自動車アセスメントグランプリ表彰式でグランプリのメダルを授与する独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA・ナスバ)の金澤 悟 理事長と、「トヨタ ヴェルファイア/アルファード」開発責任者のトヨタ自動車 トヨタ第1乗用車センター 中越 祐三 チーフエンジニア

自動車アセスメントグランプリ表彰式でグランプリのメダルを授与する独立行政法人・自動車事故対策機構(NASVA・ナスバ)の金澤 悟 理事長(左)と、「トヨタ ヴェルファイア/アルファード」開発責任者のトヨタ自動車 トヨタ第1乗用車センター 中越 祐三 チーフエンジニア(右)

クルマの安全性能を試験・評価する『自動車アセスメント(JNCAP)』で最も優秀と評価された「ヴェルファイア/アルファード」

自動車アセスメント(JNCAP)の側面衝突試験車両「トヨタ ヴェルファイア」

 国土交通省と独立行政法人「自動車事故対策機構(NASVA)」は、クルマの安全性能を試験・評価する『自動車アセスメント(JNCAP)』において、乗員保護性能と歩行者頭部保護性能などが最も優秀だったとして、トヨタのLクラスミニバン「ヴェルファイア/アルファード」に『自動車アセスメントグランプリ'08/'09』を与えた。また次点として、自動車アセスメント優秀車に「スバル フォレスター/エクシーガ」を選出した。「トヨタ ヴェルファイア/アルファード」は、衝突安全性能総合評価において、運転席・助手席ともに最高ランクの6+をマーク。歩行者頭部保護性能評価についても最高のレベル5を達成した。

JNCAPにおけるオフセット前面衝突試験の模様(車両は「トヨタ ヴェルファイア」)
JNCAPにおけるオフセット前面衝突試験の模様。時速64km/hで運転席側40%の車両前面をバリアに衝突させる。正面衝突事故の場合、100%前面同士の衝突ではない事が多いことからこの試験方法が採られる。
JNCAP優秀賞を受賞した「スバル エクシーガ」と開発責任者の富士重工業 スバル商品企画本部 佐々木 啓 主査
JNCAP優秀賞を受賞した「スバル エクシーガ」と、エクシーガ開発責任者の富士重工業 スバル商品企画本部 佐々木 啓 主査
同じくJNCAP優秀賞を受賞した「スバル フォレスター」と開発責任者の富士重工業 スバル商品企画本部 市川 和治 プロジェクトゼネラルマネージャー
同じくJNCAP優秀賞を受賞した「スバル フォレスター」と、フォレスター開発責任者の富士重工業 スバル商品企画本部 市川 和治 プロジェクトゼネラルマネージャー

ヴェルファイア/アルファードのカーテンエアバッグやESC(VSC)の標準装備化を高く評価

JNCAP(自動車アセスメント)の新ロゴマーク

 平成20年度の自動車アセスメント(JNCAP)は、販売実績の多い軽自動車5車種及び小型・普通乗用車10車種(うちワンボックス及びミニバン6車種)の計15車種にメーカーからの委託4車種を加えた全19車種を対象とし、衝突安全性能試験(フルラップ前面衝突試験・オフセット前面衝突試験・側面衝突試験)と歩行者頭部保護性能試験、ブレーキ性能試験からなるアセスメント(評価)を実施している。
 また今回の平成20年度自動車アセスメント(JNCAP)では、側面衝突試験時に新たにサイドカーテンエアバッグの評価を導入した。基準を満たした車両には衝突安全評価に「+」が追加された。今回グランプリを受賞したヴェルファイア/アルファードもその1台だ。
 国土交通省とNASVAは、優秀な成績をあげたばかりではなく、ヴェルファイア/アルファードがサイドカーテンエアバッグ(SCA)や横滑り防止装置(ESC:トヨタではVSCと表記)などの安全装備を標準装備したことも高く評価し、自動車アセスメント(JNCAP)グランプリ受賞につながったとする。

