抜群の存在感をほこるスタイリング
メルセデス・ベンツの超高級スポーツカーとして君臨するのがSL。電動開閉式のスチールルーフを持つクーペ/ロードスターのボディは、内に秘めたパワーを誇示するかのようなロングノーズが特徴。今回試乗したSL 55 AMGパフォーマンスパッケージはF1のセーフティカーから生まれた専用の仕様が用意されたモデルで、ワイドなエアインテークが両サイドのエアアウトレットが印象的なフロントスポイラーを持つ。
ただものでない雰囲気を漂わせるフロントマスク。これ以上ないパーソナルスペシャリティとしての誇りを感じさせる。
リアスタイルも非常にグラマラス。オープンにしたスタイルも、華やかさに満ちている。
存在感抜群のサイドビュー。大柄なボディを2人乗りの為だけに占有しているのは、最高の贅沢だ。
19インチタイアは見た目&走りに影響
タイヤも専用デザインのマルチピースタイプ19インチアルミホイール+フロント255/35R19、リア285/30R19の超偏平ワイドタイヤが採用され、圧倒的な存在感とハイパフォーマンスを強調する。
圧倒的な走りを実現するパワートレーン
搭載エンジンはV型8気筒5.5LのSOHCで、スーパーチャージャー仕様によって実に368kW(500ps)のパワーと700N・mのトルクを発生する。しかもこの最大トルクは2750回転から4000回転までの幅広い回転域で発声されるから、ちょっとアクセルを踏み込んだだけで暴力的ともいえるような豪快な加速フィールが得られる。停止状態からアクセルを踏み込むと、ホイールスピンを起こしながらの加速を示す。すぐにトラクションコントロールがタイヤの空転を抑えてくれるが、この加速感は半端ではない。
ATは電子制御式の5速で、マニュアルモードを選択すれば、ステアリングホイール裏側のスイッチによってシフトアップ/ダウンの操作も可能。ただ、シフトレバーをわずかに左右に動かすだけでシフトチェンジが可能なティップシフトが基本なので、これを使えば十分という感じだ。
TCのほかにもESPやアクティブボディコントロール、大径のベンチレーティッドディスクブレーキなど、車両の挙動を制御するさまざまなデバイスが備えられているが、SL 55 AMGのパフォーマンスを存分に生かそうと思ったらサーキットなどの特別な空間を選ぶしかない。
特別な雰囲気はインテリアにも
本革製のインテグラルシートやアルミパネルを採用するなど、インテリア回りの雰囲気もAMG仕様の特別なもの。正に夢のスーパーカーである。
非日常的な生活をイメージさせるインテリア&コックピット。カラーコーディネートも情熱的で、若々しい。
2人の為だけに最高のホスピタリティを提供してくれるシート。スペースや座り心地は満点だ。
屋根を収納できるトランクスペースもなかなか広大。贅沢なクルマでzりながら、最低限の実用性を確保しているのは立派。
代表グレード | SL55 AMG |
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) | 4535×1830×1295mm |
車両重量[kg] | 1970kg |
総排気量[cc] | 5438cc |
最高出力[ps(kw)/rpm] | 500ps(367.75kw)/6100rpm |
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm] | 71.4kg・m(700.19N・m)/2750rpm |
ミッション | 5AT |
10・15モード燃焼[km/l] | 6.3km/l |
定員[人] | 2人 |
税込価格[万円] | 1743万円 |
発売日 | 2004/07 |
レポート | 松下 宏 |
写真 | 佐藤 靖彦 |