イタリアの恋人、”ヌォーバ”500
愛らしいスタイリングで世にも有名なイタリアの国民車チンクェチェントは、フィアット500という車名としては2代目で、1957年の7月4日にデビューした。ヒンジドアの初期モデルは、だから“ヌォーバ(新しい)500”と呼ばれていた。
“第2世代”は77年に生産が終了するまで、実に400万台以上のセールスを記録。今なお熱心なマニアが多く、日本にも多数存在している。
そんな2代目誕生からちょうど50年たった07年の7月4日。ついに新型フィアット500が街へと飛び出した。特徴的な顔立ちに丸っこいプロポーション、張りのあるサイドシルエットなど、見た目の印象は正に愛くるしいチンクェチェントそのもの。見る人に思わず笑顔の花を咲かせる。ただし、ボディサイズは古のチンクェチェントよりふた回りもみ回りも大きい。その分、現代のデイリーユースに耐えうる快適性と安全性を備えるであろうことは容易に想像できる。
豊富な選択肢で自分だけのチンクェチェントを
新しい500の一番の魅力もまた、間違いなくそのレトロモダンなスタイリングにある。しかも、自分好みに仕立て上げることができるよう、様々なオプションパーツ(どちらかといえば飾り品)が用意されていて、あれこれ想像するだけで愉しい。ヴィンテージな雰囲気の新色6色をはじめボディカラーは全12色。これに、ポップでセンスのいいボディステッカー(イタリアンストライプなど全19種類)、クロムメッキのボディ装飾パーツ(ボンネット上のトリムやミラーカバーなど)、9スタイルのホイール、15タイプのインテリア、などで、正に自分仕様のチンクェチェントが出来上がるという寸法。ノーマルルーフに加えて、固定式のスカイウィンドウや、開閉式のパノラミックルーフなど、キャンバストップのチンクェチェントを想起させるアイテムも揃えられた。
本国では、3つのグレードにレザーシート仕様、4つのエンジン、2種類のミッションなどが選べることから、そのバリエーション総計は54万9936通りにも及ぶとされる。
ちなみに、本国での価格は、10500〜14500ユーロとされている。パンダを生産するポーランド工場で年間12万台が生産される予定だ。