側面衝突試験に使用された試験車両(ダイハツ ムーヴ コンテ)
側面衝突試験に使用した試験車両。時速55km/hで台車を側面から衝突させた。写真の「ダイハツ ムーヴ コンテ」は、5段階中最高ランクのレベル5をマークしている。
フルラップ前面衝突試験を実施した「スズキ ワゴンR」
フルラップ前面衝突試験を実施した「スズキ ワゴンR」。衝撃をフロント部で受け止め、乗員スペースへの影響は少ない。ドアも普通に開くのだからスゴイ。JNCAPでも新型軽自動車の中で最高評価を得ている。
フルラップ前面衝突試験の模様(試験車両は「スバル フォレスター」)
フルラップ前面衝突試験の模様。時速55km/hでコンクリート製バリアに車両前部前面を衝突させる。これは保安基準で定められた法令より1割ほど厳しい速度条件だ。

次は、ESC(横滑り防止装置)やカーテンエアバッグ、衝突被害軽減ブレーキの標準化促進を!

 NASVAが統計データなどを基に分析したところ、仮にサイドカーテンエアバッグが全乗用車に標準装備化された場合、死亡重傷者は5年で789人〜1775人ほど低減するとの予測が出た。また横滑り防止装置ESCが有効と思われる車両単独事故や正面衝突事故も、ESCの標準化でおよそ36%は低減できるとした。さらに、近年高級車から徐々に普及が広がる衝突被害軽減ブレーキ(DMB)についても同様のことが言え、一説ではDMBの標準化で大型車事故の9割が避けられる、と説明する。
 JNCAPの衝突安全試験が行われたここ10年余りで、日本の乗用車の安全性能は一気に高まった。それと比例するように、交通事故による死亡者数は激減している。まだまだ普及率の低いESCなどの新しい安全装備が、早急に全乗用車・商用車へ標準化されることで、更なる事故数の低下が見込まれるだろう。
 平成21年度のJNCAPでは、新たに後部衝突時の頚部保護(むちうち防止)性能や、後席シートベルト使用性評価などが試験項目に加わった。今後は、軽自動車や商用車など含め各自動車メーカーにESCの標準化を促す、より厳しい試験内容や評価体制の充実にも期待したいところだ。

( Photo:JNCAP・CORISM編集部/レポート:CORISM編集部 徳田 透 )

『自動車アセスメント(JNCAP)』結果の詳しい情報はコチラもチェック!

誰もが気になる「安全」の話題はコチラもチェック!

【後席シートベルト 義務化】「罰せられる」からじゃない!後席シートベルトは着けないと危険なんです!

【達人ISM】  written by 徳田 透 (2008.06.07)

この6月1日から、いよいよ後席シートベルトの着用が義務化された。着用を怠った場合、罰則を受けることもある。しかし!罰則があるから着けるんじゃないんです。危ないから着けるんですよ!というオハナシ。 >> 記事全文を読む


『後席に乗っても絶対シートベルト!』 JAF公開衝突実験で後席シートベルトの効果を見せつけられる!

【特集】  written by 徳田 透 (2007.04.19)

皆さんは、シートベルトをしているだろうか。「当たり前じゃん」って言っているあなた。後席だとどうだろうか。「え、後席はしなくてもいいんでしょ??」そう思っているヒトは、今日からすぐに改めて欲しい! 「JAFユーザーテスト」実車実験で判った、衝撃の事実から目をそらすな! >> 記事全文を読む


【後席シートベルト】車外放出=即死!? 再確認!! 後席シートベルトの安全性

【達人ISM】  written by こもだ きよし (2007.05.26)

ダミー人形を使った衝突実験をテレビなどで目にしたことはないだろうか? 自分自身も実際に見学に行ったことがあるが、正しくシートベルトをしていなかったために、身を危険に晒してしまうケースが多いのだ! >> 記事全文を読む


【巨人・原監督も納得!】『後席に乗ったら、絶対シートベルト!』 原 辰徳・巨人軍監督が、後席シートベルトの重要性を呼びかける!

