パワフルでなめらかな走りを可能にする6速AT
搭載される3.2Lの直列6気筒エンジンは、これを横置きにすることからボルボ製のエンジンであることがすぐに想像がつく。S80などに搭載されているのと同じエンジンだが、フリーランダー2に合わせて改良を加えるため、ランドローバーのスタッフも開発に加わったという。横置きに搭載することで、クラッシャブルゾーンを確保しやすくなり、安全性が高まるのが有利な点だ。
171kW/317N・mのパワー&トルクは1900kgに達するフリーランダー2のボディに対しても余裕があるもの。6速ATとの組み合わせによって滑らかな加速を実現し、停止状態から発進していくときなど、十分に力強い加速フィールを感じさせる。高速クルージングに入ると時速100kmで1600回転くらいだから、実に静かな走りになる。ボディ剛性が強化されたことで、オンロードでの乗り心地が向上しているのも大きなポイントだ。
最新の電子デバイスによる安心感の高い走り
ディスカバリーから採用が始まったテレイン・レスポンスは、レンジローバーに次いでフリーランダー2にも採用された。路面状態に応じてダイヤル式のスイッチを操作するだけで、雪道、泥濘路、砂地、草地、轍路などに応じた最適の走りが得られるもの。簡単な操作で分かりやすいのが良い。
フリーランダーは副変速機を持たない4WDだったこともあり、初代モデルではヒル・デセント・コントロールと呼ぶ急坂を安定して下ることのできる機構が採用されていたが、今回のモデルではこれにコントロール、ヒルデセントコントロール、グラディエント・リリース・コントロールと呼ぶ機構が追加された。これは坂を下り始めるときにブレーキを深く踏んで停止すると、その状態を保持した上で徐々にブレーキ圧が解除されるもの。今回は富士が嶺オフロードでの試乗も試したが、ますます安心して急坂を下ることができるようになった。
●お勧めグレード
フリーランダー2のグレード構成はS、SE、HSEの3グレード。搭載やトランスミッションなど、基本メカニズムの部分は共通で、装備の違いによってグレードが設定されている。予算と好みに応じて選べば良いが、ベースグレードのSだとDVDナビが装備されななど、プレミアムSUVらしい装備ではなくなる。なので390万円のSに対して70万円高い460万円になるが、SEを選んだほうが良さそう。左右独立調整式のオートエアコンやパワーシートなども装備されている。