マツダ アテンザ
先代は欧州各国で数々の賞を獲得
2代目はさらに満を持しての登場
マツダのアテンザといえば、他の日本車とは一線を画したヨーロピアンテイストが自慢のモデルだ。実際に、初代たる先代は数々の賞を受賞しているほど、評価は高い。そのマツダのアテンザが2代目へとスイッチ。マツダとしても従来のZOOM-ZOOMコンセプトをさらに昇華させた「サステイナブルZOOM-ZOOM宣言」に基づいて開発しており、世界戦略中核を担う重要なモデルと位置づけとしているほど。しかもコンセプトは「最高の高速ツアラー」と言うだけに、マツダらしいというだけでなく、いかにヨーロッパを意識しているかがわかろうというものだ。大いに期待できる。 用意されたボディタイプは、先代アテンザ通り、ハッチバック(スポーツ)/セダン/ワゴン(スポーツワゴン)と、今の日本車では珍しい幅広いラインナップが自慢。今回、対決に登場させたのはセダンなのだが、そもそものデザインコンセプトが、日本古来の和のテイストを取り入れたというだけに、エッヂの効いたデザインやラインを全面に出しているのが特徴となる。各部の質感もかなり高く、アテンザらしさをしっかりと確保しているだけでなく、やはりどことなくヨーロッパ車的なテイストも感じられる。走りについても熟成を重ねており、2リッターに加えて、先代アテンザにあった2.3リッターの代わりとして、新開発となる2.5リッターユニットも用意されている。組み合わされるミッションは、5速AT(4WDは6速)と、6速MTとなる。最近ではATのみのラインアップも少なくないなか、MTモデルを用意するというのはスポーツマインドを重視するマツダならではの特徴といえるだろう。
[エコ&燃費] 2.5リッターエンジンは排気量アップ&レギュラー仕様化にも関わらず、2.3リッターと変わらない燃費を実現。実質の燃費アップといっていいだろう。高張力鋼板の多用による軽量化も功を奏している。さらに排ガス基準も従来と同等で「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」(FF)としている。
[安全性能] 高張力鋼板使用などによるボディ剛性を大幅に高めているのは衝突安全性向上にも威力を発揮。フロントシートはマツダ初となるアクティブヘッドレストが装着される。ディバイス的には、TCS(トラクションコントロール)とDSC(横滑り防止機構)を2.5リッターに標準装備されるが、全グレードとして欲しかったところ。また車間距離を保つマツダレーダークルーズコントロールシステムや国内初採用となるリアビークルモニタリングシステムなどは2.5リッターFF/ATにオプション設定される。
[取材時実測燃費] 9.7km/l
[アテンザ価格帯] 207.0〜250.0万円 |
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フォルクスワーゲン ジェッタ
ゴルフをベースにしてセダン化
広大なラゲッジが最大の魅力
初代ジェッタといえば、ゴルフをベースにしたノッチバックセダンとして人気を博したモデルだ。デザイン的にはいかにも「2ボックスのゴルフにトランク付けて3ボックス化しました感」が漂い過ぎてデザイン性のかけらもなかったといってもいいほど。使い勝手のみの質実剛健ぶりが際立っていた。その後、ベント/ボーラなどと車名を変えて存続していたが、2006年に登場した新型から再度ジェッタを名乗るようになり、復活を遂げた。肝心のデザインもゴルフをモチーフとしながらも、フロントからすべて専用とし、クーペのような流れるラインを全面に出すことで、昔のような無骨さは消え、エレガントさすら感じられるほど。 インテリアもウッドやレザーを使ったりと、質感や高級感を確実かつ、大幅に高めており、この点も進化のひとつに数えていいだろう。もちろんベースとなっているのはゴルフであり、トランクを追加するという手法は変わっていないことから、キャビンも含めたパッケージングはじつに広大。ラゲッジは527リッターもの容量を誇り、ゴルフバッグを4つも積める実力を持っている。走りに関してはもちろんフォルクスワーゲンの最近の傾向を受けて、2リッターTSI/6速DSGに加えて、1.4リッターTSI/6速DSGの組み合わせも用意。前者はターボのみで、後者はすでにお馴染みとなったスーパーチャージャーとターボのツイン過給を行なうことで、小排気量ながらハイパワーを引き出すことに成功している。まさに鉄壁の布陣といってよく、欧州車ならではの高いレベルでツアラー性能を確保しているのはさすがだ。
[エコ&燃費] 1.4リッターTSIは14.0km/Lと170psというハイスペックと省燃費を両立させており、評価は高い。実用燃費もいいのが特徴だ。ただし排ガスに関しては、日本の基準をクリアしているとしているのみで、星などの表示はなく、グリーン税制の適応などはされない。
[安全性能] 横滑りを防止するESPにステアリング系を制御するDSRを加えることで、左右輪のコンディションが違う路面でも安定性を確保する。またエアバッグに関しては、8つも標準装備。サイドエアバッグだけでなく、カーテンエアバッグも装備しており、かなり充実しているといっていい。だが、これらの安全装備の充実度を考えれば、アテンザとの価格差もそれほど気にならないレベルといえる。どちらを選ぶかを検討する際には、このあたりのこともしっかりと考慮した方がいい。
[取材時実測燃費] 11.2km/l
[ジェッタ価格帯] 293.0〜362.0万円 |