくくなるということは別の問題なのだ。バネ、ダンパー、スタビライザーなどは硬めのチューニングにしても、サスペンションアームの動きはあくまでもしなやかでいて欲しいのだ。
iQのサスペンションも結構硬めである。ホイールベースも短いし、その割りに背が高いのだから、ロールしやすくコーナリングで恐怖感を与えかねないから硬めにセッティングするのも無理はない。
しかしバネ、ダンパーが硬いというだけでなく、ストローク感がないために強い振動が室内に伝わり、乗り心地は褒められるレベルではない。
最近JAFMATEで発売しているドライブレコーダー「ドラドラ」を取り付けた。衝突したときに、その振動を拾って衝突の15秒前からさかのぼって合計30秒間録画してくれるというものだ。事故の際に青信号で交差点に入ったという自分の主張を映像で証明してくれるものだ。衝撃がなくても、スイッチを押すことで録画することもできる。
高速道路を走っていると、橋げたなどの段差で「ドラドラ」は衝撃を感じて自動録画を開始してしまう。縦方向(上下方向)の振動が大きいからで、衝突したと勘違いするのだ。そこでわざわざセッティングを変え、縦方向だけ自動録画が開始するGを鈍くした。これなら実際の衝突のときにも映像もれなどの問題は起きないだろう。
つまりドライブレコーダーが衝撃を感じて自動録画が始まるほどiQのサスペンションは硬いということだ。
2009年7月(納車から7ヶ月)で走行距離は1万kmを突破した。8000kmを過ぎるころからサスペンションが馴染んできた感じが判るようになった。新車のときよりストロークする。でも根本的には変わっていない。
サスペンションを固めることと、ストロークを減らすことはイコールではない。固めてもストロークはたっぷりがいい。これが両立できるようになると、乗り心地が良くてハンドリングも良いクルマになるだろう。