3リッターエンジンによる余裕の走り
搭載エンジンはV型6気筒3.0Lの自然吸気DOHC。基本的にセダンと共通のもので、可変バルブタイミングシステムを備えている。115kW/290N・mの実力を伝えるのはアイシン製の6速ATで、ラグジュアリークーペらしい余裕の走りを実現する。
絶対的な動力性能は3.0L級のエンジンとしての平均レベルといえるが、低速域のトルクに余裕があるほか、6速ATの変速のスムーズさもあって実に滑らかな走りを実現する。ワインディングなどを積極的に飛ばすのではなく、ゆったりしたクルージングを楽しむほうが似合うクルマといえる。
圧倒的な静粛性で余裕のクルージングを
そのクルージングはとても快適なものだ。特にプジョーらしい乗り心地の良さがそうした印象を強くする。高架道路の継ぎ目を越えるようなシーンでも、突き上げを感じさせることなく、うまくショックをいなして快適な乗り心地を実現している。このあたりは本当に大したものだと思う。
クルージング中の静粛性が大きく向上したのも注目点。エンジン音などはほとんど入ってこず、ロードノイズは路面によって違いがあるが、全体にとても静かなクルマになった。日本ではレクサスなどトヨタ製のクルマがとても静かなので際立った優位点にはなりにくいが、輸入車の中では相当に静かなクルマといえる。
●まとめ
クーペ407の価格は549万円。絶対的には十分に高い水準にあるが、3.0Lエンジンを搭載した輸入クーペで、カーナビを始めとする充実した快適装備、あるいは安全装備を備えることを考えると、競合する輸入クーペとの関係では高い競争力を備えている。取り敢えず年内は250台の販売が目標というが、それは容易に達成しそうな印象だ。