米ゼネラルモーターズは、11月30日、金融子会社であるGMACの株式のうち51%をサーベラスFIMインベスターズ率いる投資グループに売却する手続きが完了したと発表した。同投資グループには、シティグループの完全子会社やあおぞら銀行、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループが参加している。

 今回のGMAC株売却により、GM、GMAC間の相互利益が保たれ、GMACはコスト効率の高い資金調達が可能になるほか、GMが進める北米事業再建計画やグローバル戦略への取り組み、バランスシートの強化に必要な流動性が充分に確保されることになるとのこと。

 リチャード・ワゴナーGM会長兼CEOは、「今年GMは多くの活動を実践し、大きく進展した1年だった。北米事業の再建計画に積極的に取り組んだことで、長期成長と利益確保の見通しもついてきた。GMにとって、GMAC株の売却を無事に完了させることは主要な優先課題であり、GMの業績回復をさらに進めていくうえで重要なステップであった。売却の手続きが完了したことにより、GMACはより低コストの資金調達が可能になり、GMディーラーとの良好な関係を活用した一層の成長機会が期待される。GMACは新たな主要株主を迎えることになるが、GMとGMACはさまざまな長期契約を結んでおり、戦略パートナーとしての位置づけは何ら変わるものではない。GMはGMAC株の49%を保有し、従来通りの綿密な関係を続けていく。今後は、サーベラス率いる投資グループとGMACの主要株主として協調を深め、適切な売却、小売およびリース製品の提供や乗用車・トラックの販売サポートを含め、GM、GMACそして投資グループが一体となって、従来通りの高度なサービスをディーラーに提供できるよう取り組んでいきたい」と語っている。

 今回の株式売却により、GMは総額約140億ドルの現金および配当を3年間にわたって受領することになる。売却にあたって企業内債務の返済とGMACと新規優先株の購入が発生し、140億ドルのうち、投資グループから74億ドルの株式購入代金、GMACと関連会社から保有資産の現金化を含むキャッシュフローに伴い27億ドルの現金配当を受領するとのこと。また、GMACの新規優先株については、GMが14億ドル、投資グループが5億ドルの計19億ドルが投資されるとのこと。