トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』対応 HDDナビゲーションシステム

「G-BOOK mX」は新たな4つのオンデマンドサービスを提供する

 トヨタ自動車は、トヨタ テレマティクスサービス「G-BOOK ALPHA」を一新。「G-BOOK mX(ジーブックエムエックス)」と、「G-BOOK mX 対応 HDDナビゲーションシステム」を発表した。07年5月以降の新型車より順次搭載する予定だという。

 従来のG-BOOKでは、事故や急病を緊急通報する「ヘルプネット」や盗難を知らせ、車両追跡や警備員派遣を行なう「G-Security」といった『安全』『安心』サービスを中心に訴求してきた。
 今回新たに発表された「G-BOOK mX」では、それらに加え、『Drive On Demand』のコンセプトのもと、地図の自動更新を行なう世界初の「マップオンデマンド」を代表とする4つのオンデマンドサービスを柱とした最先端の総合テレマティクスサービスを標榜する。
 
 これより、新しいG-BOOK mXが提案する4つのオンデマンドについて、順に紹介してゆこう。

トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』記者発表 豊田 章男 取締役 副社長
新型G-BOOK『G-BOOK mX』記者発表で会見を行なうトヨタ自動車 豊田 章男 取締役 副社長
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』対応 HDDナビゲーションシステム
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』対応 HDDナビゲーションシステム
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX PRO』専用 車載通信機 DCM
新型G-BOOK『G-BOOK mX PRO』専用 車載通信機 DCM(エアバッグ連動タイプ)

特長その1:地図更新サービス「マップオンデマンド」&「一時停止情報の提供」

 今回の「G-BOOK mX」一番の目玉が、世界初「マップオンデマンド」だろう。
 全国の高速道路・有料道路と、自宅及び目的地周辺の一般道路のナビ地図をネットワークから更新するもので、「G-BOOK mX」では携帯電話を対応ナビに接続し、ワンタッチでデータをダウンロードする。
 いっぽう「G-BOOK mX Pro」では、車載通信機DCM(最高2.4Mbps)により常時地図データを更新されるスグレモノだ。
 その更新頻度は圧倒的で、高速・有料道路に関しては、開通後7日で更新されるというから驚く。もちろん、更新に関する費用はかからない。
 
 いっぽう、事故多発地点とされる一時停止交差点をナビから案内するサービスも始まった。まずは東京23区、横浜市、大阪市、名古屋市からスタートする。なお今夏登場の新型車には、これに加え車載カメラによる路面認識を図り、ドライバーの操作に応じて注意を喚起する機能も搭載されるという。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』
更新対象は、ナビに設定された自宅周辺80km四方と、目的地周辺10km四方、全国の主要道路。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』 地図更新
携帯電話の通信でナビに直接更新地図をダウンロード。さらにDCM搭載車の場合はクルマに乗るたびに自動更新され通信費もかからない。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』
なお、PCサイトから任意の都道府県データを取り込みCD-ROMにコピーし、それをナビに読み込ませることも可能だ。

特長その2:プローブコミュニケーション交通情報

 「プローブコミュニケーション交通情報」は、走行中の「G-BOOK mX」搭載車から速度・位置情報などのデータを収集し、トヨタ独自のリアルタイム渋滞回避ルートを案内するサービス。
 既に他社でも同様のサービスの採用例が見られるが、携帯電話を媒介とする他社のものに比べ、DCMは多くの情報を安定的に送ることが可能で、VICS情報でもカバー出来ない高精度な渋滞予測が可能となると、トヨタでは説明する。

特長その3:MUSIC On Demand 「Bluetoothオーディオ機能」&「G-SOUND カプセル」

 G-BOOK mX対応ナビはBluetooth対応のAV接続機能を有しており、携帯電話やポータブルオーディオのBluetooth接続が出来る。また、従来よりG-BOOK ALPHAで採用されていたBGMパッケージ「G-SOUND カプセル」も引き続き継続。プリインストールされた楽曲が楽しめる。中でもクラシック140曲は無料利用可能だ。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』
左が通常の探索、右が「Gルート探索」により再探索し、より適切なルートを案内する。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』 Bluetoothによるワイヤレス音楽再生
Bluetoothによるワイヤレス音楽再生のイメージ。FM波のアダプターに比べ、ノイズや音の歪みが無くクリアな音質になるという。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』 G-SOUND
従来より搭載の「G-SOUNDカプセル」も継続。再生に必要な暗号キーをダウンロードすればすぐに楽しめるのだ。

特長その4:WEB On Demand「Web2.0時代に相応しいクルマとネットの融合サービス」

 Web2.0時代を迎え、ユーザー参加型コンテンツの情報が猛烈な勢いで広がっている。新型G-BOOK『G-BOOK mX』では、トヨタのWebサービス「Gazoo.com」のブログサービス「G-BLOG」の情報を直接呼び出すことが可能となった。また、パソコンや携帯電話からドライブルートやお気に入りスポットを登録することも可能で、先のBLOGスポット情報と併せ、ルート作成にも活用出来るというからウレシイ。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』  「G-BLOG」
既に12万件ものオススメ情報が掲載される「G-BLOG」のユーザー参加型コンテンツ。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』 Bluetoothでワイヤレス音楽再生
Bluetooth対応携帯電話やミュージックプレーヤーがあれば、ハンズフリー電話やワイヤレス音楽再生などが楽しめる。
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』 対応HDDナビ
トヨタの新型G-BOOK『G-BOOK mX』は、必要なサービスを必要な時に(「Drive On Demand」)をコンセプトに新たに登場する。

 なおこの新サービスは、対応ナビに標準付帯され永年無料で利用できる「G-BOOK mX」と、車載通信機DCM搭載が必要な有償契約サービス「G-BOOK mX Pro」2種が設定。前者は普及版として、コンパクトカーなどの展開を、また後者にはG-BOOK mX標準サービスにセキュリティサービス、オペレーターサービスなどを追加するなど、高級車向けのサービスを想定している。
 
 記者会見の場でトヨタ自動車 豊田 章男 取締役 副社長は、出来るだけ早いうちに100万会員を目指す、とした。
 さらに、これらG-BOOK mXに合わせて開発した車載機や安心・安全サービスの技術を基にして、中国市場へ新たなテレマティクスサービスの展開予定があることを明らかにした。時期や規模については未定とのことだが、早い時期の投入が予想される。

 何より、他社が携帯電話に依存したプローブシステムをベースとしたテレマティックサービスなのに対し、その60倍もの情報収集力を持つという車載通信機「DCM」の差は大きい。常に最新の地図情報をベースに出来る強みを元に、さらなる会員獲得を目指す。

サービス名称
G-BOOK mX
通信方式
携帯電話利用
申込手続き
申込不要
主なサービス内容
マップオンデマンド、G-ルート探索、プローブコミュニケーション交通情報、Bluetoothオーディオ、G-BOOK.comなど
利用料金
永年無料(※通信費はユーザー負担)
サービス名称
G-BOOK mX Pro
通信方式
DCM(CDMA2000 1xEV-DO)利用
申込手続き
申込み必要
主なサービス内容
(G-BOOK mXに加えて)G-Security、エアバッグ連動ヘルプネット、自動車専用ハンズフリー電話など
利用料金
新車初年度無料(翌年以降12,000円/年)※パケット使い放題
トヨタ 新型G-BOOK『G-BOOK mX』対応HDDナビ

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( レポート/写真:CORISM編集部 )