現行モデルの登場は2003年9月。すでに4年を経過し2008年にはフルモデルチェンジを予定している。しかし、ハイト系軽自動車という新ジャンルを確立したワゴンRは、いまだに軽自動車市場でトップクラスの販売台数を誇る。現行モデルでは、標準仕様とスポーティ仕様のRR、さらにメッキグリルやエアロパーツなどを装着するスティングレーという3タイプをラインアップ。エンジンはターボとNAの2種類を用意する。ミッションは、4速ATと5速MT。老舗モデルならではのきめ細かい配慮が施された装備など、今でも色褪せない魅力を持ったクルマだ。
ハイト系軽自動車のパイオニアであるワゴンRも、後発のムーヴが新設計シャーシや新開発エンジンを採用しているため、クルマの魅力としてはかなり拮抗している。さらに軽自動車メーカーであるスズキにとって、価格と装備のバランスには一日の長があるが、質感といった目に見えない部分ではダイハツが少しリードしている。ただし、スイフトを発売するなど普通車作りのノウハウも蓄積しているので、次期モデルではアッと驚くような仕上がりが期待できる。現段階では、ライフやeKワゴンがライバルとなるが、この2車に関してはパッケージングや装備など、やはりワゴンRの軽自動車としての作り込みの上手さは光っている。とくにRRやスティングレーのようにエアロパーツを装着するなどユーザーが欲しいアイテムを標準化しているところは、さすがに軽自動車作りのツボを押さえているといえるだろう。
軽自動車らしい価格設定がされているのは、約111万円の標準仕様であるFC。しかしNAエンジンのため、近距離なら問題ないがファーストーカーとして様々なシーンを走ることを想定すると、やはりターボモデルが欲しいところ。ミッションも残念ながらワゴンRにはCVTの設定はなく4速ATのみだけに、トルクフルなエンジンが必要だ。そうなると、選択肢は2つ。スポーティ系のRRか少し派手目のフォルムをもつスティングレー。いずれも150万円弱となっている。確かにコンパクトカーも選択肢に入る価格帯だが、イモビライザー(車両盗難防止装置)やフルオートエアコンなど、コンパクトカーでもかなり上級グレードに装着されるアイテムが満載。本革ステアリングやハイクオリティ・オーディオも標準化されているほど。ただし、08年にはモデルチェンジを予定してることも考慮した購入を考えてほしい。