次期「マキシマ」、「キャッシュカイ+2」展示も
日産自動車がポルトガルのリスボン郊外で『日産360』と題するイベントを開催した。これは世界中(360)で生産・販売されている日産車を一堂に集め、一気に試乗してもらおうというイベントだ。このイベント4年前にアメリカの西海岸をベースに開催されたことがあり、今回が2回目となる。
日本からもたくさんのモデルが持ち込まれていて、右ハンドルの軽自動車でポルトガルの道を走ることも可能だったが、今回は日本では乗れないクルマを中心に試乗した。
あまりにもたくさんのクルマが用意されていたのですべてにじっくり乗ることはできず、乗ったクルマもチョイ乗りといった感じだったりしたのだが、ふだんは乗れない日産車にいろいろと乗れたので、大いに楽しめるイベントだった。
試乗はできなかったが、アメリカ市場で近く発売される次期マキシマや、この秋にヨーロッパ市場に導入される予定のキャッシュカイ+2が展示されていたりした。
また一般道での試乗のほかに、エストリルのサーキットではGT-Rなどのパフォーマンスカーの試乗が設定されていたほか、特設オフロードコースで4WD車の試乗なども可能だった。
ムラーノ
日本市場へはこの秋に導入される予定の次期ムラーノは、アメリカではすでに発売されているためポルトガルに持ち込まれていた。現行ムラーノは発売当初に良く売れただけで後は鳴かず飛ばずといった感じになったが、今回のモデルはデザイン的にも洗練された印象があり、従来のモデルより売れそう。インテリア回りも雰囲気もラグジュアリーなものになっているが、このあたりは日本仕様も同じになるのかどうかは微妙。
試乗車は3.5Lエンジンの搭載車で、基本的に現行モデルと同じエンジンを搭載する。ただ、パワーは170kWから198kWへの大幅に向上(トルクはほぼ同じ)しており、現行モデルに比べると走りの余裕が増している。
実際に走らせた印象は、乗り心地がかなり良くなった印象。現行モデルはいかにもSUV的な乗り味だったが、次期モデルは乗用車的な乗り味になっている。このあたりも日本仕様車がどうなるか微妙な部分だが、大きな違いはないと思われる。
アルティマ・ハイブリッド
日本では絶対に乗ることのできない日産のハイブリッド車。といっても電気モーターやバッテリー、制御系などのハイブリッドシステムそのものはトヨタから購入している。システムはプリウス用のTHS-�というか、アメリカでカムリ用に搭載しているのと同じものになるようだ。日産の直列4気筒の2.5Lエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせて搭載している。
4年前にカリフォルニアで試作車段階のモデルに試乗したときには、かなり荒々しい感じの動力性能を持っていて、トヨタと日産では同じシステムを使ってもこれほど違う味になるのかと思ったが、今回試乗した市販車はそれに比べるとおとなしめの印象だった。
静かでスムーズな走りはいかにもハイブリッド車らしいもので、走りの滑らかさは上々のレベル。アメリカ2006年秋に発売されており、カムリやアコードと販売を競っているモデルだ。
アルティマ・クーペ
クーペタイプのパーソナルカーが大きなマーケット持つアメリカやその他の海外市場向けに販売されているのがアルティマ・クーペ。日本ではクーペタイプのクルマの市場がほとんど消滅してしまったのでこのクルマも輸入される見込みはないが、乗ってみるとなかなか楽しいFFベースのクーペだった。
搭載エンジンはV型6気筒の3.5Lで、6速MT仕様とエクストロニックCVT仕様が用意されていたので、その両方に試乗してみた。郊外の空いた道路を走るには絶好のモデルともいえるのがアルティマ・クーペで、FF車らしい軽快感のある走りが可能。
アメリカではトヨタのソラーラなどと競合するモデルだが、アルティマ・クーペはエンジンの排気量と動力性能で上回っているため高い人気を集めているという。CVTで乗るのも良いが、6速MTで走らせるのも楽しいクルマだった。