毎月集計される、小型車・軽自動車を合わせた全乗用車の登録台数でも常にトップを記録する、現行型スズキ ワゴンR。
デビューから3年経った今でも相変わらず強いクルマだ。
今回は、ワゴンRの中でも最速最強のエンジンをもつ、RR(ダブルアール)・「RR-DI」を試乗、レポート。走行性能だけでなく、内外装、購入のポイントまでを詳しく解説している。

この記事の目次 CONTENTS
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1.最速エンジンをもつワゴンR RR-DI
2.先代の美点を残し進化したエクステリア
3.ヤンチャな走りにおもわず「ニヤリ」
4.ゆったりスペースで使いやすいインテリア
5.選ぶなら軽のメリット?小型車の余裕?
6.スズキ ワゴンR RR-DIのスペック情報

ライター紹介

221616 編集部

世の中の自動車ニュースとは一味違う視点でスローニュースを発信。編集部員はクルマ初心者からクルマをこよなく愛するマニアまで幅広いメンバーで構成。全国のガリバーで売れている中古車や車のスタッフレポートなど、生の情報をお届け中。

1.最速エンジンをもつワゴンR RR-DI

スズキ ワゴンRは、現在、以下の3タイプのエンジンラインナップとなっている。

  1. 660ccのノンターボDOHC、ターボ付きDOHC
  2. 今回の試乗車「RR-DI」に搭載される最速版
  3. ハイパワー版直噴DOHCターボ

上記の中での売れ筋は、車両本体価格100万円〜120万円で購入可能の、660ccのノンターボDOHC、ターボ付きDOHCモデルとなっている。
今回の試乗車「RR-DI」に搭載される最速版モデルの車両本体価格は140万〜150万円。速さを踏まえたとしても、少し割高にも感じる。

売れ筋はハイパワー版直噴DOHCターボエンジン

個人的に関心のあるモデルを上げるとしたら、ハイパワー版直噴DOHCターボモデル。

なんとこのモデル、日本で一番売れるクルマの一番売れるエンジンタイプだ。
クルマを扱う編集者としては、最も乗るべきエンジンタイプではないだろうか。しかし、試乗車の都合で乗ることは叶わず、実に無念な結果となった・・・

気を取り直して、今回は最速版「RR-DI」に乗り込んでみるとしよう。
日本一のワゴンRの中の「最強」とは果たして!?

2.先代の美点を残し進化したエクステリア

スズキ ワゴンR RR-DIのエクステリアを先代モデルとの比較を含め、レポート。

先代モデルのシンプルで機能的な面はそのままに

先代モデルに比べ、サイドやフロントウィンドウの角度がさらに直立し、よりゆったりとした室内空間が生まれた。また、派手さや華美なところはなく、シンプルで機能的なデザインが心地良い。初代から続くワゴンRの美点といえるだろう。

試乗車「RR-DI」には165/55R14タイヤにラウンドリムのアルミホイールが組み合わされる。

最速スポーツモデルでも優れた環境性能を誇る

リアゲートで誇らしげに光る「RR(ダブルアール)」のロゴマーク。歴代ワゴンRで最速モデルに与えられる称号だ。

シリーズ最速のスポーツモデル「RR-DI」には、K6A型 直列3気筒DOHC12バルブ・インタークーラー付きターボエンジンが積まれる。
カリカリのスポーツモデルとはいえ、今の時代に求められる優れた環境性能にもばっちり準拠しているのが嬉しいところ。

3.ヤンチャな走りにおもわず「ニヤリ」

走り出してみると、ワゴンR RR-DIの「ヤンチャ」っぷりに思わず顔がほころぶ。まるで、2ストのバイクにでも乗っているかのようなすばしっこさだ。

軽快な加速とハンドリングが自慢

発進加速だけでなく、中間加速(追い越しなどをかけるときの再加速性能)でも全域で好レスポンスなのも嬉しい。
例えば、時速7、80km/h位の領域からでもアクセルを踏み込めばギュン!と軽快に加速してくれる。街乗りが楽しくなること請け合いだ。

