2リッターモデルは余裕ある走りを味わえる
1.8リッターは140ps、2リッターは150ps出力でいずれもこのクラスのエンジンとしてはまずまずの実力。最近では、4バルブとはいえSOHC仕様のエンジンを搭載するのはホンダくらいになってしまったが、動力性能はそれなりの数字を叩き出している。ホンダらしくない設定ともいえるが、燃費なども含めたバランスで考えればあえてDOHCにするまでもないということなのだろう。
実際に走らせた印象は、1.8リッターでは追い越し加速などのレスポンスにやや不満があり、性能的に余裕のある2リッターのほうがクロスロードのボディに見合ったエンジンといえる。トランスミッションはCVTではなく5速ATとの組み合わせ。変速フィールは悪くないが、CVT化が時代の流れでもあると思う。価格設定や実用燃費などとの兼ね合いで5速ATになったのだという。ホンダの5速ATはレバーのボタンを押すと3速にシフトダウンする仕組み。ドライバーが自らの意志で4速を選択することができないのだ。高速走行時に軽いエンジンブレーキが欲しいときのことを考えると、4速も選択できる仕様のほうが良いように思う。。
オンロード重視のやや固めのサスペンション
足回りはオンロード重視のチューニングが施されていて、やや硬めの乗り味ながらSUV的な乗り味ではない。路面に段差があるようなところでは揺れ方が気になることもあり、ちょっと微妙な感じ。揺れ自体は収まるが、揺れている間が不快なこともあった。
首都高を走らせているときに感じたのは風切り音の大きさ。風の強さによる影響もあったが、角張ったボディの弱みとなる部分でもある。
別の試乗時に20度の傾斜がある雪の坂道で発進を試したが、4WD車に標準で装備されるヒルスタートアシストがうまく機能してスムーズに発進できた。これは万能のものではなく、路面の状態によっても効果は変わるが、取り敢えずホンダのデュアルポンプ式の4WDの弱点とされた坂道発進も容易にこなせるようになった
●お勧めグレード
走りのフィールから言っても、VSAが標準で装備される装備の中身などから言っても、クロスロードのお勧め車は断然4WD車だ。そもそもSUVのようなタイプのクルマで2WDを選ぶのはあまり意味がない。クロスロードでは特に積極的に4WD車を選びたい。
しかもクロスロードでは4WD車に割安感がある。VSAとかヒルスタートアシスト機構などを備えてFF車に対して25万円ほど高いだけだから、FF車との比較で言っても4WD車がお勧めである。またエンジンは前述のように2リッターがお勧めなので、イチ推しのグレードは20Xになる。予算に余裕があるなら、最新の安全装備を標準で備えた20Xiを選びたい。