スギ花粉アレルゲンの作用を88%抑制
日産は、天然ブドウ種子ポリフェノールの抗アレルゲン効果によって、花粉症の原因となるアレルゲンの除去効果を大幅に高めた高性能フィルターを新開発したと発表した。今月発売予定のコンパクトカーに搭載される。
通常のフィルターは、塵埃や花粉の粒子除去を主目的としているため、花粉が粒子状態の場合はほぼ除去できるものの、花粉症の原因となる花粉が破裂して飛散したアレルゲンやディーゼル煤塵などの微粒子は充分に除去することができないという。
日産は、ポリフェノールがスギ花粉やダニのアレルゲンを不活性化させる特長を持つことに着目し、繊維に天然のブドウ種子ポリフェノールを染み込ませたフィルターを新開発した。
天然ブドウ種子ポリフェノールは、表面層が立体的であるため、アレルゲン分子を取り込み、数多くの活性点で反応してアレルゲン分子の作用を抑えるとのこと。この特長によって、本フィルターはスギ花粉アレルゲンの作用を88%抑える(カテキン等の単量体ポリフェノールに比較して約5倍の効果)ことが可能になるという。また、天然ブドウ種子ポリフェノールは、一般的なフィルター用抗菌剤に対し1.5倍の抗菌性(1/10,000以下に減少)を持つとのこと。
さらに、このフィルターは、フィルター繊維1本1本に帯電させることで、アレルゲンだけでなく、同等の大きさの微粒子を除去する性能を同時に高めているという。本フィルターを採用したカーエアコンで、内気循環(ファン2速)でエアコンを使用すると、0.5μmの微粒子を約5分で1/10に減らし、15分の連続使用で99.5%の除去が可能とのこと。日産では、このフィルターの採用によって、さらに快適な車室内環境の実現を進めていくとしている。