日産は、ドイツベルリンにて開催されている「2007年世界女性サミット」に、同社ダイバーシティ ディベロップメント オフィス室長吉丸由紀子氏が参加したと発表した。

 同サミットのパネルディスカッション「仕事と家庭の課題についてのリーダーの考え」で、吉丸氏は日産におけるダイバーシティ推進に向けた取り組みについて講演を行った。吉丸氏は、「日産は、ダイバーシティを競争優位のひとつとして活用していくことができると確信しており、企業の成長と発展に大きく貢献するものであると考えている。日産は、経営陣をはじめ全社一丸となって誠実かつ計画的にダイバーシティ推進に取り組んでいる」と話した。さらに、日本の自動車産業における女性管理職の比率は、約0.8%と他産業と比較して低水準である状況に関して、「こうした現状を改善していくためには、職場における考え方・アクションを変えていかなければならない。そのためにはダイバーシティが組織全体にどのような価値を加えていくことができているのか、目に見えるかたちで示す必要がある」と意見を述べた。

 なお、2007年4月現在、日産の国内における女性管理職の比率は約4%となっている。日産がダイバーシティに向けて国内で既に実施しているイニシアチブは、法制を超える育児休職制度(対象期間:最長で子供が2歳に到達した後の4月末まで)、育児・介護を事由とする勤務時間の短縮と柔軟化(短縮時間数:最大一日3時間)、事業所内託児所、育児・介護を事由とする在宅勤務制度となっている。

 ダイバーシティに向けたこれらのイニシアチブにより、日産では、過去三年間で結婚、出産、育児を理由にした女性従業員退職者は半分に減少、管理職以上のポジションにつく女性の割合は3年以内に1.6%から5%へ3倍に増加する見込み(2005−2007年度)となるなど、女性の雇用状況は大きな進歩を見せているという。