フェラーリ　599〜リセールバリューチェック〜

3年後の“リセールバリュー”を考えて、手放すときに価値が高いクルマを選べば、トータルの購入予算はグンと少なくなる。さらに人気のクルマやワンランク上のクルマも選択肢に入れられるってわけ。“リセールバリュー”を把握してトクするカーライフを送ろう。

フェラーリ 599

フェラーリ 599の魅力とは？

■本文＆コメント／鈴木詳一（ガリバー自動車流通研究所）

　リセールバリューチェックは国産車を中心に、ドイツ車やフランス車など輸入車も一般的に流通している車種を中心に紹介してきたが、「フェラーリとかスーパースポーツ（昔のスーパーカー）はどうなの？」という素朴な疑問を良く聞かれる。

　そこで、今回は夢の車？「フェラーリ」のリセールバリューをチェック。フェラーリといえば、F1で活躍するフィアット傘下のイタリアのスポーツカーブランド。F1ではここ２年ほどチャンピオンから遠ざかっているが、今年2007年は開幕戦でキミ・ライコネン選手が優勝と、幸先の良いスタートを切るなどF1といったらフェラーリ、フェラーリといったらF1と、深い関係がある。

　昨年発表された「フェラーリ599」はＶ型12気筒エンジンをフロントに搭載するFR2シーター・スーパースポーツカー。6000ccのエンジンは620馬力を発生し、最高速度は330km/h以上。0-100km/h加速も3.7秒と異常な速さを誇る。

　また「フェラーリ599」には、前輪と後輪の回転差を常に監視・事前に予測、エンジン出力を調整することによって駆動輪に掛かるトラクションをコントロールし、車両を最適化する「F1 TRAC」が採用された。さらに、磁性粘性流体を採用した電子制御サスペンション「SCMサスペンション」が採用されているなど、F1の技術をふんだんに採り入れて作られている。パワフルなエンジンに見合う走行性能のためのテクノロジーが備わっているのだ。

　その他にも様々なテクノロジーが注入されているが、このフェラーリ599のウリはもうひとつ。デザインがピニンファリーナによるものである。ピニンファリーナとはイタリアの有名なカロッツエリア（自動車のボディデザインや製造を行うこと）で、今までフェラーリやマセラティ・プジョーなど数多くのクルマのデザインを手がけている。そのピニンファリーナがデザインした美しいボディラインは、他のブランドではなかなか真似できないものとなっている。フェラーリ人気の一端はこのデザイン性の高さによるものも大きいといえよう。

グレード	フェラーリ 599
ボディサイズ	4665x1962x1336mm
総排気量	5999cc
最高出力	620ps(456kW)/7600rpm
最大トルク	62kg-m(608N・m)/5600rpm
定員	2人

\30,450,000

リセールバリュー診断

　昨年登場した599のリセールランクはＢランクと予想より低め。要因のひとつがこの599はフロントにエンジンを配置しリアタイヤで駆動するFRであること。やっぱり、F1をはじめスポーツカーといったらドライバーの後ろにエンジンを配置する、ミッドシップレイアウトが理想であろう。

　そしてもうひとつが「こんな高い車、中古車で買うのか？」ということ。２千万円・３千万円クラスになれば購入するのはかなりのお金持ち。そんなユーザーが新車を選ばず、２千万円クラスの中古車を購入するかというと、確かに少ないがおトクな中古車を選択するユーザーもいる。但しそう多くはいないため、人気があるフェラーリでもリセールバリューは少し安くなってしまうのだ。

　昔は四畳半一間にカップヌードルすすりながら愛車はフェラーリなんて噂もあったが、それだけフェラーリというクルマは特別な存在と考えるユーザーが多い。だからこそ高い人気を常に維持し続けいている。