フォーカスシリーズの本命モデル
C-MAXの搭載エンジンはフォーカスの標準モデルと同じ直列4気筒2.0Lの自然吸気DOHC。2L級のエンジンとしては比較的パワフルな107kWの動力性能を発揮するので、背が高くなった分だけ重くなった車両重量にも十分に対応できる実力だ。185N・mのトルクもまずまずの実力で、中低速域のトルクフィールにも優れており、全体に滑らかな走りが可能だ。
ATは電子制御4速のシーケンシャルモード付き。変速フィールそのものは決して悪くないが、今どきのATとしては4速ではなく5速が欲しいところ。マニュアル操作が可能なだけに、余計に5速ATが欲しくなる。またシーケンシャルレバーは前に押すとシフトダウンで手前に引くとシフトアップになる。これはポルシェやVWなどと違って、BMWやマツダなどと同じ方式だが、個人的にはやや違和感を感じる。ATからの発展を考えると、ポルシェ方式のほうが自然ではないか。
やや柔らかめの乗り心地も悪くない。アイポイントが高い分だけロール感を感じるものの、ダブルレーンチェンジやパイロンスラロームを試しても、その挙動は安定していて不安を感じさせない。標準のフォーカスに乗ると同じくらいの感覚で運転できる。ブレーキ性能も増加した重量に対応するものだ。
●お勧めグレード
C-MAXは単一グレードなので特にお勧めグレードはない。ベースのフォーカス2.0に比べると10万円高いだけの280万円の価格が設定されている。従来、フォーカスではステーションワゴンに20万円高の価格を設定していたが、それに比べるとC-MAXの10万円高には割安感がある。快適装備の充実度が高く満足して乗れる仕様であることも魅力の要素だ。フォーカスでは標準ボディよりC-MAXのほうが売れるようになる可能性もある。
ゴルフ・プラスに比べると、ATなどC-MAXのほうが仕様ダウンとなる要素もあるが、やや安めの価格が設定されているのも良い。メルセデス・ベンツBクラスも含め、比較検討して購入を決めたい。