"レクサス IS" ってこんなクルマ
レクサスブランドのエントリーモデルとなるのがISで、ラグジュアリーな雰囲気がいっぱいのSC430やGSに比べると、ISの雰囲気は明らかに違ったものとなる。エントリーモデルといってもISのボディは全幅が1800mm近いワイドボディの3ナンバー車だし、価格的にも上級グレードは500万円に達するのだから並みのクルマではない。
ただ、ISに乗り込んだ瞬間からGSやSCにはない手頃さが感じられ、比較的容易に手の届くクルマという印象を受ける。これがISの良いところだろう。
マイチェンでどう変わった?
今回のマイナーチェンジの変更はGSやSCなどと同様に小幅なものにとどめられた。ボディカラーが一部変更されのはSCなどと同じで、装備や仕様などにも多少の変更が加えられた。トランクリッド&フューエルリッドのオープナーに照明が追加されたのはそのひとつ。従来は夜間だと見つけにかったが、それが改善された。
VDIMやVSCのオフスイッチが設けられたのは今回のレクサス系マイナーチェンジの共通点。雪道などでスタックしたとき、オフスイッチがあると脱出が容易になるためだ。新たにオフスイッチが設定されたが、普段はオンのままにしておくのが良い。
標準車でバージョンS用のシートが選択できるようになったのを始め、バージョンSで本革シートが選択できるようになったり、バージョンLでは18インチタイヤ&スポーツサスペンションが選択できるようになるなど、オプション装備の選択肢が拡大したのも今回のマイナーチェンジの特徴だ。
"IS" の走りは他のモデルとどう違うのか
試乗したのはIS250のバージョンSで、今回のマイナーチェンジから装着が可能になった本革シートをオプション装着したモデルだった。IS250を走らせるとすぐに感じるのは軽快感だ。アクセルワークに素直に反応するクルマの動きや、シャープな切れ味でダイレクト感を感じさせるステアリングのフィールなど、軽快でスポーティな走りはISならではのものといっていい。ほかのレクサスモデルにはないISだけの特徴がここにある。
IS250に搭載されるのはV型6気筒の2.5Lエンジンで、158kW/260N・mの実力。200kWを超えるGS430はもちろんのこと、230kW(300ps)を超えるIS350と比べても動力性能には大きな違いがあるが、実際に走らせてみるとこれで十分という感じの動力性能である。
エンジンの吹き上がりはとても滑らかで軽快そのものといえる感じだし、6速ATとの組み合わせによる加速感や変速フィールなども文句のないものだ。パドルによるシーケンシャルシフトの操作性も上々で、シフトレバーでもパドルでも好きな方を操作しながらマニュアル車ライクの走りを楽しむことができる。
18インチタイヤとスポーツサスペンションを組み合わせたバージョンSということもあって足回りはかなり硬めのチューニングが施されている。今回の試乗ではGSやSCにも乗ったが、いずれも18インチ仕様のモデルばかり。そんな中でIS250の走りはひときわしっかりした乗り味を感じさせた。
|
|
|
"レクサス" してるインテリア
インテリア回りの雰囲気などはレクサス系のモデルとして共通する部分と、ISらしいスポーティさが表現された部分とが同居している。今回の試乗車は本革シートを備えたバージョンSだったので、ラグジュアリーさとスポーティさとが同居した印象だった。
|
|
|
ベストバイはどのグレードだ!?
ISには250と350があり、バージョンLとバージョンSあるいは駆動方式まで分けて考えると8種類のバリエーションが設定されている。このうちお勧めなのは価格面から考えてもIS250のほう。IS350の動力性能は大きな魅力だし、絶対的な加速のほかにVDIMが手に入るのも大きいが、90万円もの価格差があると簡単にIS350を選ぶことはできない。
バージョンLにするかバージョンSにするかは好みの要素も入るが、スポーティな仕様を施したバージョンSがISらしいモデルといえるだろう。
代表グレード
|
IS250 バージョンS
|
---|---|
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高)
|
4575×1795×1430mm
|
車両重量[kg]
|
1580kg
|
総排気量[cc]
|
2499cc
|
最高出力[ps(kw)/rpm]
|
215ps(158kw)/6400rpm
|
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]
|
26.5kg・m(260N・m)/3800rpm
|
ミッション
|
6AT
|
10・15モード燃焼[km/l]
|
11.8km/l
|
定員[人]
|
5人
|
税込価格[万円]
|
405万円
|
発売日
|
2006/07
|
レポート
|
松下 宏
|
写真
|
和田清志
|