ライター紹介

自動車評論家

松下 宏 氏

中古車の業界誌から自動車誌の編集者を経て、自動車評論家に。 誰でも買える価格帯であり、小さくて軽く、そして燃費がよいということを信念として評論。

クーペの老舗としての誇り

プジョーは100年を超える歴史を持つ由緒ある自動車メーカーだが、その草創期からクーペボディのクルマを作っており、クーペについても100年を超える歴史を持つ。最近では日本では1998年に発売されたピニンファリーナデザインの406クーペが、世界で最も美しいクーペと呼ばれるなど、歴史に残るクーペを作ってきた。

そして先鋭のクーペ、407のデザインとは

今回のクーペ407は、昨年発売されたセダンをベースに作られたクーペだが、単純に従来の406クーペをフルモデルチェンジしたクルマではなく、新しい発想で作られたクルマであることを強調するため、呼び方もクーペ407とされている。

 スタイリッシュなデザインとラグジュアリーなインテリア、そしてスポーティな走りを両立させた新しいクーペで、プジョーのフラッグシップとなるモデルだ。

 外観デザインは407と同様、ネコ科の動物をイメージしたもので、今回はピニンファリーナの手を借りることなく、プジョーのデザインスタジオが独自にデザインしたという。セダンに比べ全長を130mm延長して前後のオーバーハングを伸ばした独特のクーペデザインが、伸び伸びとした印象を与えている。

 デザインに関しては好き嫌いの要素がかなり大きいが、先に発売されたアルファブレラと双璧を成す輸入クーペになるのは確かで、ブレラが好きという人とクーペ407が好きという人がいるだろう

3.0
ボディサイズ[mm](全長×全幅×全高) 4815×1870×1405mm
車両重量[kg]1660kg
総排気量[cc]2946cc
最高出力[ps(kw)/rpm]210ps(154.46kw)/6000rpm
最大トルク[kg-m(N・m)/rpm]29.5kg・m(289.3N・m)/3750rpm
ミッション6AT
定員[人]4人
税込価格[万円]549万円
発売日2006/07/07 (発表:2006/06/05)
レポート松下 宏
写真佐藤 靖彦

2ドアなのに"407セダン" より130mmも全長が長いクーペ。とても堂々としている。

長めのオーバーハングにより、フランス車らしいゆったりしたイメージを醸し出している。

長径60cmという、プジョー車の中で最大サイズのヘッドランプユニットを搭載。ハイビームロービームとも、自然光に近いキセノンランプだ。

フロントマスクに備わる "プジョーエンブレム" がとてもお洒落。

大型リアバンパーはボリューム感満点で力強い印象。マフラーにはクロムメッキ仕様のツインパイプマフラーを装備している。

視認性に優れたテールランプをそなえ、ハイマウントストップランプにはLEDを採用し、表情に変化を与えている。