レクサスIS−F エクステリア

エンジン、ATは文句なし、たいていのクルマには負けません!

レクサスIS−F エンジンルーム

 まず驚いたのが排気音! アイドリング状態でこそ静粛性抜群ながら、ブリッピング(ニュートラルでエンジンを吹かす操作)してみたら、「ヴォオン!」というV8エンジン特有のビートを伴った歯切れ良く低い音を響かせる。あまりの気持ちよさに思わず何回もブリッピングしちゃいました。いかんいかん。

 今回は富士スピードウェイを使っての試乗ということで、当然ながら8速ATのモードを『M』とする。このモード、シフトチェンジに0.1秒しか掛からないそうな。レーシングドライバーがマニュアルミッション仕様でシフトアップするより早いのだから凄い。ちなみに『D』レンジをセレクトすると、普通のATとなります。
 

 2千回転くらいでシフトアップし、コースイン。1コーナーをクリアし、高回転まで引っ張ってみた! するとどうよ! 速いじゃありませんか! さすが423馬力はダテじゃない! 1690kgという決して軽くない車重ながら、背中から巨人に押されるようなイメージで加速。2速はあっと言う間に吹けきって3速へ。3速もタコメーター見るヒマ無し。

 変速に掛かる時間は誇張無しで少ない。ブリッパーを操作すると、あえて残した小気味よい「コツン!」という変速ショックを伴いシフトアップする。一般的なトルコンATの場合、ボヤけたシフトフィールになってしまう。これ、滑らかかもしれないけれど、全く面白くない。IS−Fを開発する際、滑らかなセッティングも試してみたというが、やっぱり面白くなかったと言う。

 4速に入り、やっとタコメーターの針の動きは普通のスポーツモデルの2速くらいになる。180kmの速度リミッターを付けないとすれば、軽く280kmを超える最高速に達する実力の持ち主だけに、200kmなんか単なる通過点。180kmのリミッターが稼働する時点での加速感は、普通のクルマが100kmを超える時と同等です。

レクサスIS−F 8速AT
LS460用をベースにシフトチェンジのスピードをを大幅に早めた8速AT、シフトダウン時のブリッピング機能も付く
レクサスIS−F インテリア
写真のセンターパネルはオプションの「シルバリースターリングファイバー仕様、タコメーターは9000回転まで刻まれる
レクサスIS−F シート
IS−F専用となるスポーツシート、リアシートは2人がけのセパレート仕様となっている、インテリアカラーはブラックも設定される
レクサスIS−F エクステリア
新色のエクシードブルーメタリックがよく似合っているエクステリア、一体感あるリアスポイラーも付く
レクサスIS−F エクステリア
凄みを感じさせる4連エキゾーストディフューザー、サウンドもノーマルとは思えない迫力
レクサスIS−F 19インチホイール
IS−Fの足元を支える19インチホイール(BBS製)、ブレーキキャリパーはブレンボ製の6ポットとなる

VDIMのセッティグもドンピシャ、トヨタ車らしからぬ楽しさ

 強烈な動力性能と同じくくらいハンドリングも良好。ステアリングを切る量に対し、とても素直な反応を示す。高速域での安定性は見事(今回は雨のサーキットだったため最終評価ではない)。機会あったら一般道での乗り味を試してみたい。上質なら文句ありません。

 コーナーを攻めれば当然ながら限界を超え、横滑りしてしまう。ここで『VDIM』なる姿勢制御装置が介入してくるのだけれど、なかなか微妙な味付け。一般的な姿勢制御装置、少しでも横滑りを感知すると即座に稼働するものの、このクルマはけっこうドライバーのウデを信用している。

 多少の滑りを容認するから面白い。軽いカウンターステア当てるくらいまで、姿勢制御をガマンしてくれるのだ。最後の段階で「もう危ないですよ」と姿勢を戻してくれるイメージ。今回の試乗会のように雨というコンディションだと、多少ウデに自信のあるドライバーでも有り難い。
 

レクサスIS−F 走り
レクサスIS−F 走り
レクサスIS−F 走り

GT−Rの良きライバルとなるか?

 BMWのM3と真正面から勝負すべく開発されたIS−Fの価格は766万円。日本人にとっちゃM3より777万円の日産GT−Rが気になると思う。近々、GT−Rとの比較試乗もレポートしましょう!