イグニッションキーも大切なパーツです。しっかり磨きましょう!

 クルマのドアを開け、エンジンを始動させるのに必要なイグニッションキー。最近では、差し込んで回すというロジックから、持ち込んでスタートボタンをプッシュ!といったものも増えてきましたが、やはり主流はキー方式です。
 ところで、このイグニッションキーって意外と粗末に扱っていませんか?クルマはピカピカでも、キーは無造作に放り投げているといったケースを見かけます。
 
 また、最近はキー側と車両側に同一のIDが与えられ、それが照合しないとエンジンを始動できない「イモビライザー」が搭載されております。しかし、キーの金属部分が腐食や汚れなどの原因でエンジンが始動できなかったといったトラブルも耳にします。これらの場合、金属部分を磨いてあげる事で、データーが正しく伝達され、電気的な始動トラブルも解消できます。

 これは余談ですが、一昔前、合コンの席で、男性がさりげなく置いたクルマのキーを見た女性がその車種から、お金持ちが否かを判断したなんて話もありましたよね・・・。
 まあ、そんな事はさておき、エンジンに火を入れるための導火線の役割を果たすイグニッションキー。大切なパーツだからこそピカピカに磨いてあげようじゃあーりませんか!

磨きに必要なグッズはこれだ!

イグニッションキーの磨きに使用するグッズ

 私の経験上、イグニッションキーもピカピカという方はあまり見かけた事がありません。ということは、皆さんある程度の磨きが必要という事で、イグニッションキーを新品のように磨き上げるグッズをそろえてみました。
 ケミカルでは、金属用クリーナー、硬化系樹脂コート剤、そして、綿棒に爪楊枝、しつこい腐食などがある場合は、極細の♯1500〜♯2000番台のサンドペーパーを用意します。

Step� 爪楊枝でキーの隙間の汚れを掻きだす

キーの隙間には汚れが詰まっている

 イグニッションキーの鍵山の隙間には、想像以上に汚れが堆積しています。これらの汚れは、隙間に入り込んでいる為、布で擦った程度では取り除く事が出来ません。そこで、登場するのが、どこの家庭にもある爪楊枝です。鍵山の隙間に沿って爪楊枝の先端を往復させますと、何年もの蓄積汚れがごっそり取れます。
 この作業だけでも、キー側の電気接点が復活し、イモビライザーと車両側のID照合が正常に行われ、エンジン始動が可能になったという事例もあります。

Step � 金属用クリーナー&綿棒で徹底研磨

細部までじっくり磨こう

Step � しつこいサビなどは、極細の♯1500〜♯2000番台のサンドペーパーで軽く磨く

サビにはサンドペーパーが効果的

 次に綿棒にチューブ状の金属用クリーナーを少量付け、やや力を入れながら、光沢が出るまで磨きます。(綿棒先端が黒くなってきますが、金属を研磨した場合は黒い研磨粉が出ますので、心配はいりません。)
 通常、これだけで金属部分は見違えるほどキレイになりますが、腐食など根が深い場合は、極細の♯1500〜♯2000番台のサンドペーパーを親指程度にカットして、腐食部分だけを軽く擦り、仕上げにもう一度、金属用クリーナーで磨けば、新品のような質感がよみがえります。

Step� 手の触れる樹脂部分は硬化系の樹脂保護剤を塗布

硬化系樹脂保護剤はしばらく乾燥させる

 金属部分は新品のような鈍い光沢が戻りましたが、直接手が触れる樹脂部分は、手垢などで汚れたり、色あせたりしているケースがほとんどです。
 通常このような樹脂部分は、タイヤ、ダッシュボードなどの光沢出しでお馴染みの水性シリコンクリーナーを使用しますが、直接手で触れる部分だけに、これらのクリーナーでは、手がべとつく他、すぐに皮膜が剥がれてしまいます。
 
 そこで、樹脂表面の凹凸に浸透密着し、透明で強固なガラス状の皮膜を形成する事で、最大12ヶ月もの効果を発揮する硬化系樹脂保護剤を使用します。ここでは、ソフト99の「ナノ・ハード」を使用しました。実勢価格1000円前後でカー用品店にて入手可能です。
 使用方法はいたってカンタン。毛羽立ちの少ないネル地に2.3滴程度の溶剤をつけ、樹脂部分に均等に伸ばしていきます。まるでクリア塗装を塗布しているような感覚とでも言いましょうか?非常に厚みのある皮膜が形成されていきます。約5分ほど乾燥させてから、柔らかいネル地でムラのないように拭き取れば完了です。(塗布後24時間は手で触れないようにしてください。)

クリーニング前

樹脂は色あせ、キーはくすんでいる

クリーニング後

樹脂、キーともに新品のよう

 さて、クリーニング前、後ではご覧のとおり効果歴然です。クリーニング後の樹脂部分は写真では、べたついているように見えますが、皮膜が完全に硬化しているため触っても、サラサラしており成分が手に付着する事はありません。試しに擦ったり、爪を立てたりしてみましたが、皮膜はビクともしません。まさにクリア塗装のようです。金属部分も鈍い新品のような光沢を放っております。

 普段は意外と粗末に扱っている愛車のイグニッションキーがここまでキレイになると、なんか納車時の感動が頭を過ぎってきました。
 寒風吹きすさむこの季節、イグニッションキーなら、オコタでぬくぬく作業ができますよ!是非お試しあれ!

written by 外川 信太郎