12/5、ホンダ青山本社ホールで緊急記者会見を行う本田技研工業 福井 威夫 代表取締役社長

12/5、ホンダ青山本社ホールで緊急記者会見を行う本田技研工業 福井 威夫 代表取締役社長

時代の転換期を乗り越えるための苦渋の選択

 ホンダは12月5日、東京都港区のホンダ本社で会見を行い、将来への投資も含め、さらに経営資源の効率的な再配分が必要との認識から、F1レース活動からの撤退を発表した。なお、今後のHonda Racing F1 Team、英国でエンジンの供給を行ってきたHonda Racing Development Ltd.については、チーム売却の可能性も含め協議にはいるという。

 記者会見には本田技研工業の福井 威夫 代表取締役社長とモータースポーツ担当の大島 裕志 常務執行役員が出席。会場一杯に埋め尽くした記者たちの質疑応答に応じた。
 F1参戦はホンダの文化ともいえるもので、撤退が社内外に及ぼす影響は計り知れないのでは、との厳しい質問に福井社長は「(苦渋の選択に迫られるほど)それほどまでに自動車産業は厳しい状況だと認識している。」と話した。またホンダに限らず世界中のマーケットがこの11月に入ってから加速度的に減速していると指摘。9月までの状況ではこのような決断はなかったとし、まさにこの会見の直前に決断がなされたと話す。詳細は明らかに出来ないとしながらも、現在ホンダ社内で全てのビジネス計画の見直しを考えている最中だとも明かした。
 折りしも自動車産業が始まって100年余り。今がまさに新しい時代への転換期であり、新たな価値観を生み出す大事な変わり目であると福井社長は話す。F1に携わってきたホンダ栃木研究所のF1担当エンジニア(350〜400名ほどいるという)やF1の開発費などの経営リソースも、エコカーや新素材を使った設計といった新たな時代に適合した商品開発に回す。
 なお09年秋に開催されるF1日本GPは、当初の予定通り三重県の鈴鹿サーキットで行われるという。

12/5、ホンダ青山本社ホールで緊急記者会見を行う本田技研工業 福井 威夫 代表取締役社長

*福井社長のコメント*
「最高峰のレースへの挑戦は、思いのほか厳しい道のりでしたが、多くの応援を頂き、2006年に貴重な1勝をあげることができました。頂いたご声援に十分お応えすることなく撤退の決定をすることは大変困難をともなう決断でした。
今後は、この激動の時代を生き抜き、レースで培ったチャレンジング・スピリットをもって、様々な新たな課題に引き続き挑戦し続けてまいります。
これまで、ご声援をくださった多くのファンの皆様、そして活動を支えてくださったF1界の皆様に対し、心よりお礼申し上げます。
ありがとうございました。」(プレスリリースより一部抜粋)

ホンダ・レーシング・F1チーム 2008年日本GP直前会見

画像は2008年「日本GP」直前会見を行なった際のホンダ・レーシング・F1チームメンバー
ホンダ・レーシング・F1チーム RA108

 

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