ハンドリング面でも、1635mmというノッポな車高ながら、固められた足で不安なく軽快に走ってくれる。
実はこれ、何気ないがスゴイことなのだ。

高速走行よりも街乗りにおすすめ

高速道路の右車線を走るような速度域ともなると、加速もさすがに苦しくなってくる。それに乗り心地の面でも、軽規格の小さな全長X全幅(ホイールベースXトレッド)では、やはり限界があるのも確かだ。
ワゴンR RR-DIはあくまでも「街乗りスペシャル」として楽しむのが良いだろう。

4.ゆったりスペースで使いやすいインテリア

スズキ ワゴンR RR-DIのインテリアについて、詳しくレポート。

使い勝手のいい装備満載のワゴンR RR-DI

シンプルな機能美を感じさせるワゴンR RR-DIのクリーンなインパネ。
エアフィルター付きオートエアコンや6スピーカー付きMD/CDプレーヤーなど快適機能は標準装備だ。

スポーツモデルらしくタコメーターが付く「RR-DI」。自発光メーターが凛々しい。
シフトはコラム方式の4速ATのみの設定となる。

助手席下には便利な収納BOXが現れる。
しかもコレ、取っ手を引き出すとバケツに早代わり!汚れ物や濡れた雑巾などを突っ込んでも後で水洗いができる優れモノなのだ。

軽自動車でもゆったりとしたスペースを確保

幅、高さ方向ともに、大人2名が乗っても十分な広さを確保する前席スペース。
ただし、大柄な男性ユーザーが乗ると背もたれや座面の長さは若干小さく感じられるかもしれない。

左右独立のスライド機能もつくリアシート。前席同様にゆったりしたスペースを誇る。
座面の高さも適切だから見晴らしも良く、また、乗り降りも楽ちんだ。

長い荷物でも対応可能なラゲッジスペース

ライバル「ダイハツ ムーヴ」などが主に横開きタイプのリアドアを採用する中、ワゴンRは跳ね上げ式のみの設定となるため、好みが分かれるところだ。

リアシートを後ろいっぱいに下げた状態であれば、日常のお買い物なら十分対応できる。それくらい、荷室がしっかり確保されている。

後席を片側だけ前倒しした状態。
連動して座面が下にもぐりこむ方式を採用するため、簡単操作でフラットなカーゴスペースが生まれる。

助手席の座面を引き上げ、背もたれを90度前倒しする。そうすれば、長い荷物でも楽に積み込むことが可能となる。買い物好きにも嬉しい機能だ。

5.選ぶなら軽のメリット?小型車の余裕?

超コンパクトなボディで狭い街中の小回りもばっちり。それでいて維持費も安い。
さらに、小型車並み(もしかしたらそれ以上かもしれない)の高性能、大人4人がきっちり乗れる広々車内・・・

ワゴンR RR-DIは魅力に溢れる「スーパーカー」だ。これが140万円少々(※FF版)で普通に買えてしまう日本は、実はすごい国なのかもしれない。とにかくお買い得だ、と素直に感じたのは本当のことだ。

小型車ハイトワゴンにはbBやキューブ、クーが

よく考えると、小型車ハイトワゴンとしては、トヨタ bBや日産 キューブ、ダイハツ クーといった車が挙げられる。
ボディタイプの異なるクルマを単純に比較するのも強引だ。しかし、軽のメリットを取るか、小型車の余裕を取るか、という究極の選択になるということは分かる。

2台持つなら断然軽自動車がお得!

比較的長距離のドライブが好きな筆者の場合、「コレ1台だけで」となるとやはり「余裕」のほうを選んでしまうかもしれない。ただ、一家の2台目需要となると、俄然軽自動車が光ってくるだろう。理由としては、毎年の自動車税が挙げられる。

あなたなら、どちらを選ぶ?

6.スズキ ワゴンR RR-DIのスペック情報

スズキ ワゴンR RR-DIのスペック情報は以下の通り。

テスト車両 スズキ ワゴンR RR-DI(FF)
ボディサイズ(全長×全幅×全高) 3395x1475x1635mm
車両重量 860kg
エンジン形式 直3 DOHC12バルブ インタークーラー付きターボ
総排気量 658cc
最高出力 64ps(47kW)/6500rpm
最大トルク 10.5kg-m(103N・m)/3500rpm
ミッション コラムシフト4速オートマチック
10・15モード燃焼 19.4km/
定員 4人
税込価格 141.75万円
発売日 2005/09/02