【特集】 (2007.05.28)

JAFと警察庁の調べによれば、運転席のシートベルト着用率は93.8%。それに対し、後席の装着率はわずか7.5%だという。この深刻な事態に、読売巨人軍「原 辰徳」監督が立ち上がった!! >> 記事全文を読む


自動車アセスメント(JNCAP)グランプリ受賞の「トヨタ ヴェルファイア/アルファード」の話題はコチラ

【トヨタ アルファード/ヴェルファイア 試乗記】LLクラスミニバンの頂点にふさわしい装備と存在感を実現! トヨタ アルファード/ヴェルファイアは走りもラグジュアリー

【新車情報】  written by 松下 宏 (2008.06.03)

トヨタのフラッグシップミニバンであるアルファードが待望のフルモデルチェンジ。姉妹車のヴェルファイアは若いユーザー向けのエクステリアが最大の特徴だ。 >> 記事全文を読む


【新型アルファード/ヴェルファイア試乗記】不満もないけど、大満足でもない? 達人国沢、新型アルファード/ヴェルファイアに悩む??

【新車情報】  written by 国沢光宏 (2008.05.31)

ミニバンファン以外からも高い注目を集めている新型アルファード&ヴェルファイア、その実力を達人国沢が辛口評価! >> 記事全文を読む


'09冬-春更新【最新版!トヨタ 新型 アルファード/ヴェルファイア 新車購入&新車値引きガイド・INDEX】

【CHECK&TRY】  written by CORISM編集部 (2009.02.12)

ヴェルファイア/アルファードの新車購入を狙っているなら、欲しい情報はココにあり!!オススメのグレード紹介から、ライバル車比較、そして最新の値引き情報まで! アルファード/ヴェルファイアを狙っているなら今すぐ読むべし! >> 記事全文を読む


自動車アセスメント優秀賞受賞の「スバル エクシーガ/フォレスター」の話題はコチラから

【スバル エクシーガ 試乗記】スバリスト待望の本格派ミニバン登場! 新型スバル エクシーガは快適な居住性とスバルらしい走りを両立した

【新車情報】  written by 松下 宏 (2008.07.16)

スバル初のオリジナルミニバンであるエクシーガ。3列シート7シーターならではの居住性とスバルらしいダイナミックな走りの両立が最大の特徴だ。 >> 記事全文を読む


【最新版!スバル エクシーガ 新車購入&新車値引きガイド・INDEX】

【CHECK&TRY】  written by CORISM編集部 (2008.09.06)

エクシーガの新車購入を狙っているなら、欲しい情報はココにあり!!オススメのグレード紹介から、ライバル車比較、そして最新の値引き情報まで!エクシーガを狙っているなら読むべし! >> 記事全文を読む


【スバル フォレスター 試乗記】スマートなデザインで大きくイメチェン! 新型 スバル フォレスターは走りの質もSUVトップレベル!

【新車情報】  written by 松下 宏 (2008.01.26)

新型 スバルフォレスターは全高が大きくアップし、SUVらしいパッケージングを手に入れた。走りの質もシンメトリカルAWDレイアウトのおかげで、SUVのなかでもトップレベルの質感だ。 >> 記事全文を読む


【スバル フォレスター試乗記】ATとショックアブソーバーが隠し味? 新型フォレスターの極上な乗り心地に感激!!

【新車情報】  written by 国沢光宏 (2008.01.19)

旧来からのスバリストはもちろん、他銘柄からの買い替えも期待できる魅力を持つ新型スバル フォレスター。今回はその魅力を際立てるた機能部分を詳しくご紹介! >> 記事全文を読む


【スバル フォレスター 対 日産 エクストレイル 徹底比較】スバルフォレスター vs 日産 エクストレイル ザ・対決 比較試乗

【特集】  written by CORISM編集部 (2008.03.20)

ハイパワーなミニバンの陰に隠れているからか、ヒットしている実感はないものの、意外に車種も豊富なSUV。なかでも日本の道路事情にピッタリなミディアムクラスの中からスバルのフォレスターと日産エクストレイルを対決させた。 >> 記事全文を読む