チャンピオンシップはどちらが有利?
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2006年のF1GPも12戦を消化し、中盤に差し掛かるまで圧倒的有利が伝えられていたルノーのフェルナンド・アロンソだが、ここ3戦でフェラーリのミハエル・シューマッハが猛追しポイント差は11まで縮まった。ここにきてフェラーリの好材料としてはアメリカGPからブリヂストンタイヤの性能アップが伝えられている。そしてルノーは「マスダンパー」使用禁止措置(現在は調停待ちのため暫定的に使用可能)が安定した速さを保てなくなり、いよいよフェラーリに有利な状況となっている。
勿論アロンソは昨年チャンピオンを獲得したドライバーであり、強さは折り紙付き。最終戦までもつれそうな今年のチャンピオンシップ争いの中で、今後1レースでも落とすことがあると厳しい状況になる。
2戦連続ライコネンがポール奪取!
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第13戦ハンガリーGPの予選は、2戦連続でマクラーレン・メルセデスのキミ・ライコネンが獲得した。タイムアタックの最後の最後で叩き出したポールタイムは、アロンソとミハエルに予選タイム2秒加算のペナルティがあったからともいえる。
アロンソはフリー走行で黄旗追い越し(黄旗区間は追い越し禁止)と他車への威嚇的な走行でペナルティを科せられ予選タイム全てに2秒プラスされることになった。また、ミハエルもフリー走行の赤旗(全区間追い越し禁止)中に他車を追い越し2秒プラスのペナルティとなっている。予選ではミハエルが驚異的なタイムを記録するも、プラス2秒のペナルティにより11番手スタート。アロンソも15番手スタートになるなどチャンピオンシップ争いをするふたりは中団に埋もれてしまった。決勝レースでこの2台がどこまで上がれるか注目が集まる。
115戦目の勝利!
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ハンガリーGPの決勝はあいにくの雨模様でのスタートとなった。スタートはポールポジションから好ダッシュのライコネン。続いて3番手スタートのバリチェロ、デ・ラ・ロサと続き、なんと1周目終了時点で11番手スタートのミハエルが4番手までポジションを上げてきた。また、15番手スタートのアロンソも6番手まで挽回し18週目にはトップに立つ快進撃だ。
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今回は雨のレースということもあり、様々なアクシデントが起こった。上位でも5番手走行中のルノーのフィジケラが18周目にアクシデントによりリタイア。そして25周目には周回遅れをパスしようとしたトップを走るライコネンがリウッツィに追突。マシンは大破しリタイア。その後コースは乾き始め、ドライタイヤを選択するかウェットタイヤを選択するかが大きなポイントとなった。
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そしてレースは終盤に差し掛かり、トップを快走するアロンソがピットイン。タイヤ交換後コースに戻るもリアタイヤのボルトが緩んでスピンを喫しそのままリタイアとなってしまった。更にはブリヂストンのウェットタイヤと格闘しながらも2番手までポジションを上げていたシューマッハも67周目にスローダウン。ピットインしそのままリタイア。その間にトップとなったのが終始安定した走りを続けていたホンダのジェンソン・バトン。52周目にトップにたつと、1回のピットストップを無難にこなしトップでチェッカーを受けた。
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路面状況がウェットからドライに変わる難しいコースコンディションのレースだったが、見事優勝したのは参戦115戦目のコンビであるバトンとホンダ(第3期)だった。両者にとって見事な初優勝である。2位はデ・ラ・ロサ、3位ハイドフェルド、4位バリチェロ、5位クルサード、6位ラルフ・シューマッハ、7位クビカ、8位マッサの順だが、クビカのマシンが最車検で重量規定違反となり成績抹消。7位マッサ、8位にリタイアしたミハエルが入賞となった。
ホンダの快進撃はあるか!?
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チャンピオンシップ争いは1ポイント縮まって残り5戦で10ポイント差。残り全てでミハエル優勝、アロンソ2位だと同ポイントで優勝回数の多いミハエルのチャンピオンとなる。逆にアロンソは1回でも優勝すれば、残りは全て2位でもチャンピオン獲得となる。ポイント的にはアロンソ有利だが、トータルのパッケージではフェラーリが一歩抜きん出ているように見える。
そして今回115戦目で優勝を遂げたホンダだが、終盤戦の台風の目となるか。残念ながら今回はトップ3台が潰れたレースで、完走率の高いルノーとフェラーリがいる限り優勝はまたしばしお預けとなるだろう。とはいえ日本人としては強いホンダに帰ってきて欲しいところだ。予選のパフォーマンスも向上して来ているし、表彰台の一角を狙うには十分なパフォーマンスを持っていると思う。